第146回・日商簿記検定3級 第2問(帳簿組織)の過去問分析

第2問 補助簿の選択の簡単な問題。ちなみに「該当なし」の選択肢は初登場です。

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【補助簿の選択】問題でした。

 オリジナル予想問題「簿記ナビ模試」でも出題しましたし、しかもひっかけの定番である売上戻り・売上値引の処理もなかったので、きちんと対策していた方にとってはボーナス問題になったと思います。

 受験生アンケートでは「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答した方が60%ちょっとしかいませんでしたが、合格するためには最低でも8点(5問中4問正解)は取らなければいけない問題です。

 解答にあたっては、まずは各取引の仕訳を考えたうえで、記入すべき帳簿を選択しましょう。

 なお、本問は問題文に「該当する補助簿が1つもない取引は「該当なし」の欄に◯印を付すこと」という珍しい指示があるので、問題を読んださいにアンダーラインや丸で囲むなどして目立たせておきましょう。

模範解答
現金
出納帳
当座預金
出納帳
商品
有高帳
売掛金
元帳
買掛金
元帳
仕入帳 売上帳 該当なし
5日
6日
16日
31日①
31日②

平成28年12月5日の取引

5日の仕訳(売上取引)
(借)当座預金 400,000
(借)売掛金 400,000
 (貸)売上 800,000

 借方の当座預金は「当座預金出納帳」、貸方の売掛金は「売掛金元帳」に記入します。

 貸方の売上は「売上帳」「商品有高帳」の2つに記入します。売上は商品が実際に動くので、売上帳だけでなく商品有高帳にも記入する点がポイントです。

売上→商品を送る→手元の商品が減る→商品有高帳に減った分を記入する

 なお、八王子商店振出しの小切手を現金で処理してしまった方がいるかもしれませんが、受け取った小切手をただちに当座預金口座に預けていれた場合は、現金ではなく当座預金の増加として処理します。

 問題文にも「現金出納帳には通貨の記録のみを行っている」とあるので、通貨ではない小切手の受け取りは現金出納帳には記入されない、と判断しましょう。

平成28年12月6日の取引

6日の仕訳(固定資産の購入)
(借)建物 5,000,000
 (貸)仮払金 500,000
 (貸)当座預金 4,500,000

 貸方の当座預金は「当座預金出納帳」に記入します。借方と建物と貸方の仮払金については、補助簿に記入しません。

平成28年12月16日の取引

16日の仕訳(仕入戻し)
(借)買掛金 150,000
 (貸)仕入 150,000

 借方の買掛金は「買掛金元帳」に記入します。一方、借方の仕入は「仕入帳」「商品有高帳」の2つに記入します。仕入戻しは商品が実際に動くので、仕入帳だけでなく商品有高帳にも記入する点がポイントです。

仕入戻し→商品を送り返す→手元の商品が減る→商品有高帳に減った分を記入する

平成28年12月31日の取引①

31日①の仕訳(現金過不足)
(借)当座預金 20,000
 (貸)現金過不足 20,000

 借方の当座預金は「当座預金出納帳」に記入します。貸方の現金過不足については、補助簿に記入しません。

平成28年12月31日の取引②

31日②の仕訳(貸倒引当金の設定)
(借)貸倒引当金繰入 8,000
 (貸)貸倒引当金 8,000

 借方の貸倒引当金繰入、貸方の貸倒引当金ともに補助簿には記入しません。よって、本問は「該当なし」になります。

参考・売上戻りと売上値引の処理について

 本問では問われていませんが、補助簿の選択の典型的なひっかけ論点である「売上戻りと売上値引の処理」について確認しておきましょう。

 売上戻りは、商品が手元に戻ってくるので、売上帳だけでなく商品有高帳にも記入します。一方、売上値引は売上の利益部分を差し引く(修正する)だけなので、商品有高帳に記入する必要はありません。

売上戻り→商品が戻ってくる→手元の商品が増える→商品有高帳に増えた分を記入する

売上値引→商品は戻ってこない→手元の商品の増減なし→商品有高帳には何も記入しない

補助簿の記入まとめ
仕入戻し 仕入値引 売上戻り 売上値引
商品有高帳 ×
仕入帳 × ×
売上帳 × ×

 上記の「売上戻り・売上値引」の他には…郵便為替証書・送金小切手等の通貨代用証券を受け取った場合、現金の増加として処理する(現金出納帳に記入する)点が問われる可能性もあるので、きちんと押さえておきましょう。



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