日商簿記検定2級 第123回総評(過去問分析)

第1問 今回もやっぱり仕訳問題!過去問類似問題が多数出題されました!

 第1問は今回もスタンダードな【仕訳】問題でした。


 問1の銀行勘定調整表に関する問題は、残高不一致の原因をひとつひとつ考えていけば特に問題はないと思います。復習の際は、調整の必要はあるものの修正仕訳を切る必要がない未取付小切手と、調整の必要があり、かつ修正仕訳を切る必要のある連絡未達&未渡小切手をきちんと区別できるようにしておいてください。

 問2の債権の貸倒れに関する問題は、不渡手形の処理が出来たかどうかがポイントになります。不渡手形の処理が苦手な方は、償還請求をした際の仕訳(不渡手形を計上する仕訳)をイメージしてそこから解答を導き出すと良いと思います。

 問3の未着品売買に関する問題は、【裏書手形に関する取引】【為替手形に関する取引】【売上原価の振り替えに関する取引】の3つに分けて考えると分かりやすいと思います。ひとつひとつの取引自体は特に難しくありませんが、本問は問題文の中で与えられた勘定科目の中に「未着品売上」勘定がありませんので、代わりに「売上」勘定を使って処理する点に注意してください。

 ちなみに、第108回の問1で出題された未着品売買に関する問題とほとんど同じですので、一度チェックしてみてください。過去問の重要性を再認識していただけると思います。

 問4の社債の満期償還に関する問題は、社債の評価替えの仕訳を正しく切れたかどうかがポイントになります。社債を償還する場合は必ず「社債の評価替え」→「社債の満期償還」という順番で処理するようにしておくとケアレスミスが減ると思います。

 ちなみに、第110回の問4で出題された社債の満期償還に関する問題とほとんど同じですので、一度チェックしてみてください。問3と同様に過去問の重要性を再認識していただけると思います。

 問5の固定資産の修繕に関する問題はとても簡単ですので特にコメントはありません。修繕引当金を取り崩して充当し、不足分については修繕費として処理することになります。

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第2問 伝票会計からの出題!第121回の問題とほとんど同じです!

 第2問は【伝票会計】からの出題でした。仕訳日計表と総勘定元帳(現金と売掛金)、得意先元帳(熊本商店・宮崎商店・佐賀商店)を作成する問題で、第121回日商簿記検定の第2問で出題された伝票会計の問題とほとんど同じような問題でした。

 それでは早速…と行きたいところですが、まずは以下の表をきちんと理解できているか確認してください。これは伝票会計のまとめノートの一部ですが、この表を確実に理解しておけば、たいていの伝票会計の問題に対応できるはずです。ちなみに、今回は「五伝票制・仕訳日計表使用」のパターンであったことがお分かりいただけると思います。

伝票画像1
伝票画像2

 今回のような問題は、まず各伝票を起票して全ての仕訳を下書き用紙に記入します。その際、金額が空欄になっているところは、四角で囲むなり線を引くなりして目立たせておいてください。なお、得意先の売掛金については、店名を使って仕訳を切ると集計の時に楽になると思います。

 そして仕訳を全て切り終えたら、次は空欄になっている部分を推定していく作業を行います。解答用紙にヒントが隠されていますので、パズル感覚で分かるところからどんどん埋めていくと良いでしょう。その後、それらを集計して仕訳日計表や総勘定元帳、得意先元帳の借方貸方の金額を埋めていきます。

 管理人の下書きを下に載せておきますので、興味のある方はぜひご覧ください(推定して算出した金額は分かりやすいようにピンクのラインマーカーを引いています)

下書き画像

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第3問 予想通り、本支店会計からの出題でした!下書きの定型化がカギ!

 第3問は【本支店会計】の問題でした。難易度的には普通レベルの問題でしたので特にコメントはありませんが、過去に出題された本支店会計の問題と同様に「未達事項の処理」と「内部利益の控除」がポイントになります。

 管理人の下書きを下に載せておきますので、興味のある方はぜひご覧ください(推定して算出した金額は、分かりやすいように赤字で書いています)

下書き画像

 具体的な下書きの書き方については、第117回日商簿記検定の2級総評にも詳しく載せてありますので、下書きの定型化がまだ出来ていらっしゃらない方は参考にしてみてください。日商簿記検定2級の本支店会計対策は、下書き用紙の書き方をマスターして過去問を何回も繰り返すだけです。

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第4問 部門別原価計算の簡単な問題でした!

 第4問は【部門別原価計算】からの出題でしたが、特に難しいところはなかったと思います。ただ、問1の製造部門(加工部・組立部)の製造部門費を間違えてしまいますと、問2の部門別配賦率の計算も芋づる式に間違えてしまいますので、問1の部門別配賦表を完成させる際は慎重に金額を算定するようにしてください。

 なお、問3は問題用紙に予め記入されている部門費合計額17,600,000円と、問題の資料2で与えられている直接作業時間のデータだけで算定可能な独立問題です。

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第5問 工程別総合原価計算からの出題でした!半製品の取り扱いがカギ!

 第5問は【工程別総合原価計算】からの出題でした。第123回日商簿記検定2級・試験問題予想のページで「出題傾向を勘案しますと、もし第123回で総合原価計算が出題されるなら、工程別総合原価計算や等級別総合原価計算の出題可能性が高いと思います」と書きましたが、さすがに半製品が絡んでくることまでは予想できませんでした。

 半製品の問題はかなり昔に出題されたことがあるようですが、近年は全く出題されていないばかりか、テキストや問題集でもほとんど取り扱われていないような論点でしたので、かなり面食らってしまった方が多かったようです。

 本問は、問題文に「第1工程完成品のうち一部は製品T(半製品)として、外部販売のため倉庫に保管される」とありますので、第1工程で完成した940個のうち、750個については第2工程に投入し、残りの190個については第2工程に投入しないことになります。

 下書き用紙にボックス図を書いて解く場合は、第1工程のボックスと第2工程のボックスの間に倉庫のボックスを追加して計算するようにすると分かりやすいと思います。下に管理人が問題を解く際に書いた下書き用紙を載せておきますので、よろしければ倉庫のボックスの書き方などを参考にしてください。

下書き画像

 各工程の計算自体はとても簡単でしたので、半製品の取り扱いが分かっていれば(もしくは試験中に理解できれば)ボーナス問題だったと思います。

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まとめ

 第123回日商簿記検定2級は、受験者数・実受験者数・合格者数が過去最高を更新し、合格率も38.4%と高い数字になりました。

 また、今回も前回と同様に、過去問に類似した問題が数多く出題されました。テキストと問題集を何度も繰り返しある程度力が付いてきたら、過去問を入手して典型論点の問題をこなしておくと合格率が飛躍的に上がると思います。特に伝票会計と本支店会計については、過去問を使って下書き用紙の書き方をマスターすることをおすすめします。

 なお、過去問を解く際には「必ず時間を計ってやること」「なるべく少ない下書きで正解が導き出せるように工夫すること」の以上2点に気をつけてください。計測したタイムは解答用紙に記入しておき、回数を重ねるごとに短縮できているかチェックするようにしてください。下書き用紙については捨てずに解答用紙に挟んでおき、前回のものと比べられるようにしておいてください。

 第1問の仕訳問題の過去問類題は、簿記2級・仕訳問題対策に詳しくまとめてありますので、興味のある方はぜひご覧ください。



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