第145回・日商簿記検定3級 第3問(試算表作成問題)の過去問分析

第3問 簡単な試算表作成問題。試算表の形式に気をつけてください!

第3問の難度アンケート結果

 第3問は予想通り【試算表作成問題】でした。

 試算表の形式(11月30日の合計→12月中の取引→12月31日の合計)を間違えないように気をつける必要はありますが、その他は難度・ボリュームともに平均レベル以下でしたし、売掛金や買掛金の明細表を作る必要もないので、きちんと過去問対策していた方にとってはボーナス問題だったと思います。

 受験生アンケートでも約80%の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しており、合格するためには最低でも8割(30点中24点)は取りたい問題です。

二重取引を考慮する必要のない問題の解答方法について

 二重取引を考慮する必要のない問題の解答方法は、「下書用紙に全取引の仕訳を書いて集計する方法(以下、①法)」と、「下書用紙にT勘定を設定し、頭のなかで仕訳を考えて各勘定に金額を記入し、各勘定ごとに金額を集計する方法(以下、②法)」の2つがあります。

 本問は、12月中の取引がそんなに多くないので①法で解いても良いと思いますが、基本的にはメリットの多い②法で解くことをおすすめします。

①法 ②法
練習の必要性 特になし あり
解答時間 長くなる 短くて済む
ケアレスミス 発生しやすい 発生しにくい

T勘定を設定すべき勘定について

 3級の試算表作成問題をT勘定を使って解く場合は、現金・当座預金・売掛金・買掛金・受取手形・支払手形・仕入・売上勘定の8つについては必ずT勘定を作ってください(当座預金の他に普通預金がある場合は普通預金も加えた9つ)。

 なお、その他の勘定については臨機応変に対応することになりますが、基本的には「その他」という勘定を作ってそこにどんどん書き込んでいくと分かりやすくて集計しやすいです。

  • 本問で設定するT勘定:現金勘定、当座預金勘定、受取手形勘定、支払手形勘定、売掛金勘定、買掛金勘定、売上勘定、仕入勘定、その他勘定

具体的な解答手順について

 まず、下書用紙にT勘定を設定し、答案用紙の11月30日の合計の金額をひっぱってきます。

第145回日商簿記検定3級 第3問 管理人の下書き1
第3問 管理人の下書き1(PDF版

 次に、問題資料の12月中の取引の仕訳を頭の中で考えて、T勘定を設定している勘定については各T勘定に、設定していないものについては「その他」勘定に勘定科目と金額を埋めていきます。

 たまに、仕訳をいったん書いたうえでT勘定に移記している方がいらっしゃいますが、この方法ですとスピードアップを目的として設定したT勘定の意味がなくなってしまいます。

 慣れないうちは大変だと思いますが、がんばって頭の中で仕訳を考える訓練をしてください(※ただし、難しい取引は仕訳を書いてもOKです)。

第145回日商簿記検定3級 第3問 管理人の下書き2
第3問 管理人の下書き2(PDF版

 12月中の取引を全て処理し終えたら下書用紙のT勘定を締め切りますが、本問は合計試算表の作成問題なので、勘定を締め切るさいは借方合計・貸方合計の金額を集計しましょう。

 「その他」勘定については締め切る必要はないので、ひとつずつ答案用紙に移記してください。

第145回日商簿記検定3級 第3問 管理人の下書き3
第3問 管理人の下書き3(PDF版

参考:12月中の取引の仕訳

12月5日の仕訳
(借)仕入 451,000
 (貸)前払金 70,000
 (貸)買掛金 380,000
 (貸)現金 1,000
12月8日の仕訳
(借)売上 10,000
 (貸)売掛金 10,000
12月10日の仕訳
(借)当座預金 190,000
 (貸)受取手形 190,000
12月12日の仕訳
(借)未払金 79,000
 (貸)当座預金 79,000
12月13日の仕訳
(借)受取手形 40,000
(借)売掛金 60,000
 (貸)売上 100,000
(借)発送費 2,000
 (貸)現金 2,000
12月15日の仕訳
(借)水道光熱費 40,000
(借)通信費 500
 (貸)当座預金 40,500
12月17日の仕訳
(借)買掛金 90,000
 (貸)支払手形 90,000
12月19日の仕訳
(借)支払手形 140,000
 (貸)当座預金 140,000
12月20日の仕訳
(借)支払家賃 21,600
 (貸)当座預金 21,600

 問題文が「来月分の家賃 ¥ 21,600 が…」となっていたので、支払家賃ではなく前払家賃で処理するか悩んだ方もいらっしゃると思います。

 ただ、答案用紙の勘定科目の中に前払家賃勘定がなく、新たに追加するスペースもありませんので、本問は支払家賃勘定で処理すると判断して仕訳を考えましょう。

12月21日の仕訳
(借)仮払金 30,000
 (貸)現金 30,000
12月22日の仕訳
(借)受取手形 50,000
(借)当座預金 100,000
 (貸)売掛金 150,000
12月24日の仕訳
(借)現金 2,000
(借)旅費交通費 28,000
 (貸)仮払金 30,000
12月25日の仕訳
(借)給料 300,000
 (貸)所得税預り金 30,000
 (貸)当座預金 270,000
12月27日の仕訳
(借)当座預金 350,000
(借)売掛金 252,000
 (貸)売上 600,000
 (貸)現金 2,000

250,000円+2,000円=252,000円

 先方負担(得意先負担)の発送費は、本問のように売掛金に含めて処理する方法と、立替金で処理する方法の2パターンが考えられます。

  • 発送費が先方負担(得意先負担)の場合
    • 売掛金に含めて処理
    • 立替金で処理
  • 発送費が当店負担の場合
    • 発送費等で費用処理

 本問は、問題文に「売掛金に含めて処理した」という指示があるので簡単ですが、問題によってはこのような指示がない場合もあります。

 そのような場合は、問題資料や答案用紙の勘定科目等をヒントにして、どちらのパターンで処理するか判断しましょう。

12月29日の仕訳
(借)貸倒引当金 50,000
 (貸)売掛金 50,000


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