日商簿記検定2級 第134回総評(過去問分析)

第1問 問1以外は普通レベルの過去問類似問題。16点は取りたいところ!

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳】問題でした。アンケートでは「やや難しかった」という回答が一番多かったようですが、問1の固定資産の買替え以外は過去問類似問題だったので、きちんと過去問対策していた方は最低でも4問(16点)は取れたと思います。

 ちなみに…第1問の仕訳問題で3問以下しか取れないと合格がかなり厳しくなるので、仕訳に不安がある方は仕訳問題対策を使って仕訳力を強化しておいてください。


 問1固定資産の買替えに関する問題ですが、記帳方法が直接法だったので少し難しかったと思います。

 ただ、「当期の減価償却費に関する仕訳」→「旧備品の売却に関する仕訳」→「新備品の購入に関する仕訳」という順番でひとつひとつ考えていけば十分、正解にたどり着ける問題です。

 なお、借方の備品勘定と貸方の備品勘定はそれぞれ別の備品(新備品と旧備品)なので相殺せずに仕訳を切る点に気をつけてください。

 問2荷為替手形に関する問題ですが、本問は第117回の問5とほとんどで同じ問題なので、過去問対策をきちんとやっていた方にとってはボーナス問題になったと思います。

 問3社債の買入償還に関する問題です。第107回の問4以来、久しぶりの出題になりましたが、今回は「社債の評価替え」が不要だったので過去問対策をきちんとやっていた方にとってはボーナス問題になったと思います。

 問4商品保証引当金に関する問題ですが、本問も第129回の問4で同じような問題が出題されているので、過去問対策をきちんとやっていた方にとってはボーナス問題になったと思います。

 問5売上取引に関する問題です。本問も第105回の問1で同じような問題が出題されているので、過去問対策をきちんとやっていた方にとってはボーナス問題になったと思います。

 なお、為替手形の指図人と名宛人については便利な語呂(指受宛払・さしうけあてばらい)があるので、興味のある方は簿記でも使える語呂暗記ページをご覧ください。


 なお、各問の詳細な解説に関しては、以下の仕訳問題対策の個別ページをご覧ください(なお、仕訳問題対策に掲載しているのは過去問類題なので、解答仕訳が過去問と異なる点に留意してください)。


 最後に、仕訳問題の解答手順をもう一度確認しておいてください。最近の試験では…第124回の2級で現金預金勘定を使う仕訳問題が出題されましたが、勘定科目のチェックを怠ってしまった受験生は、現金勘定や当座預金勘定を使って解答してしまい、それだけでマイナス12点になってしまったので、練習時から「勘定科目のチェック」を忘れないように気をつけてください。

  1. 解答用紙に仕訳を書く(問題文に列挙されている勘定科目のうち、解答に使用するものには打ち消し線を入れる)
  2. 問5まで全て解き終えたら、勘定科目の再チェックをする(今度は斜線ではなく丸で囲む)
  3. 打ち消し線と丸囲みが一致しているか最終チェックをする

第2問 受験生の戦意を喪失させた銀行勘定調整表に関する問題!

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【銀行勘定調整表】からの出題でした。いわゆる「新形式の問題」で、問題を見た瞬間に「こんな問題見たことないよ…」と戦意喪失状態になってしまった受験生が多かったようです。アンケートでも多くの受験生が「かなり難しかった」と回答しています。

 ただ、(1)の当座預金勘定の残高と銀行残高証明書の残高は、問題文に書いてある金額をそのまま引っ張ってくるだけですし、資料Ⅱの仕訳は第1問や第3問でもよく問われる論点なので、結局は最後まで諦めずに部分点を狙えたかどうかだと思います。

 それでは早速、ひとつずつ考えていきましょう。(1)は銀行勘定調整表の作成問題です。銀行勘定調整表には「企業残高基準法」「銀行残高基準法」「並列法(両者区分調整法)」の3つの種類がありますが、本問では「企業残高基準法」が問われています。

