第1問 今回の仕訳問題は問題文が長く、指示の読み取りが結構きつい!
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第1問は今回も【仕訳】問題でしたが、過去問ではあまり見かけない問題が出たり、指示の読み取りに時間がかかる問題がいくつかありましたので、前回に比べると少し難しかったかもしれません。
ただ、決して手も足も出ないというレベルではなく、過去問対策をきちんとやっていれば最低でも4問(16点)は取れたはずですので、3問以下しか取れなかった方は、仕訳問題対策などを使ってテコ入れをしておいてください。
問1は固定資産の購入に関する問題です。建設仮勘定と付随費用である登記料の処理が論点になりますが、過去にも同じような形式で何度も出題されていますので、過去問対策をきちんとやっていた方にとっては、ボーナス問題になったと思います。
問2は株式申込証拠金に関する問題です。こちらも問1と同様、過去にも同じような形式で何度も出題されていますので、過去問対策をきちんとやっていた方にとっては、ボーナス問題になったと思います。
問3は債権の貸倒れに関する問題です。第100回試験以降の仕訳問題で債権の貸倒れに関する問題が出題されたのは初めてですが、処理自体は「前期発生債権」と「当期発生債権」に分けて考えれば、あとは簿記3級レベルの知識で解けるような簡単な問題ですので、特に問題なく正解まで辿りつけたと思います。
問4は特殊商品売買(受託販売)に関する問題です。本問は、【自社の商品の売上】と【島根商店より販売を委託された商品の売上】を分けて考えることをおすすめします。受託販売は、特殊商品売買の中でも最頻出論点で、特にここ最近は連続(第124回・第125回・第126回・第128回)で出題されていますので、きちんと対策しておいてください。
問5は不渡手形に関する問題です。ここ最近では2年に1回ぐらい、ちょうど忘れた頃に問われますが、第117回や今回のように「不渡手形発生時の仕訳」を問われることもありますし、第123回のように「不渡手形消滅時の仕訳」を問われることもありますので、「発生→消滅」を一連の流れで押さえておくと良いと思います。
なお、各問の詳細な解説に関しては、仕訳問題対策のほうで個別にまとめましたので、必要に応じてご覧いただければと思います。(仕訳問題対策に掲載しているのは過去問類題ですので、過去問の解答仕訳とは異なる点に留意してください)
最後に、仕訳問題の解答手順をもう一度確認しておいてください。最近の試験では・・・第124回の2級で現金預金勘定を使う仕訳問題が出題されましたが、勘定科目のチェックを怠ってしまった受験生は、現金勘定や当座預金勘定を使って解答してしまい、それだけでマイナス12点になってしまいましたので、練習時から「勘定科目のチェック」を忘れないようにしてください。
- 問題文を読んで、一度、問題用紙の余白部分に仕訳をする
- 問題で列挙されている勘定科目を使っているか確認する
- ない場合は代替できる勘定を探す(例・従業員預り金→預り金など)
- 解答用紙に仕訳をする
第2問 一部推定アリの伝票会計!パズル感覚で楽しく解ける問題でした!
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第2問は【伝票会計】からの出題でした。第121回や第123回で出題された問題と同じパターン(一部推定アリ)でしたので、過去問をきちんとやっていた方は満点が取れたと思います。アンケート結果を見ても、多くの受験生が「かなり簡単だった」と回答されています。
それでは早速、解き方を考えていきますが、本問のような「一部推定ありの伝票会計」の問題については、以下のような2ステップで解くクセをつけてください。
- 問題用紙の各伝票、解答用紙の総勘定元帳・補助元帳の空欄を埋める
- 問題用紙の各伝票の金額を集計して解答用紙の仕訳日計表を完成させる
本問の場合、まず問題用紙の各伝票および解答用紙の総勘定元帳・仕入先元帳・得意先元帳の空欄部分をパズル感覚で埋めていきます。はじめての方はどこから手をつけていいのか迷うかもしれませんが、これはもう分かるところからどんどん埋めていってください。
例えば・・・総勘定元帳の受取手形勘定は、3行目で貸方に29,500円を計上した結果、借方残49,500円になるわけですから、2行目の時点では79,000円の借方残だったことが分かり、借方に34,000円計上したことが判明します。
このようにして問題用紙と解答用紙の空欄を埋め終えたら、次に2.のステップに移ります。問題用紙の各伝票の金額を集計し、解答用紙の仕訳日計表の各勘定の金額を算定します。
ここで、教材によっては、T勘定を使って各伝票の金額を集計した上で仕訳日計表を完成させる方法を紹介していますが、T勘定を作るのに時間がかかりますし、金額を移記する過程でケアレスミスが発生する可能性も否めませんので、個人的には各伝票からダイレクトに集計する方法をおすすめします。
なお、仕訳日計表については「各勘定が1日でどれだけ増えてどれだけ減ったのか把握するために作るもの」ですので、借方と貸方の金額は相殺せずに両建てで表示する点に気をつけてください。
また、集計が完了した伝票についてはその都度打ち消し線を引くなりして、未集計のものときちんと区別するように心がけてください。本番でいきなりやろうと思ってもなかなか出来ませんので、練習段階から意識して行うようにしてください。
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最後に、伝票会計に関しては下の画像の内容をきちんと理解できているか確認してください。この画像は管理人が実際に作ったまとめノートの一部ですが、この画像の内容を確実に理解しておけば、たいていの伝票会計の問題に対応できるはずです。
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第3問 予想通りの精算表作成問題!満点は無理でも高得点は狙える問題です!
