第141回・日商簿記検定2級 第2問(有価証券)の過去問分析

第2問 有価証券に関する残高式の勘定記入問題。難しい&配点も厳しすぎる…

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【有価証券】に関する問題でした。

 今回の試験に関しては有価証券の出題はある程度予想できたので、簿記ナビ模試の第2問でも有価証券の勘定記入の問題を出題しましたが、解答の形式が「(3級で学習する)残高式の勘定記入」というのは全く予想できませんでした。

 勘定記入に関しては元々苦手とする受験生が多く、また問1の予想配点の多くが「一行(日付欄・摘要欄・仕丁欄、金額欄・貸借記入欄・残高欄)すべて合っていて2点」とかなり厳しい形になっているので、「問1(14点)は全滅…」という受験生も少なくないと思います。

 受験生アンケートでは80%以上の受験生が「かなり難しかった」と回答していますが、個人的にも、第1問・第2問の組み合わせとしては「ちょっとやりすぎ(難しすぎる)」だと思います。


 それでは早速、問1から考えていきますが、問1は国債を売買目的で売買した場合の勘定記入が問われているので、まずは下書き用紙に各日付の仕訳を書きだしましょう。

売買目的有価証券にかかる一連の取引(問1・問2)

5月1日の仕訳
(借)売買目的有価証券 98,600,000 ※1
(借)有価証券利息 120,000 ※2
 (貸)未払金 98,720,000 ※3

※1 … 100,000,000円×@98.60円/@100円=98,600,000円

※2 … 問題文の「購入日までの経過利息120,000円

※3 … 貸借差額

6月30日の仕訳
(借)普通預金 180,000 ※4
 (貸)有価証券利息 180,000

※4 … 100,000,000円×0.36%×6か月/12か月=180,000円

10月31日の仕訳
(借)未収金 29,286,000 ※5
(借)有価証券売却損 330,000 ※6
 (貸)売買目的有価証券 29,580,000 ※7
 (貸)有価証券利息 36,000 ※8

※5 … 貸借差額

※6 … 30,000,000円×(@98.60円-@97.50円)/@100円=330,000円

※7 … 30,000,000円×@98.60円/@100円=29,580,000円

※8 … 問題文の「売却日までの経過利息36,000円

12月31日の仕訳
(借)普通預金 126,000 ※9
 (貸)有価証券利息 126,000

※9 … 70,000,000円×0.36%×6か月/12か月=126,000円

1月30日の仕訳
(借)未収金 39,292,000 ※10
(借)有価証券売却損 160,000 ※11
 (貸)売買目的有価証券 39,440,000 ※12
 (貸)有価証券利息 12,000 ※13

※10 … 貸借差額

※11 … 40,000,000円×(@98.60円-@98.20円)/@100円=160,000円

※12 … 40,000,000円×@98.60円/@100円=39,440,000円

※13 … 問題文の「売却日までの経過利息12,000円

3月31日の仕訳①
(借)売買目的有価証券 60,000 ※14
 (貸)有価証券評価益 60,000
(借)未収有価証券利息 27,000 ※15
 (貸)有価証券利息 27,000

※14 … 30,000,000円×(@98.80円-@98.60円)/@100円=60,000円

※15 … 30,000,000円×0.36%×3か月/12か月=27,000円

3月31日の仕訳②
(借)有価証券利息 261,000 ※16
 (貸)損益 261,000

※16 … 有価証券利息の貸方合計381,000円-借方合計120,000円=261,000円

4月1日の仕訳
(借)有価証券利息 27,000 ※17
 (貸)未収有価証券利息 27,000

※17 … 前期末に処理した「収益の見越し」の逆仕訳

上記の仕訳でご注意いただきたいポイント

 まず、国債の売買時(5月1日・10月31日・1月30日)に有価証券利息についてです。有価証券利息は常に売買目的有価証券と同じ側(5月1日は借方、10月31日・1月30日は貸方)に計上するので、あれ?借方だっけ?貸方だっけ?と迷って時間をロスしないように気をつけてください。

 また、6月30日に振り込まれる利息は100,000,000円の6か月分ですが、12月31日に振り込まれるのは70,000,000円の6か月分です。10月31日に30,000,000円分を売却しているので、利息算定のベースとなる金額が異なります。さらに、普通預金口座に振り込まれているので、当座預金勘定で処理しないように気をつけてください。