  • 企業残高基準法:企業残高を銀行残高に合わせる
  • 銀行残高基準法:銀行残高を企業残高に合わせる
  • 並列法:金額不一致の原因を企業側・銀行側に分けて表示し、両者の残高を合わせる

 ただ、解答を考える上では並列法が一番分かりやすいので、まずは並列法で両者の差額を調整し、その上で企業残高基準法による場合の表示に直しましょう。以下の画像は、並列法の下書き画像です。

銀行勘定調整表の並列法の考え方1
銀行勘定調整表の並列法の考え方1

 まず、「当座預金勘定の残高」ですが、問題の資料Ⅰ・当座預金出納帳の3月31日の残高259,700円から引っ張ってきます。また、「銀行残高証明書の残高」は、資料Ⅱの問題文「取引銀行から銀行残高証明書を入手したところ、証明書残高は255,200円だった」から、255,200円を引っ張ってきます。

 次に「不一致の原因を加減する」部分ですが、ここには資料Ⅱの①②③④の金額が入ります。ひとつひとつ考えてみましょう。

 ①はいわゆる未取付小切手と呼ばれるものです。企業側では小切手振出時に当座預金の残高を減らしますが、小切手を受け取った人が未だ銀行に呈示(=換金)していないため、銀行の残高と合わなくなります。銀行側の残高を減らすことによって残高の不一致を是正します。

 ②はいわゆる誤記入と呼ばれるものです。他人振出小切手を受け取った場合、本来は現金の増加として処理すべきなのに当座預金の増加として処理してしまったので、銀行の残高と合わなくなります。企業側の当座預金の残高を減らすことによって残高の不一致を是正します。

 ③はいわゆる未渡小切手と呼ばれるものです。企業側では小切手振出時に当座預金の残高を減らしますが、未渡しの状態で金庫に残っている場合は小切手が銀行に呈示(=換金)されることはないないため、銀行の残高と合わなくなります。企業側の当座預金の残高を増やすことによって残高の不一致を是正します。

 ④はいわゆる時間外預入と呼ばれるものです。企業側では預け入れた時点で当座預金の残高を増やしますが、銀行側では翌営業日に入金処理をするので、銀行の残高と合わなくなります。銀行側の残高を増やすことによって残高の不一致を是正します。

 上記の処理を下書きに反映すると以下のようになります。勘の良い方はもうお分かりだと思いますが、この時点で(3)の貸借対照表に計上される当座預金の残高253,700円が判明します。

銀行勘定調整表の並列法の考え方2
銀行勘定調整表の並列法の考え方2

 それでは最後に、企業残高基準法による場合の表示に修正しますが、必要な作業としては当座預金勘定の残高からスタートして「∪」の字を書くように、不一致の原因を加減算して、最終的に銀行残高証明書の残高に合わせるだけです。

銀行勘定調整表の並列法の考え方3
銀行勘定調整表の並列法の考え方3

 なお、この時に注意していただきたいのは、銀行側の調整項目の符号が逆転するという点です。銀行側は253,700円→255,200円という流れの調整になるからです。

 あとは、符号に注意して答案用紙に番号と金額を埋めていくだけです。


 それでは、次に(2)の決算整理仕訳を考えてみましょう。

 まず、資料Ⅱの仕訳から考えますが、企業側で仕訳を切る必要があるのは、②の誤記入と③の未渡小切手だけです。①の未取付小切手と④の時間外預入については企業側で調整する必要はないので「仕訳なし」になります。

資料Ⅱの決算整理仕訳

仕訳なし
(借)現金 22,000
 (貸)☆☆☆ 22,000
(借)当座預金 16,000
 (貸)未払金 16,000
仕訳なし

 次に、資料Ⅲの仕訳を考えますが、金庫の中に入っているもののうち簿記上、現金として取り扱うのは「紙幣・硬貨」「他店振出小切手」「配当金領収証」だけです。他店振出約束手形は受取手形勘定で、日本国債は有価証券勘定で処理します。

