日商簿記検定2級 第142回総評(過去問分析)

第1問 過去問類似問題のオンパレード。最低でも16点は取りたいところです。

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】でした。問3の営業外受取手形が少し難しかったかもしれませんが、残りの4問は典型的な過去問類似問題でした。

 受験生アンケートでも70%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しており、きちんと過去問対策をしていれば最低でも4問(16点)は取れたと思います。

第2問 株主資本等変動計算書の作成問題!配当の処理がポイントです。

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【株主資本等変動計算書】に関する問題でした。株主資本等変動計算書は第138回試験で出題されたばかりなので、過去問対策をきちんとやっていればある程度の点数は取れたと思います。

 受験生アンケートでも、70%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。この後に出てくる第3問の難度を考えますと、最低でも16点は取りたいところです。

第3問 過去最高難度の財務諸表作成問題。特に減価償却の処理が難しすぎおすぎ…

第3問の難度アンケート結果

 第3問は【財務諸表作成問題】でした。具体的には…資料Ⅰの決算整理前残高試算表に資料Ⅱの未処理事項と資料Ⅲの決算整理事項を加味して、答案用紙の貸借対照表を作成する問題でした。

 本問は、処理すべき問題の量が多く、しかもひとつひとつの難度も高いので(特に減価償却の処理)、解いている途中に戦意を喪失してしまった受験生も多かったと思います。

 私も実際に問題を解きましたが、過去の本試験問題の中で最も難しい問題と言っても過言ではありません。初見では20点満点中、8点~10点ぐらい取れれば十分だと思います。

 受験生アンケートでも80%以上の方が「かなり難しかった」と回答しています。

第4問 固定費能率差異の処理がポイントになる標準原価計算の問題!

第4問の難度アンケート結果

 第4問は【標準原価計算】に関する問題でした。期首・期末の在庫がなく、当月の生産量1,500個を使って金額を計算するだけの簡単な問題です。

 ただ、問1・問2の仕訳問題や、問4の能率差異の処理を間違えてしまった方が結構多かったようで、受験生アンケートでも「普通ぐらいだった」「やや難しかった」という回答が多数を占めました。

第5問 絶対に20点満点を取らなきゃいけない工程別総合原価計算の問題!

第5問の難度アンケート結果

 第5問は【工程別総合原価計算】に関する問題でした。ひっかけもなく非常にオーソドックスな形だったので、きちんと問題演習をして本試験の臨んだ方にとってはボーナス問題だったと思います。

 受験生アンケートでも「かなり簡単だった」という回答が一番多く、合格するためには短い回答時間で20点満点を取らなければいけない問題です。

まとめ

全体的な難度に関するアンケート結果

 第142回日商簿記検定2級は第3問の財務諸表作成問題がかなり難しかったので、比較的点の取りやすかったその他の4問で8割…つまり、(80点中)64点以上取る必要があります。

 ただ、実際には第2問のその他資本剰余金の配当の処理や、第4問の仕訳問題や能率差異の処理で取りこぼしてしまっている受験生が多く、試験の緊張した雰囲気の中で8割以上取るのは現実的にはかなり難しかったと思います。

 受験生アンケートでも半数以上の方が「やや難しかった」と回答しており、前回試験(合格率11.8%)まではいかないにしても、2回連続で厳しい合格率になることが予想されます。

 この総評を書いている時点(3/5)では合格発表が始まっていないので正確な合格率は分かりませんが、個人的には20%前後の合格率を予想しています。過去10年の平均合格率(約30%)を考えると今回もかなり厳しい数字です。

問題を解く順番について

 日商簿記検定に限らず、資格試験の問題は簡単な問題・自分の得意な問題から優先的に解くのが鉄則です。試験開始の合図とともにすぐに問題を解き始めるのではなく、まず全ての問題をチェックして、簡単な問題・自分の得意な問題から順番に解いてください。

 本問の場合は…難度の高い第3問を後回しにして、まずは他の4問を優先的に解くことをおすすめします。その後、残った解答時間を目一杯使って第3問の部分点を取りに行きましょう。ちなみに私は、第1問→第2問→第4問→第5問→第3問の順番で解きました。

第143回試験はどうなりそう?

 商業簿記は試験範囲の改定の影響を受けますが、第1問~第3問のすべてがガラッと変わるわけではなく、少しずつ新論点が問題に組み込まれていくとのことです。一方、工業簿記は試験範囲の改定の影響はないので、今までどおり過去問類似問題をベースとした出題が予想されます。

 よって、2016年6月に実施予定の第143回試験も、今回の試験のように「商業簿記→難しい、工業簿記→易しい」という組み合わせになる可能性が高いといえるでしょう。

第143回試験の対策について

 商業簿記は、昔の問題と比べると出題傾向が変わってきているので、過去問は新しい回の問題を優先して解いてください。新論点の対策については、市販の問題集等を有効活用してください。

 一方、工業簿記は大きな変化はありませんので、基本的には過去問対策のみで対応できると思います。問題を解くさいは範囲を絞らずにまんべんなく対策してください。



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