第141回・日商簿記検定2級 第3問(精算表作成問題)の過去問分析

第3問 簡単な精算表作成問題!合格するためには20点満点を取る必要があります。

第3問の難度アンケート結果

 第3問はスタンダードな【精算表作成問題】でした。特に難しい処理もなく、質・量ともに平均か、やや易しいぐらいのレベルの問題です。

 受験生アンケートでも、70%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。第1問・第2問の出題内容を考えると、合格するためには満点を取らなければいけない問題です。


 精算表作成問題で問われる決算整理事項等の処理に関しては、「下書き用紙に仕訳を書きだしたうえで答案用紙の修正記入欄を埋めていく」方法と「頭の中で仕訳を考えて答案用紙の修正記入欄に直接記入する」方法の2つがあります。

 ただ、後者の方法は(解答時間の短縮になりますが)難度が高いので、まずは前者の方法で正確に処理できるようにしてから、余裕があれば後者の方法にも挑戦してみてください。

[資料]決算整理事項その他

1.
(借)当座預金 20,000
 (貸)受取手形 20,000
2.
(借)貸倒引当金 7,000
(借)貸倒損失 2,000
 (貸)売掛金 9,000
3.
(借)貸倒引当金繰入 1,420
 (貸)貸倒引当金 1,420
4.
(借)仕入 41,000
 (貸)繰越商品 41,000
(借)繰越商品 39,600
 (貸)仕入 39,600
(借)棚卸減耗損 480
(借)商品評価損 978 
 (貸)繰越商品 1,458
5.
(借)消耗品費 9,000
 (貸)消耗品 9,000
6.
(借)仮受消費税 169,600
 (貸)仮払消費税 165,200
 (貸)未払消費税 4,400
7.
(借)減価償却費 133,700
 (貸)建物減価償却累計額 82,500
 (貸)備品減価償却累計額 51,200
8.
(借)のれん償却 24,000
 (貸)のれん 24,000
9.
(借)支払利息 1,800
 (貸)未払利息 1,800
10.
(借)退職給付費用 35,000
 (貸)退職給付引当金 35,000
11.
(借)前払保険料 2,460
 (貸)支払保険料 2,460

1. 未記帳取引

 手形代金が当座預金口座に振り込まれた、という仕訳を切るだけです。

2. 売上債権の貸倒れ

 前期以前に発生していた売掛金7,000円については貸倒引当金を取り崩して処理し、当期に発生した売掛金2,000円については貸倒損失勘定で費用処理します。

3. 貸倒引当金の繰入

 1.の受取手形と、2.の売掛金および貸倒引当金の減少を考慮して計算しましょう。

  • 貸倒引当金の要設定額:(80,000円+130,000円-20,000円-9,000円)×2%=3,620円
  • 貸倒引当金の残額:9,200円-7,000円=2,200円
  • 貸倒引当金の繰入額:3,620円-2,200円=1,420円

4. 売上原価の算定

 毎度おなじみの「しーくりくりしー」の仕訳を切るだけです。棚卸減耗損と商品評価損はボックス図を書いて、ちょちょいのちょいっと処理しましょう。

商品BOX図
商品BOX図

5. 消耗品

 答案用紙の残高試算表の「消耗品 15,000」から、購入時に資産処理していることが分かるので、決算期末において、期中に使った分9,000円(=15,000円-6,000円)を消耗品勘定から消耗品費勘定に振り替えます。

参考:購入時に資産処理(消耗品勘定で処理)した場合の仕訳

購入時の仕訳
(借)消耗品 15,000
 (貸)現金など 15,000
決算期末時の仕訳(期中に使った分を消耗品費に振り替える)
(借)消耗品費 9,000
 (貸)消耗品 9,000

参考:購入時に費用処理(消耗品費勘定で処理)した場合の仕訳

購入時の仕訳
(借)消耗品費 15,000
 (貸)現金など 15,000
決算期末時の仕訳(期末に残っている分を消耗品に振り替える)
(借)消耗品 6,000
 (貸)消耗品費 6,000

6. 消費税

 答案用紙の残高試算表に「仮払消費税 165,200」「仮受消費税 169,600」とあるので、両者を相殺して貸借差額を未払消費税勘定で処理します。

7. 減価償却

 建物・備品ともに減価償却費の計算自体は簡単なので特に問題ないと思いますが、建物は旧建物(2,100,000円)と新建物(900,000円)に分けて減価償却費を計算しましょう。

  • 旧建物の減価償却費:2,100,000円÷30年=70,000円
  • 新建物の減価償却費:900,000円÷30年×5か月/12か月=12,500円
  • 備品の減価償却費:(400,000円-144,000円)×20%=51,200円

8. のれんの償却

 問題文の「のれんは平成22年4月1日に他企業を買収した際に生じたもの」から、答案用紙の残高試算表の「のれん 144,000」は、既に4回(平成23年3月31日、平成24年3月31日、平成25年3月31日、平成26年3月31日)償却された残額であると分かるので、144,000円を残りの償却期間6年(=10年-4年)で割って1年あたりの償却額24,000円を計算します。

 よくある間違いとしては、単純に「10年で割ってしまう」のと、平成22年4月1日から決算日の平成27年3月31日まで5年経っているから「5年(=10年-5年)で割ってしまう」の2つが考えられます。

 本問の場合、5年でも10年でも割りきれてしまうので間違えてしまった方も多かったようです。この2つはのれん償却の「典型的なひっかけポイント」なので気をつけてください。

9. 費用の未払い

 問題文に「利払いは返済時に一括支払いという条件で借り入れ」とあるので、借入日から決算日までの4か月間(平成26年12月1日~平成27年3月31日)にかかる利息を未払い計上します。

300,000円×1.8%×4か月/12か月=1,800円

10. 退職給付債務

 当期の負担に属する費用35,000円を引当金に計上するだけです。

11. 費用の前払い

 平成26年10月1日に1年分(平成26年10月1日~平成27年9月30日)の保険料を支払っているので、決算期末において6か月分(平成27年4月1日~平成27年9月30日)を前払い処理します。

4,920円×6か月/12か月=2,460円



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