 ここで、決算整理前の状態を考えると、「他店振出小切手」は当座預金の増加として処理しており、「配当金領収証」も未処理の状態なので、現金勘定に計上されているのは「紙幣・硬貨」のみということが分かります。

 そこで、現金勘定の決算整理前残高145,800円と、紙幣・硬貨の実査額145,300円との差額500円を雑損として処理するとともに、配当金領収証の処理に関する仕訳を切ります(注:他店振出小切手に関しては資料Ⅱの②で処理済み)。

資料Ⅲの決算整理仕訳

(借)雑損 500
 (貸)現金 500
(借)現金 6,000
 (貸)受取配当金 6,000

 最後に(3)の貸借対照表に計上される現金および当座預金の残高を考えますが、当座預金の残高については並列法による銀行勘定調整表の「調整後の残高」から金額を引っ張ってくるだけです。

 また、現金の残高も実査で判明した「紙幣・硬貨」「他店振出小切手」「配当金領収証」の各金額を合計するだけなので特に問題ないと思います。

  • 当座預金:並列法による銀行勘定調整表の「調整後の残高」→253,700円
  • 現金:145,300円+22,000円+6,000円=173,300円

 長くなってしまいましたが、第2問の解説は以上になります。

 合格するためには、少なくとも(1)の「当座預金勘定の残高」「銀行残高証明書の残高」、(2)の資料Ⅱの2つの仕訳、資料Ⅲの配当金領収証の仕訳の5つ(2点×5=10点前後)は取りたいところです。

第3問 予想通りの精算表作成問題。質・量ともに普通レベルの問題です!

第3問の難度アンケート結果

 第3問はスタンダードな【精算表作成問題】でした。質・量ともに普通レベルの問題ですが、のれんや経過勘定項目、売上原価の計算を売上原価の行で計算する処理などに手間取った受験生が多かったようです。アンケートでは半分以上の方が「普通ぐらいだった」と回答しています。

 本問の解答手順は「下書き用紙に仕訳を書きだした上で答案用紙の修正記入欄を埋めていく」方法と「頭の中で仕訳を考えて答案用紙の修正記入欄に直接、記入する」方法の2つがありますが、後者は(解答時間の短縮になりますが)難度が高いので、まずは前者のほうで正確に処理できるようにしましょう。

資料Ⅰ・未処理事項

(1)
(借)保証債務 3,000
 (貸)保証債務取崩益 3,000
(2)
(借)建物 1,800,000
 (貸)建設仮勘定 1,000,000
 (貸)未払金 800,000

 (1)の保証債務の取崩しについては、保証債務取崩益勘定で処理するだけです。

 (2)の新建物の未処理についても、建設仮勘定と未払金勘定で処理するだけです。なお、資料Ⅱ(3)で減価償却費を計算する際には、この新建物の分も忘れないように気をつけてください。

資料Ⅱ・決算整理事項

(1)
(借)売上原価 384,000
 (貸)繰越商品 384,000
(借)売上原価 3,195,000
 (貸)仕入 3,195,000
(借)繰越商品 450,000
 (貸)売上原価 450,000
(借)棚卸減耗損 36,000
 (貸)繰越商品 36,000
(借)商品評価損 13,800
 (貸)繰越商品 13,800
(2)
(借)貸倒引当金繰入 6,380
 (貸)貸倒引当金 6,380
(3)
(借)減価償却費 95,500
 (貸)建物減価償却累計額 45,500
 (貸)備品減価償却累計額 50,000
(4)
(借)売上割戻引当金繰入 62,595
 (貸)売上割戻引当金 62,595
(5)
(借)のれん償却額 30,000
 (貸)のれん 30,000
(6)
(借)受取家賃 225,000
 (貸)前受家賃 225,000
(7)
(借)前払保険料 100,000
 (貸)支払保険料 100,000

