第135回・日商簿記検定2級 第1問(仕訳問題)の過去問分析

第1問 5問とも過去問類似問題。20点満点取らなければいけない問題です!

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】でした。受験生アンケートでは「普通ぐらいだった」という回答が一番多かったんですが、5問とも過去問類似問題だったので、きちんと過去問対策をしていた方にとってはボーナス問題だったと思います。

 なお、仕訳の過去問対策は、簿記検定ナビで無料配布している仕訳問題対策を有効活用していただければと思います。

問1 特殊商品売買(予約販売)

 特殊商品売買の予約販売に関する問題です。予約販売に関しては、「予約金受け取り時の仕訳」と「商品販売時の仕訳」を分けて考えると分かりやすいです。

 まず、予約金受け取り時の仕訳ですが、問題文に「全集は売出し時に完売し、予約にさいしては全集10巻1セットにつき代金の全額30,000円を受け取っている」とあるので、以下のような仕訳を切っていたことを読み取ることが出来ます。

【参考】既に切られている仕訳
(借)現金など 15,000,000
 (貸)前受金 15,000,000

 次に、解答すべき商品販売時の仕訳ですが、問題文に「日商音工株式会社がかねて予約を受け付けていたCD全集(1セット10巻)のうち、第1巻と第2巻が完成し、本日予約者全員にこれらを送付した」とあるので、上の仕訳で計上した前受金の5分の1(全10本のうち2本送付)を売上に振り替えます。

解答仕訳
(借)前受金 3,000,000
 (貸)売上 3,000,000

問2 社会保険料の納付

 社会保険料の納付に関する問題です。まず、問題文の「給料支払い時に控除していた源泉所得税750,000円、住民税560,000円および社会保険料190,000円」という一文から、給料を支払う際に従業員が負担すべき社会保険料1,500,000円を預かっていたことが分かります。

【参考】従業員に給料を支払ったときの仕訳
(借)給料 *****
 (貸)従業員預り金 1,500,000
 (貸)現金など *****

 上記の仕訳を踏まえて、今回問われている【社会保険料を納付したときの仕訳】を考えます。

 従業員から預かっていた1,500,000円については従業員預り金勘定を減額し、会社が負担すべき社会保険料190,000円については、法定福利費勘定で費用処理します。

【解答】社会保険料を納付したときの仕訳
(借)従業員預り金 1,500,000
(借)法定福利費 190,000
 (貸)当座預金 1,690,000

問3 固定資産の除却

 固定資産の除却に関する問題です。解答の流れとしては「除却する固定資産の帳簿価額を算定する」→「貯蔵品の評価額と除却時の帳簿価額を比較して、差額を除却損益として認識する」になります。

 ではまず、「除却する固定資産の帳簿価額を算定する」から考えていきます。問題文の備品に関するデータから、以下のような計算式で除却時の帳簿価額を算定します。

  • 購入日:平成19年4月1日
  • 除却日:平成25年4月1日(使用期間→6年)
  • 6,000,000円÷10年×6年=3,600,000円(除却時の備品減価償却累計額)
  • 6,000,000円-3,600,000円=2,400,000円(除却時の帳簿価額)

 次に、貯蔵品の評価額ですが、問題文に「備品の除却時の処分価額は1,500,000円と見積もられた」とあるので、1,500,000円ということが分かります。

 最後に、上記の金額を使って「貯蔵品の評価額と除却時の帳簿価額を比較して、差額を除却損益として認識する」という仕訳を切ります。

 具体的には、【除却時の帳簿価額>貯蔵品の評価額】の場合は【除却損】を計上し、【除却時の帳簿価額<貯蔵品の評価額】の場合は【除却益】を計上します(除却益が発生するケースはあまり考えられませんが…)。

 本問は、【除却時の帳簿価額:2,400,000円>貯蔵品の評価額:1,500,000円】のケースに該当するので、差額の900,000円を固定資産除却損勘定で処理します。

問4 偶発債務

 偶発債務に関する問題です。この問題は【仕入に関する仕訳】【保証債務に関する仕訳】に分けて考えると分かりやすいです。

仕入に関する仕訳

 こちらは3級の試験範囲の仕訳なので特に問題ないと思います。他店振出の約束手形を裏書譲渡する場合、受取手形勘定を減額します。

解答仕訳1
(借)仕入 600,000
 (貸)受取手形 400,000
 (貸)買掛金 200,000

保証債務に関する仕訳

 問題文に「手形額面の3%を保証債務にかかわる費用として計上した」とあるので、借方に保証債務費用12,000円(=400,000円×3%)を計上するとともに、貸方に保証債務勘定を計上します。

解答仕訳2
(借)保証債務費用 12,000
 (貸)保証債務 12,000

問5 利益処分

 利益処分に関する問題です。利益剰余金(繰越利益剰余金)を財源として配当を行う場合には、「配当により減少する利益剰余金(繰越利益剰余金)の額の10分の1を、資本準備金の額と利益準備金の額とをあわせて、資本金の4分の1に達するまで積み立てなければならない」と定められているので、本問でもこの文言どおりにチェックする必要があります。

 まず、問題文に「株主配当金:1株につき5,000円」とあるので、配当により減少する利益剰余金の金額は20,000,000円(=5,000円×4,000株)で、その10分の1は2,000,000円ということが分かります。減債積立金の積立額12,000,000円は利益準備金要積立額の計算には関係ないので気をつけてください。

 また、資本準備金と利益準備金の合計額が39,000,000円(=20,000,000円+19,000,000円)なので、資本金200,000,000円の4分の1に達するまで積み立てなければならない額は、200,000,000円÷4-39,000,000円=11,000,000円になります。

 ここで、両者を比較すると【2,000,000円<11,000,000円】となるので、利益準備金要積立額は2,000,000円になります。

  • 配当の10分の1規定による利益準備金要積立額:2,000,000円
  • 資本金の4分の1規定による利益準備金要積立額:11,000,000円
  • 金額の小さい方(2,000,000円)を利益準備金として積み立てる

 配当の10分の1規定に関しては多くの受験生が理解していると思いますが、資本金の4分の1規定と比較するのを忘れてしまう方が多いです。

 今回は10分の1規定の金額の方が小さかったので、4分の1規定を忘れていても結果的には正解までたどり着けますが、利益処分の問題は必ず資本金の4分の1規定もチェックしてください。



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