第138回・日商簿記検定3級 第5問(財務諸表作成問題)の過去問分析

第5問 久しぶりに登場した財務諸表作成問題!決算整理はとても簡単です。

第5問の難度アンケート結果

 第5問は久しぶりに【財務諸表作成問題】が出題されました。前回出題されたのが第124回試験なので、最新の過去問題集には財務諸表作成問題はギリギリ収載されておらず、精算表作成問題の対策しかしていなかった方にとっては少々キツかったかもしれません。

 受験生アンケートでも、約3分の2の方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答しています。個人的には、初見で20点以上取れれば十分だと思います。

財務諸表作成問題と精算表作成問題の違いについて

 どちらもやることは同じです。決算整理前残高試算表に未処理事項・決算整理事項を反映させて貸借対照表・損益計算書を作成します。表示形式が異なるだけです。

 「財務諸表作成問題は精算表作成問題よりも難しい」という先入観は捨てて、やることは精算表作成問題と同じなんだ、と気楽に考えて問題を解き進めてください。

解答手順について

 資料の決算整理事項等の全取引の仕訳を下書き用紙に書きだした上で、それらを集計して答案用紙の損益計算書と貸借対照表を完成させます。

決算整理事項等

1. 現金過不足の処理
(借)雑損 1,000
 (貸)現金 1,000
2. 仮受金の処理
(借)仮受金 56,000
 (貸)売掛金 56,000
3. 貸倒引当金
(借)貸倒引当金繰入 11,000
 (貸)貸倒引当金 11,000
4. 売上原価の算定
(借)仕入 192,000
 (貸)繰越商品 192,000
(借)繰越商品 205,000
 (貸)仕入 205,000
5. 消耗品の処理
(借)消耗品 2,000
 (貸)消耗品費 2,000
6. 減価償却
(借)減価償却費 100,000
 (貸)減価償却累計額 100,000
7. 利息の前受け処理
(借)受取利息 8,000
 (貸)前受利息 8,000
8. 給料の未払い計上
(借)給料 9,000
 (貸)未払費用 9,000
9. 家賃の前払い処理
(借)前払費用 90,000
 (貸)支払家賃 90,000

1.現金過不足の処理

 帳簿残高259,000円と実際有高258,000円(=236,000円+22,000円)との差額1,000円を雑損勘定で処理します。現金過不足は「帳簿残高を実際有高に合わせる」のがルールなので、間違えないように気をつけてください。

 また、決算整理時に現金過不足が判明した場合、現金過不足勘定は使わずに帳簿残高と実際有高の差額を雑損または雑益勘定で処理します。現金過不足勘定は、期中に価不足が判明した場合に一時的に使う勘定科目なので、こちらも間違えないように気をつけてください。

 なお、金庫に入っていた「得意先振出しの約束手形」は現金ではなく受取手形としてカウントされているので、現金過不足の処理には関係ありません。「おいっ、担当者!手形を金庫に入れるとか、紛らわしいことしてんじゃねーぞ!」と心の中でつぶやいて先に進みましょう。

2.仮受金の処理

 問題文に「売掛金の回収であることが判明した」とあるので、仮受金勘定を売掛金勘定に振り替えます。

3.貸倒引当金

 上の仮受金の処理で減少した売掛金56,000円を考慮して繰入額を計算します。

(180,000円+476,000円-56,000円)×3%-7,000円=11,000円

4.売上原価の算定

 「しーくりくりしー」の語呂でおなじみの仕訳を切るだけなので特に問題ないと思います。期首商品棚卸高は、決算整理前残高試算表の繰越商品の金額192,000円です。

5.消耗品の処理

 決算整理前残高試算表の「消耗品費 23,000」から、決算期末に未使用分を消耗品勘定に振り替える(購入時に費用処理する)方法を採用していることが分かるので、2,000円を消耗品費勘定から消耗品勘定に振り替えます。

6.減価償却

 取得原価600,000円を耐用年数6年で割って、1年あたりの減価償却費100,000円を計算します。超簡単です。

7.利息の前受け処理

 問題文に「利息は貸付時に一括で受け取っている」とあり、決算整理前残高試算表にも「受取利息 12,000」が計上されているので、翌期に属する8か月分(平成26年1月1日~8月31日)の利息を前受け処理(前受収益で処理)します。

300,000円×4%=12,000円

12,000円×8か月/12か月=8,000円

8.給料の未払い計上 & 9.家賃の前払い処理

 給料の未払分9,000円を未払い計上(未払費用で処理)し、家賃の前払分90,000円を前払い処理(前払費用で処理)するだけです。



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