 (1)の売上原価の算定については、問題文に「売上原価は「売上原価」の行で計算する」という指示があるので、いつもの「しーくりくりしー」ではなく、簿記の語呂でもご紹介している「浮く牛食う(うくうしくう)」の仕訳を切ります。

売上原価を「売上原価」の行で計算する場合の仕訳
(借)売上原価 期首商品棚卸高
 (貸)繰越商品 期首商品棚卸高
(借)売上原価 当期商品仕入高
 (貸)仕入 当期商品仕入高
(借)繰越商品 期末商品棚卸高
 (貸)売上原価 期末商品棚卸高

 なお、本問の場合、期首商品棚卸高には答案用紙の試算表の繰越商品の金額384,000円が、当期商品仕入高には答案用紙の試算表の仕入の金額3,195,000円が、期末商品棚卸高には資料Ⅱ(1)の金額450,000円(=500個×900円/個)が入ります。

 (2)の貸倒引当金の設定は特にひっかけもないので問題ないと思います。(3)の減価償却費の計算は、「新建物は月割で減価償却費を計上すること」「残存価額に気をつけること」の2点がポイントです。

 (4)の売上割戻引当金については、2級の試験範囲になって初めての出題だったので少し戸惑ったかもしれませんが、処理自体は答案用紙の試算表の売上の金額4,173,000円に1.5%を掛けるだけです。切りの良い数字にならないところがちょっと意地悪です。

 (5)ののれんの償却については、問題文に「3年前の4月に三重商店を買収した際に生じたもの」とあるので、償却期間10年のうち既に2年分は償却済みということになります。

 よって、答案用紙の試算表ののれんの金額240,000円は、残り8年で償却するので240,000円÷8年=30,000円/年が正しい計算式になります。深く考えずに240,000円÷10年=24,000円/年としてしまった方は気をつけてください。


 (6)の収益の前受けは間違えやすい論点なので、ここで考え方・処理方法を確認しておきたいと思います。まずは前期末の仕訳を考えてみましょう。

前期末の(収益の前受けの)仕訳
(借)受取家賃 9か月分の家賃
 (貸)前受家賃 9か月分の家賃

 問題文に「毎年同額を1月1日に向こう1年分まとめて受け取る…」とあるので、前期末に「当期の4月1日から12月末までの9か月分の家賃」を前受家賃勘定を使って前受け処理したことが分かります。

 なお、この時点では9か月分の家賃の具体的な金額が分からないので、仕訳の金額部分は暫定的に「9か月分の家賃」としています。

 それでは次に、上記の仕訳を参考にして当期首の再振替仕訳を考えます。

【4月1日】再振替仕訳
(借)前受家賃 9か月分の家賃
 (貸)受取家賃 9か月分の家賃

 当期首の再振替仕訳については、前期末の仕訳の逆仕訳をするだけなので特に問題ないと思います。では次に、1月1日(家賃受取日)の仕訳を考えてみましょう。

【1月1日】1年分の家賃を受け取った時の仕訳
(借)現金など 12か月分の家賃
 (貸)受取家賃 12か月分の家賃

 この結果、答案用紙の試算表に記載されている受取家賃525,000円というのは、9か月分の家賃+12か月分の家賃=21か月分の家賃の金額ということになるので、この525,000円を21か月で割ると、1か月あたりの家賃が25,000円であることが分かります。

 1か月あたりの家賃を算定することが出来たら、最後に当期末の収益の前払いの仕訳を考えますが、この仕訳の金額については今までのように「~か月分の家賃」という形ではなくて、1か月あたりの家賃を元に正しい金額を記入します。

