第142回・日商簿記検定2級 第2問(株主資本等変動計算書)の過去問分析

第2問 株主資本等変動計算書の作成問題!配当の処理がポイントです。

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【株主資本等変動計算書】に関する問題でした。株主資本等変動計算書は第138回試験で出題されたばかりなので、過去問対策をきちんとやっていればある程度の点数は取れたと思います。

 受験生アンケートでも、70%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。この後に出てくる第3問の難度を考えますと、最低でも16点は取りたいところです。

株主資本等変動計算書とは?

 株主資本等変動計算書は、会社の純資産(株主資本)が1会計期間内にどれだけ変動したのかを、変動事由ごとに分類してまとめた表です。

解答手順は?

 株主資本等変動計算書は、変動した金額を変動事由ごとに区分して表示する必要があるので、問題を解く場合はまず変動事由ごとに仕訳を考え、その後、仕訳の金額を元に答案用紙の金額欄を埋めていきます。

 本問は、問題の資料1が増資に関するもの、資料2が剰余金の配当および処分に関するもの、資料3が吸収合併に関するもの、資料4が当期純利益に関するものなので、ひとつずつ仕訳を考えていきましょう。

資料1 増資に関する仕訳

(借)当座預金 800,000
 (貸)資本金 480,000
 (貸)資本準備金 320,000

 問題文に「増資に伴う資本金の計上額は、払込金の60%の金額とした」とあるので、480,000円(=800,000円×60%)を資本金に、残りの320,000円(=800,000円-480,000円)を資本準備金に計上します。

 仕訳が判明したら答案用紙をチェックしましょう。当期変動額欄の「新株の発行」には、資本金欄、資本準備金欄、株主資本合計欄にカッコがあるので、カッコ内の金額を考えます。

 資本金欄と資本準備金欄は、新株の発行にともない金額が増加するので、カッコ内にそれぞれ【480,000】【320,000】と記入します。また、株主資本合計欄は2つの金額をまとめて【800,000】と記入するだけです。

資料2 剰余金の配当および処分に関する仕訳

(借)その他資本剰余金 110,000
 (貸)未払配当金 100,000
 (貸)資本準備金 10,000
(借)繰越利益剰余金 440,000
 (貸)未払配当金 400,000
 (貸)利益準備金☆ 40,000

 その他資本剰余金を財源とする配当は、(おそらく)2級では初めて出題されたのでびっくりした方も多かったと思いますが、資料2(2)で処理方法に関する詳しい指示が入っているので、なんとか仕訳を導き出せたのではないでしょうか。

 具体的には…問題文に「その他資本剰余金を財源とする配当については、その10分の1に相当する金額をその他資本剰余金から資本準備金として積み立て」とあるので、配当額の10分の1の10,000円(=100,000円÷10)をその他資本剰余金から資本準備金に振り替えます。

 受験生の中には、当期首残高150,000円の10分の1にしてしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、問題の指示は「配当額の10分の1」です。間違えないように気をつけてください。

 繰越利益剰余金を財源とする配当はいつもどおりなので特に問題ないと思います。配当額の10分の1の40,000円(=400,000円÷10)を繰越利益剰余金から利益準備金に振り替えます。

 仕訳が判明したら答案用紙をチェックしましょう。当期変動額欄の「剰余金の配当」には、資本準備金欄、その他資本剰余金欄、利益準備金欄、繰越利益剰余金欄、株主資本合計欄にカッコがあるので、カッコ内の金額を考えます。

 資本準備金欄と利益準備金欄は、剰余金の配当にともない金額が増加するので、カッコ内にそれぞれ【10,000】【40,000】と記入します。

 逆に、その他資本剰余金欄・繰越利益剰余金欄・株主資本合計欄は、剰余金の配当にともない金額が減少するので、カッコ内にそれぞれ【110,000】【440,000】【500,000】と記入します。

 なお、本問は答案用紙に最初から(金額のマイナスを意味する)△マークが付いているので、減少する場合でも金額の絶対値を記入するだけでOKです。

(借)繰越利益剰余金 80,000
 (貸)別途積立金 80,000

 繰越利益剰余金の処分に関してはいつもどおりなので特に問題ないと思います。積立額の80,000円を繰越利益剰余金から別途積立金に振り替えます。

 仕訳が判明したら答案用紙をチェックしましょう。当期変動額欄の「別途積立金の積立て」には、別途積立金欄、繰越利益剰余金欄にカッコがあるので、カッコ内の金額を考えます。

 別途積立金欄は、剰余金の処分にともない金額が増加するので、カッコ内にそれぞれ【80,000】と記入します。一方、繰越利益剰余金欄は同額だけ減少するので、カッコ内に【80,000】と記入します。

資料3 吸収合併に関する仕訳

(借)諸資産 ×××
 (貸)諸負債 ×××
 (貸)資本金 900,000
 (貸)資本準備金 500,000
 (貸)その他資本剰余金 400,000

 本問では、諸資産・諸負債の金額が与えられていないので、吸収合併の仕訳の諸資産・諸負債の金額は「×××」としておいて、他の分かるところの金額を埋めましょう。

 問題文の「新株の発行に伴う純資産(株主資本)の増加額のうち、¥ 900,000は資本金、¥ 500,000は資本準備金とし、残額はその他資本剰余金として計上する」という分かりやすい指示があるので、指示どおり処理しましょう。

  • 資本金:900,000円
  • 資本準備金:500,000円
  • その他資本剰余金:400,000円(=3,000株×@600円-900,000円-500,000円)

 仕訳が判明したら答案用紙をチェックしましょう。当期変動額欄の「吸収合併」には、資本金欄、資本準備金欄、その他資本剰余金欄、株主資本合計欄にカッコがあるので、カッコ内の金額を考えます。

 上記の4つの欄は、吸収合併にともない金額が増加するので、カッコ内にそれぞれ【900,000】【500,000】【400,000】【1,800,000】と記入します。

資料4 当期純利益に関する仕訳

(借)損益 750,000
 (貸)繰越利益剰余金 750,000

 問題文に「当期純利益 ¥ 750,000を計上した」とあるので、貸方残の損益勘定を繰越利益剰余金勘定に振り替えます。借方と貸方を逆にしないように気をつけてください。

 仕訳が判明したら答案用紙をチェックしましょう。当期変動額欄の「当期純利益」には、繰越利益剰余金欄、株主資本合計欄にカッコがあるので、カッコ内の金額を考えます。

 繰越利益剰余金欄と株主資本合計欄は、当期純利益の発生にともない金額が増加するので、カッコ内に【750,000】【750,000】と記入します。



ページの先頭へ