日商簿記検定2級 第115回総評(過去問分析)

第115回の問題は「仕訳→伝票会計→本支店→費目別→単純総合」でした!

 第1問は今回もスタンダードな【仕訳】問題でした。問1は委託販売に関する問題ですが、このような問題はひとつずつ仕訳を切っていくと分かりやすいのでおすすめです。

商品を積送したときの仕訳(既に切っている仕訳)
(借)積送品 50,000
 (貸)仕入 50,000
売上計算書を受け取ったときの仕訳(解答すべき仕訳)
(借)委託販売 48,000
 (貸)積送品売上 48,000
(借)仕入 40,000
 (貸)積送品 40,000

 問4は社会保険料に関する問題です。この問題も上と同様に、ひとつずつ仕訳を切っていくといいでしょう。ちなみに法定福利費とは、福利厚生の一環として、社員が納付すべき社会保険料のうち、会社負担分をいいます。

従業員に給料を支払ったとき(既に切っている仕訳)
(借)給料 *****
 (貸)社会保険料預り金 150,000
 (貸)現金預金など *****
社会保険料を納付したとき(解答すべき仕訳)
(借)法定福利費 150,000
(借)社会保険料預り金 150,000
 (貸)現金 300,000

 第2問は【伝票会計】に関する問題でした。問題文で与えられた各伝票から、仕訳日計表を作成するオーソドックスな問題ですので、ぜひとも満点を狙いたいところです。

 本問は、【起票・集計・転記のパターン】を理解できているかどうかがポイントになります。

 仕訳日計表を採用している場合、総勘定元帳の勘定の摘要欄には「仕訳日計表」と記入することになりますが、補助元帳である得意先元帳については、その性質上、全て個別転記されることになりますので、得意先元帳の勘定の摘要欄には、相手勘定名または伝票名を記入することになります。

 ここで、ひとつ考えてみてください。上で「補助元帳である得意先元帳については、その性質上、全て個別転記されることになります」と書きましたが、その理由は理解できていますか?

 答えは、【補助元帳は「ある特定の勘定に関する明細取引を得るため」に作られるものであり、出来るだけ詳しく記録する必要があるから】です。このような理由により、合計転記ではなく個別転記という面倒な処理が要求されるわけです。

 第3問は【本支店会計】の問題でした。量は少し多目ですが、個々の論点の難度は平均的なレベルですので、満点に近い得点がほしいところです。ケアレスミスに気をつけて問題を解くようにしてください。特にコメントすべきところはありません。


 第4問は前回と同様、【費目別原価計算】からの出題でした。このような問題は勘定連絡図をイメージすると仕訳が切りやすくなりますので、迷ったら下書き用紙に勘定の流れを簡単に書いてみるといいでしょう。下の画像は、勘定の流れを簡単にまとめたものですので、よろしければ参考にしてください。

 勘定連絡図の作成は、工業簿記の理解を深めるのに非常に有益ですので、何も見ずに書けるようになるまで練習してください。

第4問・費目別原価計算の勘定連絡図
第4問・費目別原価計算の勘定連絡図

 第5問は【単純総合原価計算】からの出題でした。本問のように、正常仕損の発生地点が不明のケースは、正常仕損の完成品換算量を求めることが出来ませんので、仕損を両者負担させて計算することになります。下の画像は、私が実際に書いた下書きですので、よろしければ参考にしてください。

第5問・単純総合原価計算の下書き
第5問・単純総合原価計算の下書き

まとめ

 今回は、全体的に簡単な問題が多かったので合格率も42.5%と高い数字になりました。第5問は正常仕損の発生地点に関する記述がなかったので戸惑った方もいらっしゃると思いますが、消去法により【両者負担】で計算するということに気付けるかどうかがポイントになりました。

 また、今回も過去問と似たような出題がいくつかありました。ある程度、力が付いてきたら過去問を入手して典型論点の問題をこなしておくと合格率が飛躍的に上がると思います。今回、残念ながら不合格だった方も、次の受験前にはぜひ過去問を有効活用して合格を勝ち取ってください。



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