 具体的には、前期末と同様に9か月分の収益を前受け処理するので、1か月あたりの家賃25,000円×9か月=225,000円ということになります。

【解答】収益の前受けの仕訳
(借)受取家賃 225,000
 (貸)前受家賃 225,000

 この収益の前払いの仕訳を切ることによって、答案用紙の精算表において21か月分計上されていた「受取家賃」勘定が12か月分に訂正され、その結果、正しい金額が損益計算書に記入されることになります。


 (7)の費用の前払いはほぼ毎回出題される頻出論点なので、(6)の収益の前受けと同様に、ここで考え方・処理方法を確認しておきたいと思います。まずは前期末の仕訳を考えてみましょう。

前期末の(費用の前払いの)仕訳
(借)前払保険料 5か月分の保険料
 (貸)支払保険料 5か月分の保険料

 問題文に「毎年同額を9月1日に向こう1年分を一括して支払っている」とあるので、前期末に「当期の4月1日から8月末までの5か月分の保険料」を前払保険料勘定を使って前受け処理したことが分かります。

 なお、この時点では5か月分の保険料の具体的な金額が分からないので、仕訳の金額部分は暫定的に「5か月分の保険料」としています。

 それでは次に、上記の仕訳を参考にして当期首の再振替仕訳を考えます。

【4月1日】再振替仕訳
(借)支払保険料 5か月分の保険料
 (貸)前払保険料 5か月分の保険料

 当期首の再振替仕訳については、前期末の仕訳の逆仕訳をするだけなので特に問題ないと思います。では次に、9月1日(保険料支払日)の仕訳を考えてみましょう。

【9月1日】1年分の保険料を支払った時の仕訳
(借)支払保険料 12か月分の保険料
 (貸)現金など 12か月分の保険料

 この結果、答案用紙の試算表に記載されている支払保険料340,000円というのは、5か月分の保険料+12か月分の保険料=17か月分の保険料の金額ということになるので、この340,000円を17か月で割ると、1か月あたりの保険料が20,000円であることが分かります。

 1か月あたりの保険料を算定することが出来たら、最後に当期末の費用の前払いの仕訳を考えますが、この仕訳の金額については今までのように「~か月分の保険料」という形ではなくて、1か月あたりの家賃を元に正しい金額を記入します。

 具体的には、前期末と同様に5か月分の費用を前払い処理するので、1か月あたりの保険料20,000円×5か月=100,000円ということになります。

【解答】費用の前払いの仕訳
(借)前払保険料 100,000
 (貸)支払保険料 100,000

 この費用の前払いの仕訳を切ることによって、答案用紙の精算表において17か月分計上されていた「支払保険料」勘定が12か月分に訂正され、その結果、正しい金額が損益計算書に記入されることになります。

第4問 費目別計算のC/RおよびP/L作成問題!過去問とクリソツです。

第4問の難度アンケート結果

 第4問は【費目別計算】の製造原価報告書および月次損益計算書の作成問題でした。第121回の第4問とほとんど同じ問題なので、きちんと過去問対策をしていた方にとってはボーナス問題になったと思います。

 本問の解き方についてはいろんな方法があると思いますが、個人的には原価要素ごとにBOXを書いて勘定連絡図を作る方法をおすすめします。下の画像は、私が実際に問題を解く際に書いた下書きです。勘定連絡図は実際に手を動かして覚えるのが一番なので、学習の際の参考にしてください。

第4問・単純個別原価計算の下書き
第4問・単純個別原価計算の下書き

解答に当たって注意すべきポイント

 製造原価報告書には製造間接費の実際発生額を記入しますが、本問では製造間接費を予定配賦していて、当月製造費用は予定配賦額を元に記入する必要があるので、実際発生額を予定配賦額に修正します。

 そこで、製造原価報告書の製造間接費配賦差異の金額欄にて、実際発生額4,169,800円から差異87,400円を差し引き、予定配賦額4,082,400円を記入します。

