第137回・日商簿記検定2級 第3問(財務諸表作成問題)の過去問分析

第3問 難度の高い財務諸表作成問題!部分点狙いでいきましょう!

第3問の難度アンケート結果

 第3問は【財務諸表作成問題】でした。全体的な難度はやや難しめで、ボリュームも大きかったので問題を解くのはかなりしんどかったと思います。受験生アンケートでも、80%近くの受験生が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答しています。

 本問に関しては満点をとる必要はないので、拾えるところを確実に拾って部分点を稼いでください。6割~7割取れていれば十分だと思います。それでは、ひとつひとつ処理を確認していきましょう。

[資料Ⅱ]未処理事項の処理

1.
(借)現金預金 150,000
 (貸)土地 84,000
 (貸)固定資産売却益 66,000
2.
(借)現金預金 497,500
(借)手形売却損 2,500
 (貸)受取手形 500,000

 1.の固定資産の売却は、帳簿価額84,000円と売却価額150,000円の差額66,000円を固定資産売却益(または土地売却益)で処理するだけです。

 2.の手形の割引きも、割引料2,500円を手形売却損で処理するだけなので特に問題ないと思います。なお、手形の割引きにより受取手形の金額が減るので、下の決算整理事項の1(貸倒引当金の設定)で引当金要積立額を算定するさいには気をつけてください。

[資料Ⅲ]決算整理事項の処理

1.
(借)貸倒引当金繰入 53,110
 (貸)貸倒引当金 53,110
2.
(借)仕入 1,301,000
 (貸)繰越商品 1,301,000
(借)繰越商品 1,240,000
 (貸)仕入 1,240,000
(借)棚卸減耗損 30,000
 (貸)繰越商品 30,000
(借)商品評価損 15,840
 (貸)繰越商品 15,840
(借)仕入 30,000
 (貸)棚卸減耗損 30,000
(借)仕入 15,840
 (貸)商品評価損 15,840
3.
(借)未払費用 37,000
 (貸)給料 35,000
 (貸)水道光熱費 2,000
(借)給料 50,000
(借)水道光熱費 2,400
 (貸)未払費用 52,400
4.
(借)消耗品 5,100
 (貸)消耗品費 5,100
5.
(借)退職給付費用 32,000
 (貸)退職給付引当金 32,000
6.
(借)未収収益 3,750
 (貸)受取利息 3,750
(借)支払利息 6,000
 (貸)未払費用 6,000
7.
(借)減価償却費 5,710
 (貸)建物減価償却累計額 4,960
 (貸)備品減価償却累計額 750
8.
(借)商標権償却 20,000
 (貸)商標権 20,000
9.
(借)法人税、住民税及び事業税 40,000
 (貸)仮払法人税等 5,600
 (貸)未払法人税等 34,400

1.貸倒引当金

 1.の貸倒引当金は、上の未処理事項2.の手形の割引きを考慮して計算します。

(2,022,000円-500,000円+5,089,000円)×1%-13,000円=53,110円

2.売上原価の算定

 2.の売上原価の算定は、棚卸減耗損と商品評価損に関する問題の資料が「過去に出題されたことのない形式」かつ「理解しづらい文章」だったので、資料の読み取りに苦労したと思います。

 まず、棚卸減耗損から見ていきますが、問題文に「商品の期末帳簿棚卸高は1,240,000円であり、実地棚卸高(原価)は1,210,000円であった」とあるので、帳簿棚卸高と実地棚卸高の差額で金額を算定します。

1,240,000円-1,210,000円=30,000円

 また、問題文に「商品のうちに、次の価値の下落しているものが含まれていた」から、以下のような下書きを書いて商品評価損の金額を算定します。

3,840円+12,000円=15,840円

商品Aの商品評価損の算定
商品Aの商品評価損の算定
商品Bの商品評価損の算定
商品Bの商品評価損の算定

 本問の棚卸減耗損・商品評価損に関しては、資料の読み取りが難しい割にせいぜい2点~3点ぐらいの配点なので、固執する必要はありません。

 本試験でこのような問題に遭遇したら、なんとなくこんな感じの答えかな…ぐらいの軽い感覚で金額を算定し、さっさと次の処理に進みましょう(復習はしっかりやってください)。

3. 再振替仕訳と費用の見越し

 3.では「再振替仕訳」と「費用の見越し」の処理が問われています。再振替仕訳に関しては、通常は期首に前期末に切った仕訳の逆仕訳をして処理しますが、問題によっては期末になっても未処理のまま放置されていることがあります。

 本問も、問題文に「未払費用の残高は前期末の決算整理により計上されたものであり、期首の再振替仕訳は行われておらず~」とあり、期末になっても未処理のまま放置されているので、このタイミングで再振替仕訳を切って適切に処理します。

