第144回・日商簿記検定2級 第2問(商品売買)の過去問分析

第2問 難しいというより処理すべきことが多すぎて非常に面倒くさい問題です。

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【商品売買】に関する問題でした。

 具体的には…4月中の取引を売上原価対立法で記帳した場合、売掛金勘定・商品勘定の記入はどうなるか、また、4月の売上高・売上原価および4月末の売上割戻引当金の金額が問われました。

 ひとつひとつの取引の難度は高くないものの、処理すべき量が非常に多く、途中でケアレスミスをするとそれ以降の金額が全部ズレるということもあって、非常にやっかいな問題だったと思います。

 受験生アンケートでも約80%の方が「やや難しかった」「かなり難しかった」と回答しています。

第2問は何番目に解くべき?

 上述のとおり、第2問は処理すべき量が多く、解くのに非常に時間がかかるため、必ず最後に解きましょう。管理人のおすすめ解答順序は「第5問→第4問→第1問→第3問→第2問」です。

第2問はどうやって解くべき?

 まず、問題資料を元に4月中の取引の仕訳を下書きしてみましょう。そのさい、仕訳と並行して以下のような甲商品と乙商品の商品ボックスを作りましょう。

第144回日商簿記検定2級 第2問 管理人の下書き
第2問 管理人の下書き(PDF版

4月中の取引の仕訳一覧

4月5日 仕入①
(借)甲商品 640,000 ※1
(借)乙商品 810,000 ※2
 (貸)前払金 600,000
 (貸)買掛金 850,000 ※3

※1 @3,200円×200個=640,000円

※2 @2,700円×300個=810,000円

※3 640,000円+810,000円-600,000円=850,000円(貸借差額)

 売上原価対立法を採用している場合、商品を仕入れたさいには仕入勘定ではなく商品勘定を使います。仕訳を下書きするさいは、分かりやすいように「甲商品」「乙商品」に分けて書きましょう。

 また、問題文に「代金のうち ¥ 600,000 は前期に支払っていた手付金を充当」とあるので、前期に計上した前払金を振り替えます。

4月6日 仕入返品・仕入②
(借)甲商品 320,000 ※4
 (貸)買掛金 320,000
(借)買掛金 270,000 ※5
 (貸)乙商品 270,000

※4 @3,200円×100個=320,000円

※5 @2,700円×100個=270,000円

 返品(仕入戻し)と追加仕入の処理です。ここは簡単なので特に問題ないと思います。

4月10日 売上①
(借)売掛金 3,300,000 ※6
 (貸)売上 3,300,000
(借)売上原価 1,660,000 ※7
 (貸)甲商品 1,660,000

※6 @6,000円×550個=3,300,000円

※7 @3,000円×500個+@3,200円×50個=1,660,000円

 掛け売上を計上するとともに、売上原価の分だけ商品勘定を売上原価勘定に振り替えます。

4月11日 売上①の検収
仕訳なし

 注意事項1に「売上収益を認識する基準として出荷基準を…採用している」とあるので、検収前の出荷時点のタイミングで売上を計上します。

 よって、検収が完了したさいにやることは何もありません。

4月14日 仕入③
(借)甲商品 1,485,000 ※8
(借)乙商品 460,000 ※9
 (貸)受取手形 900,000
 (貸)買掛金 1,045,000 ※10

※8 @3,300円×450個=1,485,000円

※9 @2,300円×200個=460,000円

※10 1,485,000円+460,000円-900,000円=1,045,000円(貸借差額)

 問題文に「手元にあった他社振り出しの約束手形 ¥ 900,000 を譲渡し」とあるので、手形受取時に計上した受取手形を振り替えます。

4月16日 売掛金回収
(借)現金 3,296,700 ※12
(借)売上割引 3,300 ※11
 (貸)売掛金 3,300,000

※11 3,300,000円×0.1%=3,300円

※12 3,300,000円-3,300円=3,296,700円(貸借差額)