 また、本問の製造間接費は予定(4,082,400円)よりも実際(4,169,800円)のほうが大きく、製造間接費配賦差異87,400円は不利差異になるので、損益計算書の売上原価に含めて処理します。

第5問 直接原価計算の文章穴埋め問題。これはさすがに難しい…

第5問の難度アンケート結果

 第5問は【直接原価計算】からの出題でした。第114回の第5問でも今回と同じような文章穴埋め問題が出題されたんですが、第114回の問題は現在市販されている過去問題集には載っていませんし、各社の予想問題集も今回の形式はノーマークだったので、問題を見た瞬間に青ざめた受験生も多かったようです。

 アンケートでも80%以上の方が「かなり難しかった」「やや難しかった」と回答されています。

 それでは早速、解答手順を考えていきましょう。本問のように、直接原価計算と全部原価計算の各金額の違いを問われた場合は、少し難しいかもしれませんが「直接原価計算による損益計算書」と「全部原価計算による損益計算書」を書きだすことをおすすめします。

第5問・直接原価計算による損益計算書
第5問・直接原価計算による損益計算書
第5問・全部原価計算による損益計算書
第5問・全部原価計算による損益計算書

 下書きの各金額については、ひっかけ等も特にないので問題ないと思います。間違えてしまった方は基本的な理解が出来ていない可能性があるので、テキストに戻ってきちんと復習してください。

 なお、上記の下書きは各損益計算書のひな型をきちんと覚えていることが作成の前提条件になっており、2級受験生にそこまで要求するのは厳しいと思いますが、今後も同じような問題が出題される可能性はあるので、ひな型に関してはある程度割りきって覚えてください。

まとめ

全体的な難度に関するアンケート結果

 全体の難度に関するアンケート結果は「かなり難しかった」がダントツに多くて、「やや難しかった」も含めると85%以上になります。現時点では全体の合格率は判明していませんが、前回の試験の合格率47.6%の3分の1ぐらい(15%前後)になりそうな感じです。

 今回の試験で合格するためには、第1問・第3問・第4問で出来る限りたくさんの点数(60点中50点以上)を稼いで、第2問・第5問は部分点(40点中20点以上)狙いに徹する…という方法が一番現実的だと思いますが、私が受験生なら第2問・第4問を見てすぐに戦意喪失していたと思うので、今回の試験を初見で70点以上取れた方はすごいです。

 あと、今後の過去問対策についてですが、「最近はあまり過去問から出ないからやる意味が無い」という極端な意見を、特に第134回試験以降よく耳にするようになりましたが、個人的にはやはり過去問対策は必須だと思います。

 その理由は、新形式の問題をピンポイントで予想することは不可能ですし、今回の第1問・第3問・第4問も過去問対策をきちんとやっていれば満点近い点数を取れる問題だったからです。

 なお、過去問を解く際には「必ず時間を計ってやること」「なるべく少ない下書きで正解が導き出せるように毎回工夫すること」の2点に気をつけてください。

 計測したタイムは解答用紙に記入しておき、回数を重ねるごとに短縮できているか毎回チェックし、下書き用紙については捨てずに解答用紙に挟んでおいて、前回のものと比べられるようにしておいてください。

新形式の問題について

 新形式の問題については、第126回の第2問(特殊商品売買)、第127回の第3問(本支店会計)、第132回の第2問(特殊商品売買)、第134回の第2問(銀行勘定調整表)・第5問(直接原価計算)と、ここ最近頻繁に出題されているので、第135回以降の試験でも出題される可能性は十分にあります。

 ただ、事前に予想して対策を講じるのは費用対効果の面で現実的ではないので、運悪く出題されてしまった場合にはとにかく諦めずに部分点を積み上げていくようにしてください。

 日商簿記検定2級には各科目の足きり制度はなく、合計で70点以上取れれば合格できる試験なので、「取れるところから取る!難しいところは部分点を積み上げる!」ということを、試験時だけでなく練習時にも常に意識して問題を解いてください。



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