第135回・日商簿記検定2級 第2問(勘定記入)の過去問分析

第2問 受験生の戦意を喪失させる難度の高い勘定記入!

第2問の難度アンケート結果

 第2問は有形固定資産の【勘定記入】に関する問題でした。どの学校もこの手の問題の出題を予想できなかった&勘定記入を苦手にする受験生が多かったこともあり、総じて出来は悪かったようです。受験生アンケートでも6割弱の方が「かなり難しかった」と回答しています。

 ただ、第2問の全てが難しかったわけではなく、備品や車両の処理に関しては勘定記入の基本的なルールに従って解答するだけなので、少なくとも10点前後の部分点は取らなければいけない問題です。

 なお、解答手順は(1)から(7)まで順番に必要な仕訳をして、その後、答案用紙の各勘定を埋めていく方法もありますが、個人的には有形固定資産ごと(備品・車両・建物)に仕訳から勘定記入までを一気に処理する方法をおすすめします。

備品・期末に減価償却するだけです。

 まずは備品から考えていきますが、資料の(1)~(7)を見ても分かるように期中の動きは何もありません。よって、勘定記入に必要な期首の減価償却累計額を算定した上で、決算期末に行う減価償却の仕訳を切るだけでOKです。

  • 期首の減価償却累計額:(400,000円-40,000円)÷6年×3.5年=210,000円
  • 当期の減価償却費:(400,000円-40,000円)÷6年×1年=60,000円
(7)減価償却
(借)減価償却費 60,000
 (貸)備品減価償却累計額 60,000

 答案用紙の備品勘定については特に問題ないと思います。英米式決算法を採用しているので、期中仕訳・決算整理仕訳を転記した後に、貸借差額を「次期繰越」として貸借を一致させて勘定を締め切りますが、平成24年度において備品勘定は増減していないので前期繰越の金額をそのまま次期に繰り越します。

 備品減価償却累計額勘定は上の減価償却の仕訳から、貸方の「前期繰越」の下に「減価償却費」が入ることが分かり、貸借を一致させるために借方が「次期繰越」になります。なお、本問は勘定の指定がないので「減価償却費」は「備品減価償却費」にしても問題無いと思います。

  • 貸方の「前期繰越」:期首の減価償却累計額(210,000円)
  • 貸方の「減価償却費」:当期の減価償却費(60,000円)
  • 借方の「次期繰越」:期末の減価償却累計額(270,000円)

車両・5月1日に購入したものを減価償却するだけです。

 車両についても特に難しい処理はありません。購入日(5月1日)の仕訳と決算期末に行う減価償却の仕訳を切るだけでOKです。なお、車両の償却方法は生産高比例法なので、減価償却費を計算する際に期間按分しないように気をつけてください。

  • 当期の減価償却費:500,000円×0.9×20,000km/100,000km=90,000円
(2)車両購入
(借)車両 500,000
 (貸)未払金 500,000
(7)減価償却
(借)減価償却費 90,000
 (貸)車両減価償却累計額 90,000

 答案用紙の車両勘定については、購入の仕訳で発生した「未払金」を借方に記入し、貸借を一致させるために「次期繰越」を貸方に記入します。

 車両減価償却累計額勘定は上の減価償却の仕訳から、「減価償却費」を貸方に記入し、貸借を一致させるために「次期繰越」を貸方に記入します。なお、本問は勘定の指定がないので「減価償却費」は「車両減価償却費」にしても問題無いと思います。

建物・面倒くさい…まずは仕訳を書き出してみましょう

 最後に建物を考えていきますが…資料を見るだけで嫌な予感がしますよね。ただ、取引としては「倉庫が燃えた→保険金もらった」「倉庫を建てなおす→建物が完成した」「減価償却する」の3パターンだけなので、とりあえず仕訳を書き出してみましょう。

