第146回・日商簿記検定2級 第2問(銀行勘定調整表)の過去問分析

第2問 銀行勘定調整表の作成問題!第137回試験の第2問とほとんど同じです。

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【銀行勘定調整表】に関する問題でした。

 第137回試験の第2問で出題された銀行勘定調整表の問題とほとんど同じ形式だったので、過去問対策をきちんとやっていた方にとってはボーナス問題だったと思います。

 受験生アンケートでも、70%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

問1 銀行勘定調整表の解き方

 銀行勘定調整表には「企業残高基準法」「銀行残高基準法」「並列法(両者区分調整法)」の3つの種類がありますが、本問では「銀行残高基準法」が問われています。

  • 企業残高基準法:企業残高を銀行残高に合わせる(第134回試験)
  • 銀行残高基準法:銀行残高を企業残高に合わせる(第137回試験・本問)
  • 並列法:金額不一致の原因を企業側・銀行側に分けて表示し、両者の残高を合わせる

 解答を考えるうえでは並列法が一番分かりやすいので、まずは並列法で当座預金の金額を調整し、その上で銀行残高基準法による場合の表示に直しましょう。以下の画像は、並列法の下書き画像です。

銀行勘定調整表の下書き1
銀行勘定調整表の下書き1

 それでは、金額を埋めていきましょう。まず、「当座預金勘定の残高」ですが、金額が分からないのでひとまず「?」と記入しておきます。

 一方、「銀行残高証明書の残高」は、問題の資料の「取引銀行から当座預金の残高証明書を取り寄せたところ、その残高は ¥ 328,200 」から、328,200円を引っ張ってきます。

 次に、真ん中部分の「不一致の原因を加減する」という部分ですが、ここには資料の①②③④の各金額が入ります。ひとつひとつ考えてみましょう。

① 未取付小切手

 東京商店側では小切手振出時に当座預金の残高を減らしていますが、仕入先が未だ銀行に呈示(=換金)していないため、銀行の残高と合わなくなります。

銀行側の残高を32,000円減らすことによって残高の不一致を調整します。

② 企業側誤記入

 問題文の「売掛金の回収として得意先振出しの小切手 ¥ 16,000 を受け取り、その時点で当座預金の増加として処理していた」から、以前に以下のような仕訳を切っていたことがわかります。

参考:売掛金回収時の仕訳
(借)当座預金 16,000
 (貸)売掛金 16,000

 上記の仕訳を踏まえたうえで、問題文の「決算日現在、金庫に入れたままで、銀行への預入れを行っていなかった」から、当座預金の増加として処理していた他店振出小切手16,000円は未だ手元にあることが分かります。

東京商店側の当座預金の残高を16,000円減らすことによって残高の不一致を調整します。

③ 未記帳取引

 東京商店側では電子記録債権回収の処理を未だ行っていないため、銀行の残高と合わなくなります。

東京商店側の当座預金の残高を23,000円増やすことによって残高の不一致を調整します。

④ 時間外預入

 東京商店側では預け入れた時点で当座預金の残高を増やしていますが、銀行側では翌営業日に入金処理をするので、銀行の残高と合わなくなります。

銀行側の残高を44,500円増やすことによって残高の不一致を調整します。


 上記①②③④の処理を下書きに反映すると、以下のような形になります。勘の良い方はもうお分かりだと思いますが、この時点で問3の「貸借対照表に計上される当座預金の金額」が340,700円と判明します。

銀行勘定調整表の下書き2
銀行勘定調整表の下書き2

 それでは最後に、銀行残高基準法による場合の表示に修正しますが、必要な作業は銀行勘定調整表の残高からスタートして「∪」の字を書くように、不一致の原因を加減算して、最終的に当座預金勘定の残高を算定するだけです。

銀行勘定調整表の下書き3
銀行勘定調整表の下書き3

 なお、この時に注意していただきたいのは、東京商店側の調整項目の符号が逆転するという点です。銀行側は、上から下にむかって調整(328,200円→340,700円)するので符号は変わりませんが、東京商店側は、下から上にむかって調整(340,700円→?)するので符号が逆になります。

  • 銀行残高証明書の残高:328,200円
  • ① △32,000円
  • ④ +44,500円
  • △23,000円
  • +16,000円
  • 当座預金勘定の残高:333,700円

問2 決算における東京商店側の修正仕訳

 問2では決算における東京商店側の修正仕訳が問われていますが、4つとも簡単な仕訳なので特に問題ないと思います。

 問題の指示に従って、仕訳をする必要がない場合は借方の科目欄に「仕訳なし」と記入し、仕訳をする必要がある場合は、問題に列挙されている勘定科目を使って解答します。

 なお、本問は、問題文に「[ ]には上記の[資料]2.における番号①~④を記入し」とあるので、加算・減算の右側の空欄には①~④の番号を記入する必要があります。

 この指示を見落として「未取付」や「時間外預入」などと記入してしまった受験生も結構いたようですが、番号以外を記入すると金額が合っていても不正解になるのでじゅうぶんご注意ください。

修正仕訳が必要か否かの見分け方

 ①と④は、時間の経過にともない自然にズレが調整されるので仕訳は不要です。

 ②と③は、東京商店側で仕訳を切って調整しないとズレが調整されないので、問題に列挙されている勘定科目を使って仕訳を切ります。

仕訳なし
(借)現金 16,000
 (貸)当座預金 16,000

 決算においては「当座預金の増加として処理してたけど、実際はまだ手元に現金(他店振出小切手)として保有している」という状況なので、当座預金を現金に振り替えます。

(借)当座預金 23,000
 (貸)電子記録債権 23,000

 こちらは電子記録債権を当座預金に振り替えるだけです。

仕訳なし

問3 貸借対照表に計上される現金・当座預金の金額

 問3では貸借対照表に計上される現金および当座預金の金額が問われています。

 現金は、問題資料1から現金として処理すべきものをピックアップして計算します。

  • 通貨121,200円:現金として処理
  • 他人振出しの小切手16,000円:現金として処理
  • 収入印紙6,000円:貯蔵品として処理
  • 配当金領収証7,500円:現金として処理
  • 郵便切手5,500円:貯蔵品として処理
  • 送金小切手10,000円:現金として処理
    • 現金合計:121,200円+16,000円+7,500円+10,000円=154,700円

 また、当座預金は(問1の)並列法による銀行勘定調整表を作った時点で340,700円と判明しているので、そのまま金額を引っ張ってくるだけです。



ページの先頭へ