第138回・日商簿記検定2級 第4問(個別原価計算)の過去問分析

第4問 個別原価計算の仕訳問題!ケアレスミスに気をつけましょう!

第4問の難度アンケート結果

 第4問は【個別原価計算】に関する問題でした。問題の難度自体は平均レベルだと思いますが、各勘定の流れをイメージできないと、差異の計上や仕掛品から製品への振り替えの仕訳は少し難しく感じたかもしれません。

 受験生アンケートでも、「やや難しかった」という回答が一番多かったですが、第2問・第3問のことを考えると、本問は20点満点中、最低でも12点以上は取りたいところです。

 それでは早速、仕訳を考えていきましょう。

(1)直接材料費の計上

 問題文に「直接材料費は予定消費単価(500円/kg)を使用して計算」とあるので、#11001から#11003までの当月消費量合計に予定消費単価を掛けて直接材料費を計算します。

(850kg+1,240kg+1,100kg)×500円/kg=1,595,000円

 仕訳自体は、材料勘定を仕掛品勘定に振り替えるだけなので特に問題ないと思います。

直接材料費の計上に関する仕訳
(借)仕掛品 1,595,000
 (貸)材料 1,595,000

(2)製造間接費の予定配賦

 問題文に「各製造指図書に対して当月分の製造間接費を予定配賦する」とあるので、予定配賦に必要な予定配賦率をまず計算しましょう。

 具体的には、資料3の「製造間接費予算」の「年間固定費8,100,000円 年間予定機械稼働時間18,000時間」から固定比率を計算し、同じく資料3の「製造間接費予算」で与えられている変動費(変動費率)と足しあわせて予定配賦率を計算します。

 この予定配賦率の計算を間違えてしまうと、下の(3)(5)も芋づる式に不正解になってしまうので、慎重に計算してください。

8,100,000円/18,000時間=450円/時間

280円/時間+450円/時間=730円/時間

 予定配賦率が730円と計算できたら、各製造指図書に対する予定配賦額を計算します。なお、本問の配賦基準は機械稼働時間なので、直接作業時間を使わないように気をつけてください。

(420時間+610時間+380時間)×730円/kg=1,029,300円

 仕訳自体は、製造間接費勘定を仕掛品勘定に振り替えるだけなので特に問題ないと思います。

製造間接費の予定配賦に関する仕訳
(借)仕掛品 1,029,300
 (貸)製造間接費 1,029,300

(3)製品完成高の計上

 完成した#11001と#11002の原価を集計します。下書き用紙に原価計算表を自作して集計する方法もアリですが、私は問題の資料に直接書き込んで計算しました。下の表の赤字部分が書き込み箇所です。

問題の資料2に直接書き込んで集計する方法
製造指図書番号 #11001 311,000 #11002
直接材料消費量 850kg 425,000 1,240kg 620,000
直接作業時間 200時間 220,000 350時間 385,000
機械稼働時間 420時間 306,600 610時間 445,300

 直接材料費は直接材料消費量に予定消費単価(500円/kg)を、直接労務費は直接作業時間に予定平均賃率(1,100円/時間)を、製造間接費は機械稼働時間に予定配賦率(730円/時間)を掛けて計算します。

 なお、#11001には311,000円の月初仕掛品原価が計上されているので、私は集計し忘れないように指図書番号#11001の右側に金額を書き込みました。

  • #11001の製造原価=311,000円+425,000円+220,000円+306,600円=1,262,600円
  • #11002の製造原価=620,000円+385,000円+445,300円=1,450,300円

 仕訳自体は、仕掛品勘定を製品勘定に振り替えるだけなので特に問題ないと思います。

製品完成高の計上に関する仕訳
(借)製品 2,712,900
 (貸)仕掛品 2,712,900

(4)直接材料費の消費価格差異の計上

 毎度おなじみのBOX図を書いて機械的に消費価格差異の金額を計算しましょう。BOX図の書き方は十人十色ですが、私はいつも以下のようなBOX図を書いています。参考までにご確認ください。

材料勘定のBOX図
材料勘定のBOX図

 まずBOX図の枠を書いて、分かるところからどんどん数字を埋めていきます。本問は、問題文に「実際消費単価は先入先出法にもとづいて計算する」とあるので、月末在庫高は月末在庫610kgに当月購入原価540円を掛けて計算します。

 月末在庫高の金額(329,400円)が判明したら貸借差額で実際消費額(1,709,600円)を計算し、予定消費額(1,595,000円)との差額(114,600円)を消費価格差異として計上します。

 本問の消費価格差異は不利差異(借方差異)なので借方に計上します。借方と貸方を逆にしないように気をつけてください。また、本問は勘定科目の指定があるので、原価差異勘定などを使わないように気をつけてください。

直接材料費の消費価格差異の計上に関する仕訳
(借)消費価格差異 114,600
 (貸)材料 114,600

(5)製造間接費の配賦差異の計上

 こちらも毎度おなじみのシュラッター図を書いて、機械的に予算差異と操業度差異を計算しましょう。必要な数字は全て資料で与えられていますし、ひっかけ等もないので簡単に計算できると思います。

シュラッター図
シュラッター図
  • (月間)固定費予算額:675,000円(=8,100,000円÷12か月)
  • (月間)基準操業度:1,500時間(=18,000時間÷12か月)
  • 予算差異:(@280円×1,410時間+675,000円)-1,077,900円=△8,100円
  • 操業度差異:(1,410時間-1,500時間)×@450円=△40,500円

 本問の予算差異・操業度差異は不利差異(借方差異)なので借方に計上します。借方と貸方を逆にしないように気をつけてください。

製造間接費の配賦差異の計上に関する仕訳
(借)予算差異 8,100
(借)操業度差異 40,500
 (貸)製造間接費 48,600


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