第142回・日商簿記検定3級 第2問(帳簿記入)の過去問分析

第2問 売上値引と仕入戻しの処理がポイントの商品有高帳作成問題!

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【帳簿記入】に関する問題…具体的には、問題の資料を元に商品有高帳を作成する問題でした。第134回や第138回でも同じような問題が出題されているので、過去問対策をきちんとやっていれば短時間で完答できる問題だったと思います。

 ただ、受験生アンケートでは「普通ぐらいだった」「やや難しかった」という回答が多く、全体的な出来はあまり良くないようです。

 帳簿記入に関しては、なんとなく苦手意識を持っている受験生が多いですが、一度きちんとルールを覚えてしまえば逆に得点源にできる論点です。解き方・考え方をきちんとマスターして試験に臨んでください。

解答手順について

 本問は「①1月中の仕訳を書きだす」→「②商品有高帳に記入する」という流れで考えていきましょう。

① 1月中の仕訳を書きだす

 まずは、資料の仕入帳・売上帳の中から、7日・15日・18日・21日・23日・27日のA品に関する仕訳を書きだしてみましょう。仕訳はとても簡単です。

 なお、28日はB品に関するダミーデータなので、仕訳を考える必要はありません。資料をチェックした時にバツマークや斜線を入れて目立たせておきましょう。

1月1日の仕訳
仕訳なし( 前月繰越 2,000 )
1月7日の仕訳
(借)仕入 4,600
 (貸)支払手形 4,600
1月15日の仕訳
(借)売掛金 6,600
 (貸)売上 6,600
1月18日の仕訳
(借)売上 200
 (貸)売掛金 200
1月21日の仕訳
(借)仕入 3,600
 (貸)買掛金 3,600
1月23日の仕訳
(借)買掛金 1,200
 (貸)仕入 1,200
1月27日の仕訳
(借)売掛金 5,100
 (貸)売上 5,100

② 商品有高帳に記入する

 仕訳が判明したら、答案用紙の商品有高帳に日付・摘要・数量・金額等を記入していきます。

 摘要欄には、仕入の場合は「仕入れ」、売上の場合は「売り上げ」または「売上げ」、23日の仕入戻しは「仕入戻し」または「仕入返品」と記入します。

 また、受入欄には商品の仕入原価を、払出欄には商品の売上原価を記入します。どちらも原価で記入する点がポイントです。

 なお、本問は商品の払出単価の決定方法として移動平均法を採用しているので、商品を仕入れるごとに平均単価を計算し、この平均単価を次の売上時の払出単価とします。

1月7日の取引(仕入)

 A品を20個仕入れています。商品有高帳の受入欄には、そのまま「20 230 4,600」と記入しましょう。なお、7日時点の平均単価は以下の計算式で算定します。

(2,000円+4,600円)÷(10個+20個)=@220円

1月7日の残高欄
数量 単価 金額
30 220 6,600

1月15日の取引(売上)

 A品を20個販売しています。商品有高帳の払出欄には、7日時点の平均単価@220円を記入します。売価@330円を使わないように気をつけましょう。

1月15日の残高欄
数量 単価 金額
10 220 2,200

1月18日の取引(売上値引)

 15日に販売したA品20個について、1個につき10円の値引きを行っていますが、売上値引は売上の利益部分を差し引く(修正する)だけなので、商品有高帳に記入する必要はありません。

 なお、仕入戻し・仕入値引・売上戻りの3つについては、商品の個数や単価に影響を及ぼすので、商品有高帳に記入する必要があります。売上値引とあわせて押さえておいてください。

1月18日の残高欄
数量 単価 金額
10 220 2,200

1月21日の取引(仕入)

 A品を15個仕入れています。商品有高帳の受入欄には、そのまま「15 240 3,600」と記入しましょう。なお、21日時点の平均単価は以下の計算式で算定します。

(2,200円+3,600円)÷(10個+15個)=@232円

1月21日の残高欄
数量 単価 金額
25 232 5,800

1月23日の取引(仕入戻し)

 21日に仕入れたA品のうち5個を返品していますが、問題文に「仕入戻しについては払出欄に商品を仕入れた時の単価で記入すること」という指示があるので、仕入れた時の単価(@240円)を使って「5 240 1,200」と記入します。

 なお、23日時点の平均単価は以下の計算式で算定します。

(5,800円-1,200円)÷(25個-5個)=@230円

1月23日の残高欄
数量 単価 金額
20 230 4,600

1月27日の取引(売上)

 A品を15個販売しています。商品有高帳の払出欄には、23日時点の平均単価@230円を記入します。売価@340円を使わないように気をつけましょう。

1月27日の残高欄
数量 単価 金額
5 230 1,150

1月31日の記入

 月末なので帳簿を締め切ります。具体的には、31日時点の残高欄のデータ(数量・単価・金額)をそっくりそのまま払出欄に次月繰越として記入し、受入欄と払出欄の合計を一致させます。

1月31日の残高欄
数量 単価 金額
空欄


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