第139回・日商簿記検定3級 第1問(仕訳問題)の過去問分析

第1問 今回も仕訳!5問とも簡単なので20点満点を狙いましょう!

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳】問題でした。受験生アンケートでは、90%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しており、簿記検定ナビで無料配布している仕訳問題対策できちんと過去問対策していれば、短い解答時間で20点満点を取れる問題だったと思います。

問1 手形借入金

模範解答
(借)普通預金 960,000
(借)支払利息 40,000
 (貸)手形借入金 1,000,000

 手形借入金に関する問題です。借り入れにあたって借用証書の代わりに手形を振り出した場合、通常の借入金と区別するために手形借入金勘定を使って処理します(仕訳の考え方や処理方法は、通常の借入金と同じです)。

  • 借用証書による借り入れ…借入金勘定で処理
  • 約束手形による借り入れ…手形借入金勘定で処理

 本問は、問題文の「銀行より1,000,000円を借り入れ、同額の約束手形を振り出し」の部分がポイントになるので、見落とさないように注意してください。

問2 固定資産の購入

模範解答
(借)土地 3,450,000
 (貸)未払金 3,400,000
 (貸)現金 50,000

 固定資産の購入に関する問題です。この問題のポイントはズバリ「購入原価=購入代価+付随費用」ということが分かっているかどうかです。

 土地だけに限らず、建物や備品、車両などの固定資産を購入したさいに、不可避的に発生した費用(付随費用)は購入原価に含めて計算するので、本問の「購入手数料100,000円」「土地の整地費用50,000円」も購入原価に含めて処理します。

 上記の「購入手数料」というのは、不動産仲介業者に支払う紹介手数料なんかをイメージすると分かりやすいと思います。また、「整地費用」というのは、建物を建てるさいにまず土地をならす(凸凹を平らにする)作業が必要になりますが、それにかかる費用と考えてください。

 どちらの費用も、土地を購入して店舗を建てるのに必要なコスト(=不可避的に発生した費用)なので、購入原価に含めて処理します。

  • 購入代価=165㎡×@20,000円=3,300,000円
  • 付随費用=100,000円+50,000円=150,000円
  • 購入原価=購入代価3,300,000円+付随費用150,000円=3,450,000円

 なお、商品売買取引以外で発生した未払債務(3,450,000円)については、買掛金勘定ではなく未払金勘定を使って処理します。

  • 商品売買取引に伴い発生した未払債務 → 買掛金
  • 商品売買取引以外で発生した未払債務 → 未払金

問3 固定資産の修繕

模範解答
(借)普通預金 960,000
(借)支払利息 960,000
 (貸)手形借入金 1,000,000

 固定資産の修繕に関する問題です。修繕の仕訳は簿記2級で問われることが多く、簿記3級での出題は初めてだったのでびっくりした方も多かったと思いますが、修繕費勘定を使って費用処理するだけなので仕訳自体は簡単です。

 修繕に関する細かい論点は簿記2級で改めて学習することになるので、簿記3級の学習にあたっては修繕費用=修繕費で処理すると軽く押さえておきましょう。

問4 資本の引き出し

模範解答
(借)土地 3,450,000
 (貸)未払金 3,400,000
 (貸)現金 50,000

 資本の引き出しに関する問題です。固定資産税は営業用(事業用)と店主用の2つに分けた上で、前者を租税公課勘定で、後者を資本の引き出しとして処理します。

 なお、本問は問題文で列挙されている勘定科目に引出金勘定がある(資本金勘定がない)ので、資本の引き出しに関する仕訳は引出金勘定で処理すると判断します。

  • 60%は事業用→60,000円(=100,000円×60%)は租税公課勘定で処理
  • 40%は店主用→40,000円(=100,000円×40%)は引出金勘定で処理

資本の引き出しを、引出金勘定で処理した場合のその後

 本問のように、資本の引き出しを引出金勘定で処理した場合、決算期末において引出金勘定と資本金勘定を相殺する(振り替える)仕訳を切ります。第1問でこの仕訳が問われる可能性は低いですが、参考までにご確認ください。

現金納付時
(借)引出金 40,000
 (貸)現金 40,000
決算期末時
(借)資本金 40,000
 (貸)引出金 40,000

資本の引き出しを、資本金勘定で処理した場合のその後

 資本の引き出しを資本金勘定で処理した場合、決算期末においては特に何もしません。引出金勘定で処理した場合とセットで押さえておいてください。

現金納付時
(借)資本金 40,000
 (貸)現金 40,000
決算期末時
仕訳なし

問5 債権の貸倒れ

模範解答
(借)貸倒引当金 210,000
(借)貸倒損失 90,000
 (貸)売掛金 300,000

 債権の貸倒れに関する問題です。売掛金の貸倒れに関する問題は、売掛金の発生時期によって2つのケースに分けることができるので、まず、貸倒れた債権がいつ発生したのかを確認しましょう。

  1. 前期以前発生・当期貸倒れ
  2. 当期発生・当期貸倒れ

 ①の「前期以前発生・当期貸倒れ」というケースは、決算を通過しているので貸倒引当金が設定されています。よって、この債権が貸倒れた場合は、まず貸倒引当金を取り崩し、それでも足りない場合は貸倒損失勘定で処理します。

 一方、②の「当期発生・当期貸倒れ」というケースは、決算を通過していないので貸倒引当金が設定されていません。よって、この債権が貸倒れた場合は、全額を貸倒損失勘定で処理します。

 本問は、問題文に「前期の売上げにより生じた売掛金300,000円が貸し倒れた」とあるので①のケースに該当すると判断します。

 よって、貸倒れた売掛金300,000円のうち210,000円については引当金を取り崩して充当し、残りの90,000円については貸倒損失勘定で処理します。



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