第140回・日商簿記検定3級 第3問(試算表作成問題)の過去問分析

第3問 二重仕訳がない簡単な試算表作成問題。資料の見落としに気をつけて!

第3問の難度アンケート結果

 第3問は予想通り【試算表作成問題】でした。(1)の合計残高試算表の作成は、難度・ボリュームともに平均レベル以下だったので、きちんと過去問対策していた方にとってはボーナス問題だったと思います。

 (2)のA商品の数量、単価および金額を答える問題は、なんとなく難しそう(というか面倒くさそう)に見えたかもしれませんが、ボックス図を書いて簡単に答えを求めることができます。

 受験生アンケートでは約60%の方が、「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。合格するためには最低でも8割(30点満点中24点)は取りたいところです。

解答方法について

 試算表作成問題の解答方法は、「下書き用紙に全取引の仕訳を書きだす→集計時に一工夫する」方法と、「下書き用紙にT勘定を設定する→頭のなかで仕訳を考えて各勘定に金額を記入する→各勘定ごとに金額を集計する」方法の2つがあります。

 第138回試験の試算表作成問題のように、月中取引の資料が取引別に与えられている場合は、二重仕訳を考慮する必要があるので前者の方法で解くことをおすすめします。

 一方、本問や第139回試験の試算表作成問題のように、月中取引の資料が日付別(時系列)で与えられている場合は、二重仕訳を考慮する必要はないので後者の方法で解くことをおすすめします。

  • まず、二重仕訳を考慮する必要があるか考える(自分で資料を見て判断する)
  • 考慮する必要がある場合→下書き用紙に全取引の仕訳を書きだす→集計時に一工夫する
  • 考慮する必要がない場合→下書き用紙にT勘定を設定する→頭のなかで仕訳を考えて各勘定に金額を記入する→各勘定ごとに金額を集計する

 なお、本問は(2)でA商品の数量、単価および金額が問われていますが、(1)の合計残高試算表を作りながらA商品の計算をするのは大変なので、まず先に合計残高試算表を完成させてから、その後、A商品の計算をすることをおすすめします。

T勘定を設定すべき勘定について

 3級の試算表作成問題をT勘定を使って解く場合は、現金・当座預金・売掛金・買掛金・受取手形・支払手形・仕入・売上勘定の8つについては必ずT勘定を作ってください。

 その他の勘定については臨機応変に対応することになりますが、基本的には「その他」という勘定を作ってそこにどんどん書き込んでいくことをおすすめします。

  • 設定するT勘定:現金勘定、当座預金勘定、売掛金勘定、買掛金勘定、受取手形勘定、支払手形勘定、仕入勘定、売上勘定、その他勘定

具体的な解答手順について

 まず、下書き用紙にT勘定を設定します。

第3問・試算表作成問題の下書き1
第3問・試算表作成問題の下書き1

 次に、問題資料Ⅰの合計試算表から平成27年4月末時点の金額をひっぱってきます。

第3問・試算表作成問題の下書き2
第3問・試算表作成問題の下書き2

 そのうえで、問題資料Ⅱの平成27年5月中の取引の仕訳を頭の中で考えて、T勘定を設定している勘定については各T勘定に、設定していないものについては「その他」勘定に勘定科目と金額を埋めていきます。

第3問・試算表作成問題の下書き3
第3問・試算表作成問題の下書き3

 平成27年5月中の取引を全て処理し終えたら下書き用紙のT勘定を締め切りますが、本問は合計残高試算表の作成問題なので、勘定を締め切るさいは借方合計・貸方合計の金額を記入したうえで、その下に残高の金額も記入しましょう。

 「その他」勘定については締め切る必要はないので、ひとつずつ答案用紙に移記してください。なお、水道光熱費と通信費は、問題資料Ⅰの合計試算表の貸方に4,000と3,000があるので、集計するさいは忘れないように気をつけてください。

第3問・試算表作成問題の下書き4
第3問・試算表作成問題の下書き4

参考・5月中の取引の仕訳

5月4日
(借)仕入 21,000
 (貸)買掛金 21,000
5月5日
(借)当座預金 18,400
(借)受取手形 18,400
 (貸)売上 36,800
5月7日
(借)買掛金 21,000
 (貸)通信費 500
(借)支払手形 21,000
 (貸)現金 500
5月11日
(借)備品 12,800
 (貸)未払金 12,800
5月12日
(借)消耗品費 2,500
 (貸)現金 2,500
5月14日
(借)仕入 29,000
 (貸)支払手形 29,000
5月15日
(借)水道光熱費 3,500
 (貸)当座預金 3,500
5月18日
(借)支払手形 30,000
 (貸)当座預金 30,000
5月20日
(借)給料 6,000
 (貸)当座預金 6,000
5月25日
(借)売掛金 35,700
 (貸)売上 35,700
5月26日
(借)当座預金 39,000
 (貸)支払手数料 1,000
(借)受取手形 39,000
 (貸)当座預金 1,000
5月28日
(借)支払家賃 12,000
(借)通信費 2,000
 (貸)当座預金 14,000

 7日に発生した郵便代金500円は通信費勘定で費用処理します。仕入時に発生した送料等の付随費用は仕入原価に含めて処理しますが、本問の郵便代金は金銭債務の返済にともない発生したものなので、仕入原価に含めて処理することはできません。

 12日に購入した消耗品は、問題資料Ⅰの合計試算表の「消耗品費 2,000」から、購入時に費用処理すると判断して仕訳を考えましょう。

 26日の手形代金の入金と取立手数料の引き落としは別々の取引なので、借方の当座預金39,000円と貸方の当座預金1,000円を相殺して38,000円にしないように気をつけてください。

(2)のA商品の数量、単価および金額の算定方法

 本問は、問題文に「A商品の払出単価の決定方法は先入先出法を採用する」とあるので、先に仕入れた商品から払い出しが行われたと仮定して、5月末時点の残高を計算しましょう。

 下書き用紙に商品有高帳を自作して計算しても良いですが、以下のようにボックス図を書いて求めるのが簡単なのでおすすめです。

第3問・試算表作成問題の下書き5
第3問・試算表作成問題の下書き5


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