第135回・日商簿記検定3級 第1問(仕訳問題)の過去問分析

第1問 きちんと過去問対策していれば、短時間で20点満点取れる問題です!

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳】問題でした。5問とも過去問類似問題だったので、きちんと過去問対策をしていた方にとってはボーナス問題だったと思います。受験生アンケートでも、約90%の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

問1 現金過不足

 現金過不足に関する問題です。現金過不足勘定を雑益または雑損に振り替える仕訳は、日商簿記検定3級では頻出の論点なので、必ず出来るようにしておいてください。

 本問はまず、問題文の「現金過不足(不足額)14,200円の原因を改めて調査した」から、期中に現金の帳簿残高と実際有高とのズレを修正するために、現金過不足勘定を使って仕訳を切ったと判断します。

 ちなみに、「(不足額)14,200円」というのは帳簿残高よりも実際有高のほうが14,200円少なかったことを意味しますが、現金過不足勘定を使ってズレを修正する場合は、必ず帳簿残高を実際有高に合わせる点に気をつけてください。

期中に切った仕訳
(借)現金過不足 14,200
 (貸)現金 14,200

 期中に現金の過不足が判明した場合(帳簿残高≠実際有高)、とりあえず現金過不足勘定で一時的に処理しておいて、理由が判明したものについてはその勘定科目に振り替え、最終的に原因が特定できなかったものについては決算整理仕訳で雑益または雑損に振り替えます。

原因が判明したもの

①通信費18,000円の記入漏れ
(借)通信費 18,000
 (貸)現金過不足 18,000
②手数料の受取額6,000円の記入漏れ
(借)現金過不足 6,000
 (貸)受取手数料 6,000

 この時点で、現金過不足勘定が2,200円の借方残になるので、最後にこの現金過不足勘定を雑損勘定に振り替えます。

原因が判明しなかったもの

③残額を雑損または雑益として処理
(借)雑損 2,200
 (貸)現金過不足 2,200

 以上、①②③の仕訳をまとめると解答になります。

 現金過不足に関する問題を解く際のポイントは、「現金過不足勘定を計上したときの仕訳をイメージすること」と「最終的には現金過不足勘定の残高をゼロにする(現金過不足勘定は翌期に持ち越さない)」という点です。現金過不足の問題に苦手意識のある方は、上記の2点を意識して問題を解いてください。

問2 手形の割引き

 手形の割引きに関する問題です。手形は満期日に決済されますが、満期日前であっても銀行に手形を持参して一定の手数料(利息)を支払うことにより、手形を現金化することが出来ます。

 手形の割引日から満期日までの利息相当分は、手形売却損勘定で費用処理します。なお、利息の金額は本問のように問題文で与えられることが多いですが、第130回の問5のように自分で算定する必要がある場合は、問題の指示に従って日割計算(または月割計算)をしてください。

問3 固定資産の売却・未収金

 固定資産の売却に関する問題です。固定資産の売却損益は、売却時の帳簿価額と売却価額の差額により算定します。

 本問の場合、売却時の帳簿価額は【取得原価200,000円-減価償却累計額144,000円=56,000円】となるので、これと売却価額50,000円とを比較して、6,000円の売却損を計上します。

 なお、月末に受け取る50,000円に関しては商品売買以外の取引から発生した債権なので、売掛金勘定ではなく未収金勘定を使って仕訳を切ります。

問4 資本の引き出し

 租税公課と資本の引き出しに関する問題です。固定資産税に関しては営業用(事業用)と店主用の2つに分けた上で、前者を租税公課勘定で、後者を資本の引き出しとして資本金勘定または引出金勘定で処理するだけです。

 なお、本問は問題文で列挙されている勘定科目に引出金勘定がある(資本金勘定がない)ので、資本の引き出しに関する仕訳は引出金勘定で処理すると判断します。

  • 60%は事業用→36,000円(=60,000円×60%)は租税公課勘定で処理
  • 40%は店主用→24,000円(=60,000円×40%)は引出金勘定で処理

問5 仕入取引・当座取引

 仕入取引・当座取引に関する問題です。当座取引の処理に関しては、【当座預金勘定と当座借越勘定を使う2勘定制】と、【当座勘定のみを使う1勘定制】の2つがありますが、簿記3級の頻出論点なので、どちらの処理も必ず押さえておきましょう。

 本問は、問題文に列挙されている勘定科目に当座預金勘定・当座借越勘定がある(当座勘定がない)ので、当座預金勘定と当座借越勘定を使う2勘定制を採用していると判断します。

当座預金勘定と当座借越勘定を使う2勘定制

 当座を増加させるような取引(商品の売上や有価証券の売却など)の場合は、まず当座借越があるか確認します。当座借越がある場合それを相殺した上で残りを当座預金勘定に計上し、ない場合は全額をそのまま当座預金勘定に計上します。

 逆に、当座を減少させるような取引(商品の仕入や有価証券の購入など)の場合は、まず当座預金の残高があるか確認します。当座預金の残高がある場合はそれをゼロになるまで減額した上で残りを当座借越勘定に計上し、ない場合は全額をそのまま当座借越勘定に計上します。

 本問に当てはめて考えてみると、当座預金の残高が520,000円あるので、まずはこれをゼロになるまで減額して、足らない160,000円は当座借越勘定で処理します。

解答仕訳
(借)仕入 680,000
 (貸)当座預金 520,000
 (貸)当座借越 160,000


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