第139回・日商簿記検定2級 第2問(個別問題・固定資産)の過去問分析

第2問 固定資産の一連の処理を問う問題。問6の200%定率法以外は簡単です!

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【個別問題・固定資産】に関する問題でした。第107回の第2問で出題された固定資産の問題とほとんど同じで、具体的には「備品A・B・Cの購入・減価償却・売却・除却の一連の処理」が問われましたが、問4の勘定記入と問6の200%定率法の処理は少し難しかったかもしれません。

 ただ、問4に関しては第135回の第2問で類似問題が出題されているので、過去問対策をきちんとやっていれば出来たでしょうし、問6に関してはカッコ書きで「償却率年25%」と書いてあるので、200%定率法の意味がわからなくてもなんとか正解までたどり着けたと思います。

 なお、上記以外の問1・問2・問3・問5は固定資産の基本的な処理を問う問題なので、第1問の仕訳が難しかったことを考えると絶対に正解しなければならない問題です。

 受験生アンケートでは「普通ぐらいだった」という回答が一番多かったですが、合格するためには20点満点中16点~18点は取りたいところです。

解答手順

 問1から問6までの[設問]を見ると、平成25年1月1日~平成27年1月1日までの処理が問われていることが分かるので、まずはこの期間の仕訳を下書き用紙に書きだしましょう。

 そのさいに、「備品A」「備品B減価償却累計額」など、備品A・B・Cのどれに関する仕訳なのかひと目で分かるように工夫して仕訳をすると後の集計が楽になります。

平成25年1月1日の仕訳
(借)備品A 200,000
(借)備品B 320,000
 (貸)現金 520,000
平成25年10月1日の仕訳
(借)備品C 160,000
 (貸)現金 160,000
平成25年12月31日の仕訳
(借)減価償却費 40,000
 (貸)備品A減価償却累計額 40,000
(借)減価償却費 40,000
 (貸)備品B減価償却累計額 40,000
(借)減価償却費 10,000
 (貸)備品C減価償却累計額 10,000

 本問は、問題文に「期中に備品を取得した場合の減価償却費は月割りで計算するものとする」という指示があるので、10月1日に購入した備品Cの減価償却費は月割(10月1日から12月31日までの3か月)で計算します。

160,000円÷4年×3か月/12か月=10,000円

平成26年1月1日の仕訳
(借)備品A減価償却累計額 40,000
(借)現金 100,000
(借)固定資産売却損 60,000
 (貸)備品A 200,000
平成26年12月31日の仕訳
(借)減価償却費 40,000
 (貸)備品B減価償却累計額 40,000
(借)減価償却費 40,000
 (貸)備品C減価償却累計額 40,000

 1月1日の「備品Aの期首売却の仕訳」は簡単なので、特に問題ないと思います。

平成27年1月1日の仕訳
(借)備品B減価償却累計額 80,000
(借)貯蔵品 50,000
(借)固定資産除却損 190,000
 (貸)備品B 320,000

 1月1日の「備品Bの除却の仕訳」は、減価償却累計額の金額が2年分(平成25年1月1日~平成26年12月31日)になることに注意するぐらいで、仕訳自体は簡単なので特に問題ないと思います。

問1 平成25年度における備品の減価償却費の総額

 平成25年12月31日の仕訳から金額をひっぱってくるだけです。

40,000円+40,000円+10,000円=90,000円

問2 平成26年1月1日における備品Aの売却損の金額

 平成26年1月1日の仕訳から売却損の金額をひっぱってくるだけです。

問3 平成26年度における備品の減価償却費の総額

 平成26年12月31日の仕訳から金額をひっぱってくるだけです。

40,000円+40,000円=80,000円

問4 平成26年度における備品勘定および備品減価償却累計額勘定への記入

 平成26年1月1日の仕訳から、備品勘定の貸方に「諸口 200,000」が、備品減価償却累計額の借方に「備品 40,000」が入ることが分かるので記入します。

 さらに、平成26年12月31日の仕訳から、備品減価償却累計額の貸方に「減価償却費 80,000」が入ることが分かるので記入します。

 最後に、各勘定の貸借差額を「次期繰越 ■■■」で処理し、各勘定を締め切ります。

問5 平成27年1月1日における備品Bの除却損の金額

 平成27年1月1日の仕訳から除却損の金額をひっぱってくるだけです。

問6 200%定率法により減価償却した場合の備品Bの除却損の金額

そもそも「200%定率法」とはなんぞや?

 ものすごく簡単に言うと「定率法の償却率は、定額法の償却率の2倍(200%)になる」ということです。法人税法の減価償却費の限度額を計算するさいに使います。

 今回出題されるまでは簿記1級の論点と考えられていたため、市販の2級教材ではほとんど紹介されておらず、今回の試験で初めてその存在を知った…という受験生が多かったと思います。

 それでは早速、本問の備品Bを例にして考えてみましょう。備品Bは取得原価が320,000円、残存価額がゼロ、耐用年数が8年なので、定額法により減価償却を行った場合の1年間の減価償却費は40,000円になります。

320,000円÷8年=40,000円

 この場合の定額法の償却率は、1÷耐用年数…つまり1÷8年=0.125(12.5%)と計算することができます。上の計算式では取得原価を耐用年数で割りましたが、取得原価に定額法の償却率を掛けあわせて減価償却費を計算することもできます(もちろん同じ金額になります)。

320,000円×12.5%=40,000円

 ここでようやく200%定率法の登場です。上にも書きましたが「定率法の償却率は、定額法の償却率の2倍(200%)になる」ので、200%定率法による場合の償却率は12.5%×2倍(200%)=25%になります。

200%定率法の償却率の算定方法のおさらい

  1. 1÷耐用年数で定額法の償却率を計算する
  2. その償却率を2倍して、200%定率法による場合の償却率を計算する

 このように200%定率法の償却率の計算自体は簡単なので、計算方法を知っていれば誰でもパパっと計算できますが、初見でいきなり使いこなすのは正直、無理だと思います。

 ただ、本問は問題文に「200%定率法(償却率年25%)」とカッコ書きで200%定率法による場合の償却率が与えられていたので、200%定率法の意味が分からなくてもなんとか正解にたどり着けたかな…たどり着いてほしいな、と思います。

平成25年1月1日の仕訳
(借)備品B 320,000
 (貸)現金 320,000
平成25年12月31日の仕訳
(借)減価償却費 80,000
 (貸)備品B減価償却累計額 80,000
平成26年12月31日の仕訳
(借)減価償却費 60,000
 (貸)備品B減価償却累計額 60,000
平成27年1月1日の仕訳
(借)備品B減価償却累計額 140,000
(借)貯蔵品 50,000
(借)固定資産除却損 130,000
 (貸)備品B 320,000
  • 200%定率法による場合の備品Bの減価償却費
    • 1年目の減価償却費:320,000円×25%=80,000円
    • 2年目の減価償却費:(320,000円-80,000円)×25%=60,000円

 仕訳自体は簡単なので特に問題ないと思います。



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