解答にあたってご注意いただきたいポイント

 摘要欄には「仕訳の相手科目」を記入しますが、相手科目が2つ以上ある場合は「諸口」と記入します。仕丁欄には「仕訳帳のページ数」を記入しますが、次期繰越・前期繰越の仕丁欄には仕訳不要のチェックマークを記入します。

 なお、貸借記入欄については一行ごとに「借」「貸」と書いてもいいですし、上と同じ場合は「〃」と省略して書いても大丈夫です。また、有価証券利息勘定の3月31日・4月1日の摘要欄に記入する未収有価証券利息は、勘定科目の指定がないので未収収益としても正解です。


 問2の有価証券売却損益は、上記の10月31日・1月30日の仕訳から金額を拾ってくるだけです。問1の難度を考えますと、絶対に落としてはいけない問題です。

330,000円(10月31日の売却分)+160,000円(1月30日の売却分)=490,000円


 問3の「満期保有目的債券の次期繰越額」と「有価証券利息の当期発生額」は、問1と同じように各日付の仕訳を書きだしてみると分かりやすいです。

満期保有目的債券にかかる一連の取引(問3)

5月1日の仕訳
(借)満期保有目的債券 98,600,000 ※18
(借)有価証券利息 120,000 ※19
 (貸)未払金 98,720,000 ※20

※18 … 100,000,000円×@98.60円/@100円=98,600,000円

※19 … 問題文の「購入日までの経過利息120,000円

※20 … 貸借差額

6月30日の仕訳
(借)普通預金 180,000 ※21
 (貸)有価証券利息 180,000

※21 … 100,000,000円×0.36%×6か月/12か月=180,000円

12月31日の仕訳
(借)普通預金 180,000 ※22
 (貸)有価証券利息 180,000

※22 … 100,000,000円×0.36%×6か月/12か月=180,000円

3月31日の仕訳
(借)満期保有目的債券 275,000 ※23
 (貸)未収有価証券利息 275,000
(借)有価証券利息 90,000 ※24
 (貸)有価証券利息 90,000

※23 … (100,000,000円-98,600,000円)×11か月/56か月=275,000円

※24 … 100,000,000円×0.36%×3か月/12か月=90,000円

上記の仕訳でご注意いただきたいポイント

 問題文に「期中に一切売却せずにそのまま期末を迎えた」という指示があるので、6月30日に振り込まれる利息も、12月31日に振り込まれる利息も100,000,000円の6か月分です。

 また、問題文に償却原価法を適用する旨の指示があるので、額面金額と取得価額との差額を、国債購入日から償還予定日までの期間にわたって月割りで償却します。

  • 額面総額:100,000,000円
  • 取得価額:98,600,000円
  • 差額:1,400,000円(=100,000,000円-98,600,000円)
  • 購入日:平成26年5月1日
  • 償還予定日:平成30年12月31日
  • 購入日から償還予定日までの期間:56か月 ※60か月ではない!
  • 1か月あたりの償却額:1,400,000円÷56か月=@25,000円
  • 当期の償却月数:11か月(平成26年5月1日~平成27年3月31日) ※12か月ではない!
  • 当期の要償却額:@25,000円×11か月=275,000円

解答にあたってご注意いただきたいポイント

 満期保有目的債券の次期繰越額は、償却原価法による評価替えを行ったあとの金額になります。また、有価証券利息の当期発生額は、11か月分の利息(クーポン利息)と評価替え時に計上した利息の金額の合計になります。

  • 満期保有目的債券の次期繰越額:98,600,000円+275,000円=98,875,000円
  • 有価証券利息の当期発生額:100,000,000円×0.36%×11か月/12か月+275,000円=605,000円


簿記オフ会のおしらせ
簿記オフ会

 2018年9月29日(土)の18時から、東京・渋谷で簿記検定ナビ主催の簿記オフ会を開催いたします。現在参加者募集中です!

 みんなで楽しくご飯を食べながら、気分転換&情報交換しませんか?人見知りする方も管理人がなるべくフォローしますので、ぜひぜひご参加ください!

簿記教材の割引キャンペーン情報
CyberBookStore

 資格の学校TACの直販サイトでは、TAC出版の簿記教材を割引価格(定価の10%~20%オフ)&冊数に関係なく送料無料で購入することができます。

簿記検定ナビの人気コンテンツ

ページの先頭へ