第142回・日商簿記検定3級 第3問(試算表作成問題)の過去問分析

第3問 スタンダードな試算表作成問題。当座取引の処理がポイントです。

第3問の難度アンケート結果

 第3問は予想通り【試算表作成問題】でした。当座預金・当座借越のところが少し難しかったかもしれませんが、その他は難度・ボリュームともに平均レベルだったので、きちんと過去問対策していた方にとってはボーナス問題だったと思います。

 受験生アンケートで約50%の方が、「やや難しかった」と回答したのは少し意外でしたが、合格するためには最低でも8割以上(30点満点中24点以上)は取らなければいけない問題です。

解答方法について

 試算表作成問題の解答方法は、「下書き用紙に全取引の仕訳を書きだす→集計時に一工夫する」方法と、「下書き用紙にT勘定を設定する→頭のなかで仕訳を考えて各勘定に金額を記入する→各勘定ごとに金額を集計する」方法の2つがあります。

 第138回試験第141回試験の試算表作成問題のように、月中取引の資料が取引別に与えられている場合は、二重仕訳を考慮する必要があるので前者の方法で解くことをおすすめします。

 一方、本問や第139回試験第140回試験の試算表作成問題のように、月中取引の資料が日付別(時系列)で与えられている場合は、二重仕訳を考慮する必要はないので後者の方法で解くことをおすすめします。

  • まず、二重仕訳を考慮する必要があるか考える(自分で資料を見て判断する)
  • 考慮する必要がある場合→下書き用紙に全取引の仕訳を書きだす→集計時に一工夫する
  • 考慮する必要がない場合→下書き用紙にT勘定を設定する→頭のなかで仕訳を考えて各勘定に金額を記入する→各勘定ごとに金額を集計する

T勘定を設定すべき勘定について

 3級の試算表作成問題をT勘定を使って解く場合は、現金・当座預金・売掛金・買掛金・受取手形・支払手形・仕入・売上勘定の8つについては必ずT勘定を作ってください。

 その他の勘定については臨機応変に対応することになりますが、基本的には「その他」という勘定を作ってそこにどんどん書き込んでいくことをおすすめします。

  • 本問で設定するT勘定:現金勘定、当座預金勘定(+当座借越勘定)、売掛金勘定、買掛金勘定、受取手形勘定、支払手形勘定、仕入勘定、売上勘定、その他勘定

具体的な解答手順について

 まず、下書き用紙にT勘定を設定し、問題資料(A)の貸借対照表から平成27年12月31日時点(=平成28年1月1日時点)の金額をひっぱってきます。

第3問・合計試算表作成問題の下書き1
第3問・合計試算表作成問題の下書き1

 次に、問題資料(B)の平成28年1月中の取引の仕訳を頭の中で考えて、T勘定を設定している勘定については各T勘定に、設定していないものについては「その他」勘定に勘定科目と金額を埋めていきます。

第3問・合計試算表作成問題の下書き2
第3問・合計試算表作成問題の下書き2

 平成28年1月中の取引を全て処理し終えたら下書き用紙のT勘定を締め切りますが、本問は合計試算表の作成問題なので、勘定を締め切るさいは借方合計・貸方合計の金額を集計しましょう。

 「その他」勘定については締め切る必要はないので、ひとつずつ答案用紙に移記してください。なお、合計試算表の資本金の貸方の金額は、資料(A)の資本金1,000,000円と当期純利益300,000円の合計額1,300,000円になります。当期純利益の足し忘れに気をつけてください。

第3問・合計試算表作成問題の下書き3
第3問・合計試算表作成問題の下書き3

参考・1月中の取引の仕訳

1月4日の仕訳
(借)支払家賃 18,000
 (貸)前払費用 18,000
1月7日の仕訳
(借)仕入 132,000
 (貸)前払金 30,000
 (貸)買掛金 100,000
 (貸)現金 2,000
1月9日の仕訳
(借)仕入 180,000
 (貸)当座預金 180,000
1月10日の仕訳
(借)支払手形 200,000
 (貸)当座預金 120,000
 (貸)当座借越 80,000
1月11日の仕訳
(借)現金 200,000
(借)売掛金 200,000
 (貸)売上 400,000
(借)発送費 3,000
 (貸)現金 3,000
1月13日の仕訳
(借)売上 10,000
 (貸)売掛金 10,000
1月14日の仕訳
(借)当座借越 80,000
(借)当座預金 125,000
 (貸)現金 205,000
1月16日の仕訳
(借)仕入 200,000
 (貸)受取手形 100,000
 (貸)支払手形 100,000
1月17日の仕訳
(借)備品 120,000
 (貸)未払金 120,000
1月20日の仕訳
(借)当座預金 500,000
(借)受取手形 120,000
 (貸)売掛金 620,000
1月25日の仕訳①
(借)買掛金 300,000
 (貸)当座預金 300,000
1月25日の仕訳②
(借)給料 120,000
 (貸)所得税預り金 6,000
 (貸)当座預金 114,000
1月25日の仕訳③
(借)水道光熱費 7,000
(借)通信費 14,000
(借)資本金 9,000
 (貸)当座預金 30,000

 7日の「商品仕入時に発生した当店負担の諸経費」は仕入原価に含めて処理します。逆に、11日の「商品販売時に発生した当店負担の諸経費」は発送費等の勘定科目で処理します。

 14日の「さきに千葉商店より受け取った小切手 ¥ 200,000」と「前期中に受け取り手許に保管していた配当金領収書 ¥ 5,000」は、どちらも通貨代用証券なので、受取時に現金の増加として処理しています。

 今回はこの2つの通貨代用証券を当座預金口座に預け入れているので、現金勘定から当座預金勘定に振り替えます。

 25日の水道光熱費および通信費は、「両金額の30%相当分を家計費として処理する」とあるので、9,000円(={10,000円+20,000円}×30%)を資本の引き出しとして処理します。

当座預金・当座借越について

 当座預金と当座借越の金額は、当座に関する処理をひとつでも間違えると金額が合わなくなります。よって、解答時間に余裕が無い場合は、当座預金・当座借越の金額を諦め、当座取引に関しては単に「当座」で処理するのも受験テクニック的にはアリだと思います。

 配点はおそらく(30点満点中)3点なので、致命傷になることはありません。当座預金と当座借越を思いきって捨てることにより浮いた時間を、他の「配点がありそうな処理」に当てましょう。



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