第146回・日商簿記検定3級 第3問(試算表作成問題)の過去問分析

第3問 過去に何度も出題されているタイプの合計残高試算表の作成問題です!

第3問の難度アンケート結果

 第3問は予想通り【試算表作成問題】でした。

 合計残高試算表の他に売掛金・買掛金明細表を作成する必要がありますが、各取引の難度・分量は平均レベルなので、過去問対策をバッチリやっていた方は満点近い点数が取れたのではないでしょうか。

 受験生アンケートでも、70%弱の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。合格するためには、最低でも8割以上(30点満点中24点以上)を取りたい問題です。

 なお、本問は問題資料が時系列順に与えられているので、解答にあたって二重取引を考慮する必要はありません。

二重取引を考慮する必要のない問題の解答方法

 二重取引を考慮する必要のない問題の解答方法は、「下書用紙に全取引の仕訳を書いて集計する方法(以下、①法)」と、「下書用紙にT勘定を設定し、頭のなかで仕訳を考えて各勘定に金額を記入し、各勘定ごとに金額を集計する方法(以下、②法)」の2つがあります。

 本問は、5月中の取引がそんなに多くないので①法で解いても良いと思いますが、基本的にはメリットの多い②法で解くことをおすすめします。

①法 ②法
練習の必要性 特になし あり
解答時間 長くなる 短くて済む
ケアレスミス 発生しやすい 発生しにくい

T勘定を設定すべき勘定

 3級の試算表作成問題をT勘定を使って解く場合は、現金・当座預金・売掛金・買掛金・受取手形・支払手形・仕入・売上勘定の8つについては必ずT勘定を作りますが、本問は受取手形と支払手形がない(非常に珍しい!)ので、残りの6つだけ作りましょう。

 なお、その他については臨機応変に対応することになりますが、基本的には「その他」という勘定を作ってそこにどんどん書き込んでいくと分かりやすくて集計しやすいです。

  • 本問で設定するT勘定:現金勘定、当座預金勘定、受取手形勘定支払手形勘定、売掛金勘定、買掛金勘定、売上勘定、仕入勘定、その他勘定

本問の解答手順

 まず、下書用紙に現金勘定、当座預金勘定、売掛金勘定、買掛金勘定、売上勘定、仕入勘定、その他勘定を書きます。

合計残高試算表の下書き1
合計残高試算表の下書き1(PDF版

 次に、平成29年5月26日時点の各勘定の「借方に計上されている金額」および「貸方に計上されている金額」を記入します。金額自体は、問題資料(1)の合計試算表からひっぱってくるだけです。

合計残高試算表の下書き2
合計残高試算表の下書き2(PDF版

 さらに、資料(2)の各日の取引を頭の中で仕訳して、6つの勘定+その他勘定に記入していきます。

 なお、売掛金と買掛金に関しては明細表を作成する必要があるので、下書用紙の売掛金勘定・買掛金勘定に金額を書き込むさいにはどの商店の増減なのかひと目で分かるようにしておくのがポイントです。

  • 売掛金
    • と:東京商店
    • ち:千葉商店
  • 買掛金
    • い:茨城商店
    • と:栃木商店
合計残高試算表の下書き3
合計残高試算表の下書き3(PDF版

 最後に6つの勘定を締め切り、答案用紙の合計および残高欄に金額を記入します。

 本問は合計残高試算表を作成する問題なので、各勘定を締め切るさいにはいったん借方合計額・貸方合計額を計算したあとに残高の金額を求めるのがポイントです。

 なお、「その他」勘定は締め切り不要です。問題資料の合計試算表の5月26日時点の各金額に、「その他」勘定に計上した金額を反映させて、5月31日時点の金額を求めましょう。

合計残高試算表の下書き4
合計残高試算表の下書き4(PDF版

 売掛金明細表・買掛金明細表は、答案用紙で与えられている5月26日時点の金額に、27日から31日までの増減額を反映させて、31日時点の金額を求めましょう。

  • 売掛金明細表
    • 東京商店:430,000円+65,000円+1,500円-300,000円=196,500円
    • 千葉商店:350,000円+80,000円-5,000円-240,000円=185,000円
  • 買掛金明細表
    • 茨城商店:340,000円+40,000円-200,000円=180,000円
    • 栃木商店:258,000円+45,000円-1,000円-150,000円=152,000円

 答案用紙の売掛金明細表・買掛金明細表を完成させたら、念のために売掛金と買掛金の金額を検算するクセを付けておきましょう。

  • 売掛金の検算
    • 売掛金明細表の合計額:196,500円+185,000円=381,500円
    • 合計残高試算表の売掛金の残高:381,500円
  • 買掛金の検算
    • 買掛金明細表の合計額:180,000円+152,000円=332,000円
    • 合計残高試算表の買掛金の残高:332,000円

参考1:合計試算表・残高試算表の下書きの締め切り方

 仮に、本問の解答要求が合計試算表・残高試算表の場合は、以下のように締め切ると分かりやすいです。上で紹介している合計残高試算表の締め切り方とあわせて押さえておきましょう。

合計試算表の下書き
合計試算表の下書き(PDF版
残高試算表の下書き
残高試算表の下書き(PDF版

参考2:5月中の取引の仕訳

5月27日の仕訳①
(借)仕入 60,000
 (貸)前払金 15,000
 (貸)買掛金(栃木) 45,000
5月27日の仕訳②
(借)給料 200,000
 (貸)所得税預り金 2,000
 (貸)現金 198,000
5月28日の仕訳①-1
(借)前受金 15,000
(借)売掛金(東京) 65,000
 (貸)売上 80,000
5月28日の仕訳①-2
(借)売掛金(東京) 1,500
 (貸)現金 1,500

 得意先負担の発送費を立て替えた場合は、売掛金に含めて処理するか立替金で処理します。

 本問は、問題文に「同店負担の発送費 ¥ 1,500 を現金で立て替えたので、売掛金に含める」とあるので、売掛金に含めて処理します。

  • 得意先負担の発送費を立て替えた場合:売掛金または立替金で処理
  • 当店負担の発送費を支払った場合:発送費や支払運賃などで費用処理
5月28日の仕訳②
(借)買掛金(栃木) 1,000
 (貸)仕入 1,000
5月29日の仕訳
(借)前受金 20,000
(借)売掛金(千葉) 80,000
 (貸)売上 100,000
5月30日の仕訳①
(借)買掛金(茨城) 200,000
(借)買掛金(栃木) 150,000
 (貸)当座預金 350,000
5月30日の仕訳②
(借)売上 5,000
 (貸)売掛金(千葉) 5,000
5月30日の仕訳③
(借)支払家賃 75,000
 (貸)当座預金 75,000
5月30日の仕訳④
(借)水道光熱費 27,000
 (貸)当座預金 27,000
5月30日の仕訳⑤
(借)現金 150,000
 (貸)当座預金 150,000
5月31日の仕訳①
(借)仕入 50,000
 (貸)前払金 10,000
 (貸)買掛金(茨城) 40,000
5月31日の仕訳②
(借)当座預金 540,000
 (貸)売掛金(東京) 300,000
 (貸)売掛金(千葉) 240,000
5月31日の仕訳③
(借)借入金 1,000,000
(借)支払利息 60,000
 (貸)当座預金 1,060,000


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