 仕訳をすんなりイメージできない方は、前期末の決算整理で切った仕訳を先に書きだしてから、再振替仕訳を考えると分かりやすいと思います。

参考・前期末の決算整理で切った仕訳
(借)給料 35,000
(借)水道光熱費 2,000
 (貸)未払費用 37,000
解答①・再振替仕訳(逆仕訳を切るだけ)
(借)未払費用 37,000
 (貸)給料 35,000
 (貸)水道光熱費 2,000

 また、問題文に「今期末の未払額は、給料50,000円および電力量2,400円であった」とあるので、指示通り、費用を見越し計上します。

解答②・費用の見越し
(借)給料 50,000
(借)水道光熱費 2,400
 (貸)未払費用 52,400

4. 消耗品

 4.の消耗品は、資料Ⅰの決算整理前残高試算表の「消耗品費 31,000」から、決算期末に未使用分を消耗品勘定に振り替える(購入時に費用処理する)方法を採用していることが分かるので、5,100円を消耗品費勘定から消耗品勘定に振り替えます。

参考・前期末の決算整理で切った仕訳
(借)消耗品費 31,000
 (貸)現金など 31,000
解答①・再振替仕訳(逆仕訳を切るだけ)
(借)消耗品 5,100
 (貸)消耗品費 5,100

5.退職給付

 5.の退職給付は、見積額32,000円を退職給付費用で処理するだけです。

6.利息の見越し

 6.の利息の見越しは、2.と同様、問題の資料が過去に出題されたことのない形式だったので少し難しく感じたかもしれませんが、ひとつひとつ考えていけばたいしたことはないです。

 まず、預入期間6か月の定期預金から考えますが、問題の資料の「満期日 平成26年6月30日」から、預入日が平成26年1月1日であることが分かります。

 そこで、決算において満期日に受け取る6か月分の利息のうち、当期に属する3か月分(平成26年1月1日~3月31日)の利息を見越し計上します。

500,000円×0.6%×3か月/12か月=750円

 次に、預入期間1年の定期預金を考えますが、問題の資料の「満期日 平成26年7月31日」から、預入日が平成25年8月1日であることが分かります。

 そこで、決算において満期日に受け取る1年分(12か月分)の利息のうち、当期に属する8か月分(平成25年8月1日~平成26年3月31日)の利息を見越し計上します。

500,000円×0.9%×8か月/12か月=3,000円

 一番下の借入金については、直近の利払日(平成25年12月31日)の翌日から決算日までの3か月分(平成26年1月1日~3月31日)の利息を見越し計上します。

1,000,000円×2.4%×3か月/12か月=6,000円

7.固定資産の減価償却

 7.の固定資産の減価償却は、2.と同様、問題の資料が過去に出題されたことのない形式だったので、資料の読み取りに苦労したと思います。

 まず、建物については、問題文の「建物の取得原価のうち148,000円は、平成25年10月1日に取得した」とあるので、旧建物と新建物に分けて減価償却費を算定します。

  • 旧建物:748,000円-148,000円=600,000円
  • 新建物:148,000円(問題の資料より)

 また、本問は問題文に「減価償却費については~4月から2月までの11か月間に毎月見積計上してきており」「建物の取得原価のうち148,000円は~月次で減価償却は行っていない」とあるので、旧建物に関しては1か月分、新建物に関しては6か月分の減価償却費を算定します。

  • 旧建物の減価償却費(1か月分):600,000円÷25年×1か月/12か月=2,000円
  • 新建物の減価償却費(1か月分):148,000円÷25年×6か月/12か月=2,960円

 一方、備品は償却方法が定率法なので、取得原価95,000円から備品減価償却累計額58,250円を差し引いて、償却率20%を掛け…たいところです。

 しかし、資料Ⅰの決算整理前残高試算表の「備品減価償却累計額 58,250」には当期の11か月分の減価償却費が含まれているので、まずはこの11か月分の減価償却費を取り除いて、期首の備品減価償却累計額の金額を算定します。

  • 期首の備品減価償却累計額:58,250円-(750円×11か月)=50,000円

 そのうえで、旧建物と同様、1か月分の減価償却費を算定します。

  • 備品の減価償却費(1か月分):(95,000円-50,000円)×20%×1か月/12か月=750円

 上記のような流れで建物と備品の減価償却費を算定します。なお、旧建物と備品の減価償却費に関しては、問題の資料の「建物については2,000円、備品については750円を、4月から2月までの11か月間に毎月見積計上してきており」から、2,000円と750円をそのまま引っ張ってきてもOKです。

8.商標権

 8.の商標権は、問題文の「商標権は平成22年4月1日に取得した」から、前期末までに3年分の償却が行われていることが分かるので、資料Ⅰの決算整理前残高試算表の「商標権 140,000」を、残りの7年間で均等償却します。

140,000円÷(10年-3年)=20,000円/年

9.法人税等

 9.の法人税等は、税引前当期純利益に40%を乗じて法人税、住民税及び事業税の金額を算定します。なお、資料Ⅰの決算整理前残高試算表に「仮払法人税等 5,600」があるので、未払法人税等の金額を算定するさいに忘れずに考慮してください。



ページの先頭へ