第138回・日商簿記検定2級 第2問(株主資本等変動計算書)の過去問分析

第2問 株主資本等変動計算書が初登場!まさか2段にして出すとは…

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【株主資本等変動計算書】に関する問題でした。株主資本等変動計算書は多くの受験生(すいません、私もです)がノーマークの論点だったこともあり、出来は非常に悪いようです。

 受験生アンケートでも、半分以上の方が「かなり難しかった」と回答しています。何をどう解答していいかさっぱり分からなかった方も多いと思いますので、初見では18点満点中10点も取れれば十分だと思います。

そもそも株主資本等変動計算書とはなんぞや?

 株主資本等変動計算書は、簡単に言いますと会社の純資産が1会計期間内にどれだけ変動したのかを、変動事由ごとにまとめた財務諸表です。

解答手順は?

 株主資本等変動計算書は、変動した金額を変動事由ごとに区分して表示する必要があるので、問題を解く場合はまず変動事由ごとに仕訳を考えます。

 仕訳が判明したら、答案用紙の金額欄を埋めていきます。金額が増加した場合は千円単位で金額を記入し、逆に金額が減少した場合は頭に△マークを付けて千円単位で金額を記入します。

 本問は、問題の資料①②が剰余金の配当に関するもの、資料③が新株の発行に関するもの、資料④が吸収合併に関するもの、資料⑤が当期純利益に関するものなので、ひとつずつ仕訳を考えていきましょう。

資料①② 剰余金の配当に関する仕訳

(借)繰越利益剰余金 2,600,000
 (貸)利益準備金 200,000
 (貸)未払配当金 2,000,000
 (貸)新築積立金 400,000

 仕訳自体は、第135回の第1問・仕訳問題の問5とほとんど同じなので、仕訳対策をきちんとやっていた方にとっては簡単な仕訳だと思います。

 利益剰余金(繰越利益剰余金)を財源として配当を行う場合には、「配当により減少する利益剰余金の額の10分の1を、資本準備金の額と利益準備金の額とをあわせて、資本金の4分の1に達するまで(利益準備金を)積み立てなければならない」と規定されているので、この規定に従って利益準備金要積立額を計算します。

 まず、問題の資料②の(1)に「株主への配当金を、利益剰余金を財源とし1株につき100円にて実施する」とあるので、配当により減少する利益剰余金の金額は2,000,000円(=@100円×20,000株)で、その10分の1は200,000円ということが分かります。

 (3)の新築積立金の積立額400,000円は利益準備金要積立額の計算には関係ないので気をつけてください。

 また、資本準備金と利益準備金の合計額が7,000,000円(=5,000,000円+2,000,000円)なので、資本金40,000,000円の4分の1に達するまで積み立てなければならない額は、40,000,000円÷4-7,000,000円=3,000,000円になります。

 ここで、両者を比較すると【200,000円<3,000,000円】となるので、利益準備金要積立額は200,000円になります。

  • 配当の10分の1規定による利益準備金要積立額:200,000円
  • 資本金の4分の1規定による利益準備金要積立額:3,000,000円
  • 金額の小さい方(200,000円)を利益準備金として積み立てる

 配当の10分の1規定に関しては多くの受験生が理解していると思いますが、資本金の4分の1規定と比較するのを忘れてしまう方が多いです。

 今回は10分の1規定の金額の方が小さかったので、4分の1規定を忘れていても結果的には正解までたどり着けますが、利益処分の問題は必ず資本金の4分の1規定もチェックしてください。


 仕訳が判明したら答案用紙をチェックしましょう。当期変動額欄の「剰余金の配当等」には、利益準備金と新築積立金、繰越利益剰余金、利益剰余金合計、株主資本合計欄にカッコがあるので、カッコ内の金額を考えます。

 利益準備金は、配当にともない社外流出分の10分の1を積み立てる必要があるので、金額は増加します。よって、カッコ内に【200】と記入します。なお、単位は「円」ではなく「千円」なので間違えないように気をつけてください。

 新築積立金は、問題の資料②の(3)に「新たに新築積立金を400千円設定する」とあるので、利益準備金と同様、金額は増加します。よって、カッコ内に【400】と記入します。

 繰越利益剰余金は、配当や利益準備金の積み立て、新築積立金の設定などにより金額が減少するので、カッコ内に【△2,600】と記入します。

 本問は問題文に「減少については、金額の前に△にて示すこと」という指示があるので、金額が減少するものについては△マークを付ける必要があります。

 最後の利益剰余金合計と株主資本合計は金額をまとめるだけなので特に問題ないと思いますが、合計する区分がややこしいのでケアレスミスしないように気をつけてください。

資料③ 新株の発行に関する仕訳

(借)当座預金 15,000,000
 (貸)資本金 7,500,000
 (貸)資本準備金 7,500,000

 仕訳自体は、第1問・仕訳問題で問われる新株発行に関する仕訳よりも簡単なので、仕訳対策をきちんとやっていればすぐに導き出せたと思います。

 資料に「資本金は、会社法で規定する最低額を計上することとした」とあるので、払込金15,000,000円(=@3,000円×5,000株)の半分を資本金に、もう半分を資本準備金に計上します。


 仕訳が判明したら答案用紙をチェックしましょう。当期変動額欄の「新株の発行」には、資本金、資本準備金、資本剰余金合計、株主資本合計欄にカッコがあるので、カッコ内の金額を考えます。

 資本金と資本準備金は、新株の発行にともない金額が増加するので、カッコ内にそれぞれ【7,500】と記入します。資本剰余金合計と株主資本合計は金額をまとめるだけなので特に問題ないと思います。

資料④ 吸収合併に関する仕訳

(借)諸資産 100,000,000
 (貸)諸負債 74,400,000
 (貸)資本金 10,000,000
 (貸)資本準備金 12,000,000
 (貸)その他資本剰余金 3,600,000

 合併の仕訳自体は、第129回の第1問・仕訳問題の問1第102回の第1問・仕訳問題の問5のように「のれん」や「負ののれん発生益」が出てきませんし、問題の資料の指示も分かりやすく書いてあるので、仕訳対策をきちんとやっていた方にとっては簡単な仕訳だと思います。


 仕訳が判明したら答案用紙をチェックしましょう。当期変動額欄の「吸収合併」には、資本金、資本準備金、その他資本剰余金、資本剰余金合計、株主資本合計欄にカッコがあるので、カッコ内の金額を考えます。

 資本金と資本準備金、その他資本剰余金は、いずれも合併にともない金額が増加するので、カッコ内に【10,000】【12,000】【3,600】と記入します。資本剰余金合計と株主資本合計は金額をまとめるだけなので特に問題ないと思います。

資料⑤ 当期純利益に関する仕訳

(借)損益 900,000
 (貸)繰越利益剰余金 900,000

 仕訳自体は、第109回の第1問・仕訳問題の問2とほとんど同じなので、仕訳対策をきちんとやっていた方にとっては簡単な仕訳だと思います。


 仕訳が判明したら答案用紙をチェックしましょう。当期変動額欄の「当期純利益」には、繰越利益剰余金、利益剰余金合計、株主資本合計欄にカッコがあるので、カッコ内の金額を考えます。

 繰越利益剰余金は、当期純利益の発生にともない金額が増加するので、カッコ内に【900】と記入します。利益剰余金合計と株主資本合計は金額をまとめるだけなので特に問題ないと思います。



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