第138回・日商簿記検定2級 第1問(仕訳問題)の過去問分析

第1問 5問とも超簡単な仕訳問題!絶対に20点満点を取らなきゃダメです!

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】が出題されました。問題に列挙されている勘定科目の数が少なく、5問とも平均以下の難度&過去問類似問題なので、(難度の高い)第2問・第3問のことを考えると、この第1問は20点満点を取る必要があります。

 受験生アンケートでも、90%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

 なお、日商簿記検定2級の仕訳問題は過去問対策が非常に有効です。簿記検定ナビで無料配布している仕訳問題対策を有効活用して、なるべく早い時期から対策することをおすすめします。

問1 固定資産の滅失

 固定資産の滅失に関する問題です。火災により倉庫が焼失した場合、焼失時の倉庫の帳簿価額(取得原価5,000,000円-減価償却累計額3,200,000円=1,800,000円)を未決算勘定に振り替えます。

 なお、本問は焼失したタイミングが期首なので当期の減価償却費はゼロですが、第122回の問4のように期中に焼失した場合は、当期の減価償却費を月割計算して焼失時の帳簿価額を計算します。

 また、第108回の問3のように、未決算の金額が保険金額よりも大きい場合は、焼失した時点で差額分の損失が確定するので、保守主義の観点(費用の認識はなるべく早く、収益の認識はなるべく遅くという考え方)から、保険金の金額確定を待たずに差額分の火災損失を計上します。

 例えば、本問の火災保険の金額が2,000,000円ではなく1,000,000円だった場合、解答仕訳は以下のようになります。参考までにご確認ください。

【参考】保険金の金額確定を待たずに火災損失800,000円を計上
(借)建物減価償却累計額 3,200,000
(借)未決算 1,000,000
(借)火災損失 800,000
 (貸)建物 5,000,000

 本問は、第131回の問1とほとんど同じ問題でしたので、過去問対策をきちんとやっていた方にとってはボーナス問題だったと思います。

問2 不渡手形

 不渡手形に関する問題です。保有していた他店振出の約束手形が不渡りとなった場合、受取手形勘定を不渡手形勘定に振り替えます。この際、償還請求に要した費用(本問は2,000円)も不渡手形勘定に含めて処理する点に気をつけてください。

 本問は、第130回の問2とほとんど同じ問題でしたので、過去問対策をきちんとやっていた方にとってはボーナス問題だったと思います。

問3 特殊商品売買(割賦販売)

 特殊商品売買の割賦販売に関する問題です。割賦販売は、商品を売り渡した時に割賦売上を計上する「販売基準」と、割賦金を回収した時に割賦売上を計上する「回収基準」の2つがあります。

 本問は、問題文に「割賦販売の収益は販売基準により計上している」とあるので、商品を売り渡した時に割賦売上を計上します。

【解答】商品売渡時
(借)割賦売掛金 270,000
 (貸)割賦売上 270,000
【参考】割賦金回収時(1回目)
(借)現金など 45,000
 (貸)割賦売掛金 45,000

 なお、問題文に列挙されている勘定科目に割賦売上勘定や割賦売掛金勘定がない場合は、売上勘定や売掛金勘定で解答する必要がありますので、必ず勘定科目のチェックをするクセをつけてください。

 本問は、第127回の問2とほとんど同じ問題でしたので、過去問対策をきちんとやっていた方にとってはボーナス問題だったと思います。

問4 商品保証引当金

 商品保証引当金に関する問題です。商品保証引当金については、【決算時の仕訳】を考えてから【修理時の仕訳】を考えると分かりやすいです。

決算時の仕訳

 まず、問題文のなお書きの「前期の決算で計上した商品保証引当金の残高は150,000円である」から、前期の決算時に、当期以降の保証期間内に発生すると予想される「保証に要する費用」を見積もって、商品保証引当金繰入勘定と商品保証引当金勘定を使って仕訳をしたことが分かります。

【参考】前期末に引当金を設定した時の仕訳
(借)商品保証引当金繰入 150,000
 (貸)商品保証引当金 150,000

修理時の仕訳

 次に、問題文の「前期に保証書を付して販売した商品について、顧客より無料修理の申し出があったので、修理業者に修理を依頼し、代金60,000円は現金で支払った」から、修理代金60,000円の支払いが発生したことが分かります。

 前期の決算時に計上した商品保証引当金は150,000円なので、そのうちの60,000円を取り崩して処理します。

【解答】修理にあたり引当金を取り崩した時の仕訳
(借)商品保証引当金 60,000
 (貸)現金 60,000

 本問は、第129回の問4とほとんど同じ問題でしたので、過去問対策をきちんとやっていた方にとってはボーナス問題だったと思います。

問5 消費税

 消費税に関する問題です。消費税の処理方法は、消費税を売上勘定や仕入勘定に含めて処理する「税込方式」と、消費税を仮払消費税勘定や仮受消費税勘定で処理する「税抜方式」があります。

 本問は、問題文に「消費税については税抜方式で記帳する」とあるので、消費税分40,000円は仮払消費税勘定で処理します。

【解答】消費税を税抜方式で記帳していた場合の解答仕訳
(借)仕入 500,000
(借)仮払消費税 40,000
 (貸)買掛金 540,000

 なお、仮に税込方式で記帳していた場合の解答仕訳は以下のようになります。仮払消費税勘定を使わずに、消費税分は仕入勘定に含めて処理します。参考までにご確認ください。

【参考】消費税を税込方式で記帳していた場合の解答仕訳
(借)仕入 540,000
 (貸)買掛金 540,000

 消費税の仕訳に関しては、本問のような「消費税を支払った(受け取った)時の仕訳」と、第132回の問3のような「納付すべき消費税の金額が確定した時の仕訳」の2パターンが問われます。税込方式・税抜方式の両方で解答できるようにきちんと準備しておいてください。



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