日商簿記検定2級 第141回総評(過去問分析)

第1問 最低でも8点、できれば12点とりたい仕訳問題!今回はかなり難しいです。

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】が出題されました…が、まともに解けそうな問題は問2・問5の2問ぐらいで、その他の3問については正解にたどり着くのが難しい問題だったと思います。

 仕訳問題だけで考えますと、直近10年の試験の中で最も難しかった第139回試験と同レベルの問題だったのではないでしょうか。受験生アンケートでも70%以上の方が「かなり難しかった」と回答しています。

第2問 有価証券に関する残高式の勘定記入問題。難しい&配点も厳しすぎる…

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【有価証券】に関する問題でした。今回の試験に関しては有価証券の出題はある程度予想できたので、簿記ナビ模試の第2問でも有価証券の勘定記入の問題を出題しましたが、解答の形式が「(3級で学習する)残高式の勘定記入」というのは全く予想できませんでした。

 勘定記入に関しては元々苦手とする受験生が多く、また問1の予想配点の多くが「一行(日付欄・摘要欄・仕丁欄、金額欄・貸借記入欄・残高欄)すべて合っていて2点」とかなり厳しい形になっているので、「問1(14点)は全滅…」という受験生も少なくないと思います。

 受験生アンケートでは80%以上の受験生が「かなり難しかった」と回答しています。

第3問 簡単な精算表作成問題!合格するためには20点満点を取る必要があります。

第3問の難度アンケート結果

 第3問はスタンダードな【精算表作成問題】でした。特に難しい処理もなく、質・量ともに平均か、やや易しいぐらいのレベルの問題です。

 受験生アンケートでも、70%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。第1問・第2問の出題内容を考えると、合格するためには満点を取らなければいけない問題です。

第4問 簡単な本社工場会計の仕訳問題!最低でも16点は取りたいところです。

第4問の難度アンケート結果

 第4問は【本社工場会計】に関する仕訳問題でした。

 本社工場会計の仕訳問題は第131回・第133回試験で出題されていますし、しかも本問はこの2問よりも簡単だったので、過去問対策をきちんとやっていた方にとってはボーナス問題になったと思います。

 受験生アンケートでは、「普通ぐらいだった」と回答した方が最も多かったですが、第1問・第2問の出題内容を考えると、第3問と同様に満点を取らなければいけない問題です。

第5問 「1次方程式の作り方」がカギになる直接原価計算のCVP分析の問題!

第5問の難度アンケート結果

 第5問は【直接原価計算・CVP分析】に関する問題でした。問題の資料で与えられた「直接原価計算方式の損益計算書」を元に、損益分岐点売上高(問1)や安全余裕率(問3)などを計算しますが、CVP分析の仕組みをきちんと理解している方にとってはボーナス問題だったと思います。

 受験生アンケートでも、70%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しており、合格するためには短い解答時間で満点を狙いたい問題です。

まとめ

全体的な難度に関するアンケート結果

 第141回日商簿記検定2級は第1問・第2問が難しかったので、比較的点の取りやすい第3問・第4問・第5問で(60点中)50点以上取る必要があります。ただ、試験の緊張した空気の中、また第1問・第2問で心が動揺してしまった中で50点以上取るのは現実的にはかなり難しかったと思います。

 受験生アンケートでも、90%以上の方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答しています。今までの経験上、アンケートの結果は両極端になることが多いですが、ここまで回答結果が偏ったことはありません。

 この総評を書いている時点(11/20)では合格発表が始まっていないので正確な合格率は分かりませんが、個人的には20%台の前半ぐらいの合格率を予想しています。第2問の配点が甘ければ30%前後になりそうな感じですが、各学校の模範解答を見る限りでは、その望みも薄いと言わざるを得ません。

 ※11/26追記・現時点で合格発表が行われた商工会議所のデータを集計しますと…実受験者数が11,610名、うち合格者数が1,341名、平均合格率が11.6%になっています。第2問はやはり「1行全部合っていて2点」という非情な配点のようで、最終的にはとてつもなく厳しい結果になりそうです。

問題を解く順番について

 日商簿記検定に限らず、資格試験の問題は簡単な問題・自分の得意な問題から優先的に解くのが鉄則です。試験開始の合図とともにすぐに問題を解き始めるのではなく、まず全ての問題をチェックして、簡単な問題・自分の得意な問題から順番に解いてください。

 本問の場合は、比較的点の取りやすい第3問以降を先に解いてから、難度の高い第1問・第2問を解くことをおすすめします。ちなみに私は、第4問→第5問→第3問→第1問→第2問の順番で解きました。

第142回試験はどうなりそう?

 商業簿記に関しては、試験範囲の改定の影響で実質的な試験範囲が狭くなっているので、今回の第2問のように「深く」なる可能性が高いです。一方、工業簿記に関しては、試験範囲の改定の影響はないので、今までどおり過去問類似問題をベースとした出題が予想されます。

 よって、2016年2月に実施予定の第142回試験も、今回の試験のように「商業簿記→難しい、工業簿記→易しい」という組み合わせになる可能性が高いといえるでしょう。

第142回試験の対策について

 商業簿記に関しては、昔の問題と比べると出題傾向が変わってきているので、過去問は新しい回の問題を優先して解いてください。一方、工業簿記に関しては大きな変化はありませんので、過去問を解くさいは範囲を絞らずにまんべんなく対策するようにしてください。

 なお、試験範囲の改定にともない、日本商工会議所から「2015年度(第140回・第141回・第142回)の本試験では、2016年度以降も試験範囲に残っている論点を中心に出題するよ」というアナウンスがありましたが、第140回・第141回のいずれの試験にも、来年度から試験範囲外になる論点の問題は出題されていません。

 よって、第142回試験についても来年度から試験範囲外になる論点の問題が出題される可能性はかなり低いといえるでしょう。



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