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第3問は大方の予想通り【精算表作成問題】からの出題でした。ところどころにひっかけがあるので、満点をとるのは難しかったかもしれませんが、きちんと過去問対策をしていれば7割~8割は十分取れる問題だったと思います。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
|---|---|---|---|---|
| 1.① | 当座預金 | 75,000 | 未払金 | 75,000 |
| 1.② | 仕訳なし | |||
| 1.③ | 当座預金 | 68,000 | 売掛金 | 68,000 |
| 1.④ | 水道光熱費 | 27,000 | 当座預金 | 27,000 |
| 1.⑤ | 買掛金 | 150,000 | 当座預金 仕入割引 |
135,000 15,000 |
| 2. | 受取手形 売掛金 仕入 |
600,000 450,000 870,000 |
売上 未着品 |
1,050,000 870,000 |
1.⑤が問題文の言い回しが少し難しかったかもしれませんが、簡単に言いますと「買掛金を支払ったときに仕入割引をしてもらったんだけど、その取引の仕訳をするのを忘れてました。てへっ。」ってことですから、その指示に従って仕訳をするだけです。
2.については、未着品売上時の仕訳が問われていますが、「売上原価は仕入勘定へ振り替えた。なお、未着品の次期繰越高は0である」という指示から、解答用紙の残高試算表に計上されている未着品870,000円を全額仕入勘定に振り替えることになります。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
|---|---|---|---|---|
| 1. | 貸倒引当金繰入額 | 82,000 | 貸倒引当金 | 82,000 |
| 2. | 仕入 繰越商品 棚卸減耗損 商品評価損 |
998,000 1,160,000 54,000 122,000 |
繰越商品 仕入 繰越商品 繰越商品 |
998,000 1,160,000 54,000 122,000 |
| 3. | 売買目的有価証券 | 67,000 | 有価証券評価益 | 67,000 |
| 4. | 減価償却費 | 444,000 | 建物減価償却累計額 備品減価償却累計額 |
150,000 294,000 |
| 5.(1) | 社債利息 | 15,000 | 社債 | 15,000 |
| 5.(2) | 社債発行費償却 | 30,000 | 社債発行費 | 30,000 |
| 6. | 社債利息 | 22,500 | 未払社債利息 | 22,500 |
| 7. | 消耗品費 | 145,000 | 消耗品 | 145,000 |
| 8. | 前払保険料 | 24,000 | 支払保険料 | 24,000 |
| 9. | 受取手数料 | 28,000 | 前受手数料 | 28,000 |
1.の貸倒引当金の繰入については、資料Ⅰの未処理事項を考慮して計算する必要があります。2.の期末商品の処理については、C商品の取り扱いに気をつけてください。正味売却価額(期末時の時価)が帳簿価額よりも高いので、商品の評価替えを行う必要はありません。
3.の売買目的有価証券については、3つめの「社債」の取り扱いに気をつけてください。社債というとなんとなく投資有価証券(満期保有目的債券)をイメージしてしまうかもしれませんが、丙者社債は売買目的有価証券として保有されていますので、甲社株式・乙社株式と同様に、期末時に時価評価することになります。
6.の社債利息については、10月1日~12月31日までの3か月分の利息の未払いを計上します。7.の消耗品については、解答用紙の残高試算表の「消耗品 160,000円」から、購入時には消耗品勘定で処理しておいて、期末時に当期消費分を消耗品費勘定に振り替える方法を採用していると判断します。
8.の費用の繰延べについては、ほぼ毎回出題される頻出論点ですので、ここで考え方・処理方法を確認しておきたいと思います。まずは前期末の仕訳を考えてみましょう。
| 前期末の(費用の繰延べの)仕訳 | |||
|---|---|---|---|
| (借)前払保険料 | 4か月分の保険料 | (貸)支払保険料 | 4か月分の保険料 |
ちなみに、上記仕訳の金額部分に書かれている「4か月分の保険料」というのは、今年度の1月から4月末までの4か月間に期間按分された保険料を意味します。この時点では具体的な金額が分からないので、暫定的に「4か月分の保険料」としています。次に、この仕訳を参考にして期首の再振替仕訳を考えます。
| 【1月1日】再振替仕訳 | |||
|---|---|---|---|
| (借)支払保険料 | 4か月分の保険料 | (貸)前払保険料 | 4か月分の保険料 |
上記の仕訳については、前期末の仕訳の逆仕訳をするだけなので特に問題ないと思います。では次に、5月1日(保険料支払日)の仕訳を考えてみましょう。
| 【5月1日】1年分の保険料を支払った時の仕訳 | |||
|---|---|---|---|
