第5問 非常に簡単な精算表作成問題!満点を狙いましょう!

第5問は、簡単な【精算表作成問題】でした。問3の試算表作成問題と同様、難度・ボリュームともに平均以下でしたので、きちんと過去問対策していた方にとってはボーナス問題だったと思います。受験生アンケートでも約90%以上の方が、「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。
解答手順について
資料の未処理事項・決算整理事項の全取引の仕訳を下書き用紙に書きだした上で、それらを集計して答案用紙の精算表の修正記入欄に記入し、損益計算書欄と貸借対照表欄を完成させます。
なお、仕訳を頭の中で考えて、そのまま解答用紙の精算表の修正記入欄に書きこんでいくという上級テクニックもありますが、3級受験時にマスターするのはかなり大変なので、無理に挑戦する必要はありません。まずはひとつひとつの取引を確実に処理することを最優先にして取り組んでください。
未処理事項
(貸)受取手形 50,000
(貸)売買目的有価証券 360,000
(貸)有価証券売却益 20,000
1.の手形決済の未処理は簡単なので特に問題ないと思いますが、受取手形の減少は決算整理事項の2(貸倒引当金の設定)に影響をあたえるので、処理するさいに忘れないように気をつけてください。
2.の有価証券売却の未処理も、帳簿価額360,000円と売却価額380,000円の差額20,000円を有価証券売却益で処理するだけです。
決算整理事項
(貸)雑益 1,000
(貸)貸倒引当金 13,000
(貸)繰越商品 290,000
(借)繰越商品 350,000
(貸)仕入 350,000
(貸)建物減価償却累計額 45,000
(貸)備品減価償却累計額 100,000
(貸)引出金 87,000
(貸)消耗品費 4,000
(貸)支払保険料 45,000
(貸)未払地代 90,000
(貸)受取利息 1,080
1.の原因不明の現金過不足(貸方残)は、雑益勘定に振り替えます。現金勘定を動かさないように気をつけてください。
2.の貸倒引当金は、未処理事項1.の受取手形の決済を考慮して計算します。
(350,000円-50,000円+400,000円)×3%-8,000円=13,000円
3.の売上原価の算定は、「しーくりくりしー」の語呂でおなじみの仕訳を切るだけなので特に問題ないと思います。期末商品棚卸高は、単価@700円×数量500個=350,000円です。
4.の減価償却は、問題の資料が「備品→建物」の順番で与えられているのに対して、答案用紙の精算表は「建物→備品」の順番になっているので逆に書かないように気をつけてください。また、備品と建物の残存価額が異なるので、両者を混同しないように注意してください。
- 建物の減価償却費:1,500,000円×0.9÷30年=45,000円
- 備品の減価償却費:600,000円÷6年=100,000円
5.の引出金の処理は、引出金勘定を資本金勘定に振り替えるだけです。
6.の消耗品は、答案用紙の残高試算表欄の「消耗品費 58,000」から、決算期末に未使用分を消耗品勘定に振り替える(購入時に費用処理する)方法を採用していることが分かるので、4,000円を消耗品費勘定から消耗品勘定に振り替えます。
7.の保険料は、答案用紙の残高試算表欄に計上されている支払保険料60,000円が10月1日に支払った向こう1年分になるので、前払いした9か月分(翌期の1月1日から9月30日まで)の45,000円(=60,000円×9か月/12か月)を翌期に繰り延べます。
8.の地代は、未払分90,000円を見越し計上するだけです。
9.の利息は、満期日に受け取る利息のうち、当期に属する146日分の利息の金額を計算して見越し計上します。
900,000円×0.3%×146日/365日=1,080円