 仕訳自体は、第1問で出題される「固定資産に関する仕訳問題」と同レベルなので、仕訳対策をきちんとやっていれば問題ないと思います。

(3)倉庫(と商品)の焼失
(借)建物減価償却累計額 80,000
(借)減価償却費 10,000
(借)未決算 710,000
 (貸)建物 800,000
(借)火災損失 900,000
 (貸)仕入 900,000
  • (借)建物減価償却累計額:800,000円÷20年×2年=80,000円
  • (借)減価償却費:800,000円÷20年×3か月/12か月=10,000円
  • (借)未決算:貸借差額
  • (借)火災損失:資料(3)の文末の指示より
  • (貸)建物:資料(1)の取得原価より
  • (貸)仕入:資料(3)の文末の指示より

 上記の仕訳で注意すべきポイントは、「6月30日に焼失→3か月分の減価償却費が発生する」「保険がかけられていない商品は焼失した時点で火災損失を計上する」の2点です。

(5)保険金の受け取り
(借)当座預金 600,000
(借)火災損失 110,000
 (貸)未決算 710,000
  • (借)当座預金:資料(5)より
  • (借)火災損失:貸借差額
  • (貸)未決算:焼失時に計上した金額

 以上で焼失に関する処理は終わりです。よって、設問2の「平成24年度に発生した火災損失の金額」は、900,000円+110,000円=1,010,000円になります。

(4)倉庫の再建
(借)建設仮勘定 100,000
 (貸)現金 100,000
(6)新倉庫の完成
(借)建物 1,000,000
 (貸)建設仮勘定 100,000
 (貸)当座預金 900,000

 この仕訳についても特に問題ないと思います。手付金は建設仮勘定で処理し、完成・引渡された時点で建物勘定に振り替えます。

(7)減価償却
(借)減価償却費 68,200
 (貸)建物減価償却累計額 68,200
  • 店舗の減価償却費:(1,200,000円-120,000円)÷25年×1年=43,200円
  • 新倉庫の減価償却費:1,000,000円÷20年×6か月/12か月=25,000円

 店舗の減価償却費は普通に計算するだけなので問題無いと思います。一方、新倉庫に関しては10月1日から使用を開始しているので、10月1日~3月31日までの6か月分を費用計上します。

 答案用紙の建物勘定については、上記の(3)と(6)の「建物勘定の相手勘定」が入りますが、どちらも相手勘定が複数あるので「諸口」とひとまとめにして記入し、最後に貸借を一致させるために「次期繰越」を貸方に記入します。

  • 借方の「前期繰越」:資料(1)の取得原価(1,200,000円+800,000円)
  • 貸方の「諸口」:(3)の仕訳より
  • 借方の「諸口」:(6)の仕訳より
  • 貸方の「次期繰越」:貸借差額

 答案用紙の建物減価償却累計額勘定については、上記の(3)と(7)の仕訳から借方に「建物」、貸方に「減価償却費」を記入し、貸借を一致させるために「次期繰越」を貸方に記入します。なお、本問は勘定の指定がないので「減価償却費」は「建物減価償却費」にしても問題無いと思います。

  • 貸方の「前期繰越」:期首の減価償却累計額(432,000円+80,000円)
  • 借方の「建物」:(3)の仕訳より
  • 貸方の「減価償却費」:(7)の仕訳より
  • 借方の「次期繰越」:貸借差額


簿記オフ会のおしらせ
簿記オフ会

 2019年10月26日(土)の夜(18時~)と10月27日(日)の昼(13時~)から東京・渋谷で簿記検定ナビ主催の簿記オフ会を開催いたします。現在参加者募集中です!

 みんなで楽しく気分転換&情報交換しませんか?人見知りする方も管理人がなるべくフォローしますので、ぜひぜひご参加ください!

簿記教材の割引キャンペーン情報
CyberBookStore

 資格の学校TACの直販サイトでは、TAC出版の簿記教材を割引価格(定価の10%~20%オフ)&冊数に関係なく送料無料で購入することができます。

簿記検定ナビの人気コンテンツ

ページの先頭へ