| (借)支払保険料 | 12か月分の保険料 | (貸)現金など | 12か月分の保険料 |
この結果、解答用紙の残高試算表に記載されている保険料96,000円というのは、4か月分の保険料+12か月分の保険料=16か月分の保険料の金額ということになりますので、96,000円を16か月で割ると、1か月あたりの保険料が6,000円であることが分かります。
1か月あたりの保険料を算定することが出来たら、最後に費用の繰延べの仕訳を考えることになりますが、この仕訳の金額については今までのように「~か月分の保険料」という形ではなくて、1か月あたりの保険料を元に正しい金額を記入します。具体的には、4か月分の費用の繰延べを行いますので、1か月あたりの保険料6,000円×4か月=24,000円ということになります。
| 【解答】費用の繰延べの仕訳 | |||
|---|---|---|---|
| (借)前払保険料 | 24,000 | (貸)支払保険料 | 24,000 |
この費用の繰延べの仕訳を切ることによって、解答用紙の精算表において16か月分計上されていた「支払保険料」勘定が12か月分に訂正され、正しい金額が損益計算書に記入されることになります。
第4問 個別原価計算の問題!あまりにも簡単すぎて逆に不安なる問題・・・。
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第4問は【個別原価計算】からの出題でしたが、あまりにも簡単すぎて逆に不安になるレベルでしたので、合格するためには必ず満点を取らなければいけない問題です。
具体的な解答手順としては、下書き用紙に指図書別の原価計算表を書いて、分かるところどんどん金額を埋めていきます。資料2.の「外注加工賃=直接経費」をクリア出来れば、その他については特に問題ないと思います。
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第5問 等級別原価計算の問題!仕損が正しく処理出来ればあとは楽勝です。
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第5問は【等級別原価計算】からの出題でした。本問は、仕損の明確な発生地点が分かりませんが、途中発生かつ平均法により原価配分する旨の指示がありますので、仕損については完成品と月末仕掛品の両者負担になります。
なお、下書き用紙にボックス図を書いて算定する際は、仕損の部分は無視して当月の完成品総合原価・月末仕掛品原価を計算すればOKです。
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等価係数の計算はZを基準にして「Z=1、Y=2、X=4」としましたが、Xを基準にして「X=1、Y=0.5、Z=0.25」としても構いません。ただ個人的には、小数や分数になるよりも整数になるように基準を設定したほうが、その後の積数計算・完成品原価の按分計算が楽になると思います。
あと、完成品単位原価を計算する際は、積数「X=4,800、Y=800、Z=400」ではなく完成品数量「X=1,200、Y=400、Z=400」を使って計算する点に気をつけてください。
本問は、積数で単位原価を計算してもきれいに割りきれてしまいますので、意識していないと作問者のひっかけにはまってしまいます。間違えてしまった方はきちんと復習しておいてください。
まとめ
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今回の試験は商業簿記・工業簿記ともに概ね予想通りの出題でしたし、特に工業簿記の2問がとても簡単でしたので、きちんと過去問対策していた方が順当に合格できる回だったと思います。合格率も34.8%と平均以上の数字になりました。
日商簿記検定2級の勉強法については、3級同様、「テキストと問題集を何度も繰り返し、ある程度力が付いてきたら過去問・予想問題を購入して典型論点の問題をこなしておく」という王道的なスタイルできちんと勉強すれば、よっぽどのことがない限り短期&1発合格できますので、地道にコツコツ勉強するようにしてください。
なお、過去問・予想問題を解く際には「必ず時間を計ってやること」「なるべく少ない下書きで正解が導き出せるように毎回工夫すること」の2点に気をつけてください。計測したタイムは解答用紙に記入しておき、回数を重ねるごとに短縮できているか毎回チェックし、下書き用紙については捨てずに解答用紙に挟んでおいて、前回のものと比べられるようにしておいてください。
新形式の問題について
新形式の問題については、第126回の第2問(特殊商品売買)、第127回の第3問(本支店会計)と立て続けに出題されましたので、第129回以降の試験でも新形式の問題が出題される可能性は十分にあります。ただ、事前に予想して対策を講じるのは費用対効果の面で現実的ではありませんので、運悪く出題されてしまった場合には、とにかく諦めずに部分点を積み上げていくようにしてください。
日商簿記検定2級には各科目の足きり制度はなく、合計で70点以上取れれば合格できる試験ですので、「取れるところから取る!難しいところは部分点を積み上げる!」ということを、試験時だけでなく練習時にも常に意識して問題を解くようにしてください。













