日商簿記検定2級 第138回総評(過去問分析)

第1問 5問とも超簡単な仕訳問題!絶対に20点満点を取らなきゃダメです!

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】でした。問題に列挙されている勘定科目の数が少なく、5問とも平均以下の難度&過去問類似問題なので、(難度の高い)第2問・第3問のことを考えると、この第1問は20点満点を取る必要があります。

 受験生アンケートでも、90%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

第2問 株主資本等変動計算書が初登場!まさか2段にして出すとは…

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【株主資本等変動計算書】に関する問題でした。株主資本等変動計算書は多くの受験生がノーマークの論点だったこともあり、出来は非常に悪いようです。

 受験生アンケートでも、半分以上の方が「かなり難しかった」と回答しています。何をどう解答していいかさっぱり分からなかった方も多いと思いますので、初見では18点満点中10点も取れれば十分だと思います。

第3問 多くの受験生を絶望の淵に追い込んだ財務諸表作成問題!超難問!

第3問の難度アンケート結果

 第3問は【財務諸表作成問題】でした。具体的には、資料で与えられた決算整理前残高試算表に未処理事項と決算整理事項を反映させて答案用紙の貸借対照表を作成するという問題でしたが、未処理事項と決算整理事項の数が多く、しかもひとつひとつの難度も高かったので、出来は非常に悪いと思います。

 受験生アンケートでも、90%以上の方が「かなり難しかった」と回答しています。もう10回以上、難度アンケートを実施していますが、こんなに極端な結果になったのは初めてです。

 個人的には、直近10年の試験の第3問の中では1番難しい問題だと思いますので、初見では22点満点中10点も取れれば十分です。

第4問 個別原価計算の仕訳問題!ケアレスミスに気をつけましょう!

第4問の難度アンケート結果

 第4問は【個別原価計算】に関する問題でした。問題の難度自体は平均レベルだと思いますが、各勘定の流れをイメージできないと、差異の計上や仕掛品から製品への振り替えの仕訳は少し難しく感じたかもしれません。

 受験生アンケートでも、「やや難しかった」という回答が一番多かったですが、第2問・第3問のことを考えると、本問は20点満点中、最低でも12点以上は取りたいところです。

第5問 超簡単な単純総合原価計算の問題!絶対に20点満点を取りましょう!

第5問の難度アンケート結果

 第5問は【単純総合原価計算】に関する問題でした。BOX図を書いて機械的に計算するだけの簡単な問題なので、合格するためには絶対に20点満点を取らなければいけません。

 受験生アンケートでも、約80%の方が「かなり簡単だった」と回答しています。

まとめ

全体的な難度に関するアンケート結果

 第138回日商簿記検定2級は、第2問が初出題・第3問が超難問だったものの、逆に第1問・第5問は超簡単な問題でした。

 合格するためには第1問・第4問・第5問で出来るかぎり多くの点数を取ることが重要ですが、本試験独特の雰囲気の中、また第2問・第3問に精神的に追いつめられた状態できっちり点数を取るのは大変だったと思います。

 合格率に関しては、この総評を書いている時点では公表されていませんが、おそらく20%前後になるのではないでしょうか。試験日当日のTwitterでは「20%割れ確実」と書きましたが、実際に細かく問題を分析してみるともう少し高くなるように感じました。

 ちなみに、大手専門学校の予想合格率は以下のとおりです。

  • TACの合格率予想:25%~30%
  • 大原の合格率予想:30%弱
  • NSの合格率予想:20%

 専門学校の中でも結構な乖離がありますが、これは第2問の株主資本等変動計算書の予想配点の影響だと思います。

 TACと大原はカッコ1つずつに配点されると予想していますが、NSは1行全体に1つずつ配点されると予想していて、1行のうち1つでも金額が間違っていると不正解になるので点数が伸びないと考えているようです。

 「初登場の問題・難しい問題は配点がかなり甘くなる」という過去の傾向を考えると、個人的には第2問・第3問はかなり甘めの配点になっていると思うので、TACや大原の予想のようにカッコ1つずつに配点があるものと予想しています。

 とすると、合格率も20%前後じゃなくて30%近くになるんじゃないの…と思われるかもしれませんが、私は意外と第4問が出来なかった方が多いんじゃないかな、と思っています。

 第1問から順番に問題を解いた場合、第2問・第3問でかなりの時間を浪費することになるので、第4問・第5問は短時間で一気に解いたという方も多かったのではないでしょうか。

 そうすると、予定配賦率の計算を間違えて一気に12点落としたり、不利差異(借方差異)を貸方に書いてしまったりというケアレスミスが十分に考えられます。

 今回の試験は第4問で満点近い点数が取れないと合格が難しくなるので、なんだかんだで合格率は20%前後になると予想しました。


 また、今回の試験問題を解いてみて、改めて「簿記の基本である仕訳の重要性」を痛感しました。第1問の仕訳は過去問対策をやっていれば余裕で20点満点取れる問題でしたし、第2問の株主資本等変動計算書や第3問の財務諸表作成問題も、第1問の過去問類似仕訳がたくさん登場しています。

 今後もイレギュラーな問題が出題される可能性は高いので、次回以降の試験を受験される方はぜひ仕訳の過去問対策をきちんとやっておいてください。高い仕訳力があれば、どんな問題でもある程度の部分点を取ることができます。

 簿記検定ナビで無料配布している仕訳問題対策を有効活用して、なるべく早い時期から対策することをおすすめします。



ページの先頭へ