第145回・日商簿記検定2級 第2問(株主資本等変動計算書)の過去問分析

第2問 高得点を狙える株主資本等変動計算書の問題。単位にご注意ください!

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【株主資本等変動計算書】に関する問題でした。

 今回の第2問は「有価証券」か「株主資本等変動計算書」が出題される可能性が高いと言われていましたし、また、問題自体も「その他有価証券評価差額金」の処理以外は簡単だったので、満点に近い点数が取れた受験生も多かったようです。

 受験生アンケートでも、70%近くの方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。第3問の難度を考えますと、第2問は最低でも8割(20点満点中16点)は取りたいところです。

資料1 剰余金の配当および準備金・別途積立金の積み立て

①②の解答仕訳
(借)その他資本剰余金 550,000
 (貸)未払配当金 500,000
 (貸)資本準備金 50,000 ※1
(借)繰越利益剰余金 1,650,000
 (貸)未払配当金 1,500,000
 (貸)利益準備金 150,000 ※2

※1 500,000円÷10=50,000円

※2 1,500,000円÷10=150,000円

 その他資本剰余金・繰越利益剰余金を財源として配当を行う場合には、「配当により減少するその他資本剰余金・繰越利益剰余金の額の10分の1を、資本準備金の額と利益準備金の額とをあわせて、資本金の4分の1に達するまで(資本準備金・利益準備金を)積み立てなければならない」と定められているので、本問でもこの文言どおりにチェックする必要があります。

 まず、問題文に「その他資本剰余金を財源として ¥ 500,000、繰越利益剰余金を財源として ¥ 1,500,000、合計 ¥ 2,000,000の配当を行う」とあるので、配当により減少するその他資本剰余金・繰越利益剰余金の金額は2,000,000円で、その10分の1は200,000円ということが分かります。

 また、資本準備金と利益準備金の合計額が2,000,000円(=1,500,000円+500,000円)なので、資本金20,000,000円の4分の1に達するまで積み立てられる金額は、20,000,000円÷4-2,000,000円=3,000,000円になります。

 ここで、両者を比較すると【200,000円<3,000,000円】となるので、利益準備金要積立額は200,000円になります。

  • 配当の10分の1規定による準備金要積立額:200,000円
  • 資本金の4分の1規定による準備金積立限度額:3,000,000円
  • 金額の小さい方(200,000円)を資本準備金・利益準備金として積み立てる

 配当の10分の1規定に関しては多くの受験生が理解していると思いますが、資本金の4分の1規定と比較するのを忘れてしまう方が多いです。

 今回は10分の1規定の金額の方が小さかったので、4分の1規定を忘れていても結果的には正解までたどり着けますが、利益処分の問題は必ず資本金の4分の1規定もチェックしましょう。

③の解答仕訳
(借)繰越利益剰余金 120,000
 (貸)別途積立金 120,000

 繰越利益剰余金を別途積立金に振り替えるだけです。

資料2 増資時の新株発行

解答仕訳
(借)当座預金 1,400,000
 (貸)資本金 700,000 ※3
 (貸)資本準備金 700,000 ※4

※3 1,400,000円÷2=700,000円

※4 1,400,000円÷2=700,000円

 こちらもただの増資の処理です。「会社法が定める最低限度額」という毎度おなじみの指示があるので、資本金・資本準備金を700,000円ずつ計上するだけです。

資料3 その他有価証券の時価評価および当期純利益の振り替え

①の解答仕訳
(借)その他有価証券評価差額金 80,000 ※5
 (貸)その他有価証券 80,000
(借)その他有価証券 260,000 ※6
 (貸)その他有価証券評価差額金 260,000

※5 答案用紙の「その他有価証券評価差額金の当期首残高 80千円」より

※6 当期末時価1,530,000円-購入価額1,270,000円=260,000円

 まず、答案用紙の「その他有価証券評価差額金 当期首残高 80」から、前期末に以下のような仕訳を切っていたことが分かります。

前期末に行った時価評価の仕訳
(借)その他有価証券 80,000
 (貸)その他有価証券評価差額金 80,000

 また、問題文に「前期末の時価は ¥ 1,350,000」とあるので、上記の仕訳の金額と差引で購入価額を求めることができます。

  • 購入価額:?円
  • 前期末の時価評価:+80,000円
  • 前期末の時価:1,350,000円
  • 購入価額:1,270,000円(=1,350,000円-80,000円)

 購入価額が判明したら、あとはいつもどおり再振替仕訳(前期末時価→購入価額)と当期末の時価評価(購入価額→当期末時価)を行うだけです。

(借)その他有価証券評価差額金 80,000
 (貸)その他有価証券 80,000
(借)その他有価証券 260,000
 (貸)その他有価証券評価差額金 260,000

 これでOK…と言いたいところですが、答案用紙は「株主資本以外の項目の当期変動額(純額)」になっているので、当期変動額の純額180,000円(=260,000円-80,000円)を答案用紙に記入しましょう。

②の解答仕訳
(借)損益 930,000
 (貸)繰越利益剰余金 930,000

 損益を繰越利益剰余金に振り替えるだけです。特に問題ないと思います。

答案用紙の単位にご注意ください!

 本問は、問題の資料が「~円」で与えられているのに対して、答案用紙の株主資本等変動計算書の単位は「~千円」になっています。

 通常は、答案用紙に記入するさいに気づくかと思いますが、万が一、気付かずに「~円」で記入してしまうと全滅…ということになりかねませんので、単位の違いにはじゅうぶん気をつけてください。



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