 売上割引の処理が問われています。売上割引とは「売掛金を早く払ってくれたら少し安くしてあげるよ」というもので、16日の取引は適用の条件を満たしているので、掛代金の0.1%を売上割引勘定で費用処理します。

4月20日 売上②
(借)売掛金 5,850,000 ※13
 (貸)売上 5,850,000
(借)売上原価 2,950,000 ※16
 (貸)甲商品 1,295,000 ※14
 (貸)乙商品 1,655,000 ※15
(借)発送費 8,000
 (貸)現金 8,000

※13 @6,500円×400個+@5,000円×650個=5,850,000円

※14 @3,200円×150個+@3,200円×100個+@3,300円×150個=1,295,000円

※15 @2,500円×400個+@2,700円×200個+@2,300円×50個=1,655,000円

※16 1,295,000円+1,655,000円=2,950,000円(貸方合計)

 掛け売上を計上するとともに、売上原価の分だけ商品勘定を売上原価勘定に振り替えます。なお、当店負担の発送運賃は、発送費や支払運賃などの勘定で費用処理します。

4月21日 売上②の検収および値引
(借)売上 975,000 ※17
 (貸)売掛金 975,000

※17 @1,500円×650個=975,000円

 売上値引の処理が問われています。値引きした分だけ売上高および売掛金を減らしますが、商品が戻ってきたわけではないので売上原価の調整は不要です。

4月25日 売掛金回収
(借)電子記録債権 800,000
 (貸)売掛金 800,000

 売掛金を電子記録債権に振り替えるだけです。勘定科目を電子債権記録にしないよう気をつけてください(私もたまに間違えそうになります)。

4月28日 売上割戻
(借)売上割戻引当金 13,000
(借)売上 7,000 ※18
 (貸)現金 20,000

※18 20,000円-13,000円=7,000円(貸借差額)

 売上割戻の処理が問われています。売上割戻とは「たくさん買ってくれたから少しだけキャッシュバックしますね」というもので、お得意さんに対するお礼みたいなものです。

 本問は、前期の決算の際に「来期、D商事は商品をたくさん買ってくれそうだから、キャッシュバックの準備をしておこう」ということで売上割戻引当金を計上したことが分かります。

 よって、前期の売上に関する13,000円については売上割戻引当金を取り崩して処理し、残りの7,000円については売上をマイナスして処理します。

4月30日 月次決算
(借)商品評価損 75,000 ※21
 (貸)甲商品 60,000 ※19
 (貸)乙商品 15,000 ※20
(借)売上原価 75,000
 (貸)商品評価損 75,000

※19 (@3,300円-@3,100円)×300個=60,000円

※20 (@2,300円-@2,200円)×150個=15,000円

※21 60,000円+15,000円=75,000円(貸方合計)

 甲商品の帳簿棚卸数量は300個、乙商品の帳簿棚卸数量は150個なので棚卸減耗損はゼロです。一方、甲商品・乙商品ともに「帳簿価額>正味売却価額」になっているので差額を商品評価損で処理します。

 なお、本問は注意事項3に「棚卸減耗損および商品評価損はいずれも売上原価に算入する」とあるので、1本目の仕訳で計上した商品評価損を売上原価に振り替えます。

4月の売上高・売上原価&4月末の売上割戻引当金

  • 当月の売上高:3,300,000円+5,850,000円-975,000円-7,000円=8,168,000円
  • 当月の売上原価:1,660,000円+2,950,000円+75,000円=4,685,000円
  • 当月末の売上割戻引当金の残高:24,000円-13,000円=11,000円

 売上高を計算するさいは、21日の売上値引975,000円と28日の売上割戻7,000円を差し引くのを忘れないように気をつけてください。

 また、売上原価を計算するさいは、31日に計上した商品評価損75,000円を足し忘れないように気をつけてください。ここはかなり難しいです。

 売上割戻引当金の残高は、前期の決算で計上した24,000円から13,000円を差し引くだけです。簡単に計算できるところなので、ここは必ず取りましょう。



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