第110回の問題は「仕訳→帳簿組織→試算表→勘定記入→精算表」でした!
第1問は今回も【仕訳】問題でしたが、特に難しい問題はなかったと思います。問1は営業活動以外で生じた債権なので、未収金勘定を使って仕訳を切ります。問2は、為替手形の裏書譲渡と為替手形の振出でしたが、それぞれ分けて考えるとケアレスミスを減らせると思います。本問の場合、為替手形の裏書譲渡は手形債権の消滅を意味しますから受取手形勘定を減額、為替手形の振り出しは得意先に対する債権の減少を意味しますから売掛金勘定を減額することになります。問3は、旅費交通費は従業員が帰ってくるまで確定しませんので、それまでは仮払金勘定を使って一時的に処理します。
問4は、現金過不足の問題です。現金の実際有高と帳簿残高の金額が異なる場合、帳簿残高を実際有高に合わせるために、現金過不足勘定を使って一時的に処理します。原因調査の結果、原因が判明したものについては当該勘定に振替え、原因が判明しなかったものについては雑損または雑益勘定に振替えることになります。
原因が判明したもの
| ①通信費29,000円が記入漏れだった | |||
|---|---|---|---|
| (借)通信費 | 29,000 | (貸)現金過不足 | 29,000 |
| ②保険料の支払額69,000円を96,000円と誤記入していた | |||
| (借)現金過不足 | 27,000 | (貸)保険料 | 27,000 |
原因が判明しなかったもの
| ③残額を雑損または雑益として処理 | |||
|---|---|---|---|
| (借)雑損 | 9,000 | (貸)現金過不足 | 9,000 |
解答
| ①+②+③ | |||
|---|---|---|---|
| (借)通信費 (借)雑損 |
29,00 9,000 |
(貸)保険料 (貸)現金過不足 |
27,000 11,000 |
第2問は【帳簿組織】からの出題でした。仕入帳および売上帳に記録された取引から、記入すべき補助簿を選択する問題です。一見難しいように見えますが、仕訳を考えて記入先を考えていくだけですので、見た目で判断せずに取り組んでみてください。
なお、5月13日の取引は、10日に仕入れたプロジェクター2台を返品した【仕入戻し】になります。この取引により商品の在庫が減少しますので商品有高帳への記入が必要となります。一方、5月30日の取引は25日に売り上げたプロジェクターを合計180,000円値引した【売上値引】になります。売上値引ですから、この取引により商品の在庫が増減することはありませんので、商品有高帳への記入は不要です。
第3問は今回も【試算表】の出題でした。問題文で与えられた主要な勘定から仕訳を推定し、残高試算表を作成する問題です。この問題はまず、(2)で与えられた現金勘定、受取手形勘定、売掛金勘定、支払手形勘定、買掛金勘定をそれぞれ締め切ります。締め切るといっても残高を電卓で計算するだけなのでとても簡単です。
- 現金 345,000
- 受取手形 990,000
- 売掛金 624,000
- 支払手形 920,000
- 買掛金 143,000
以上の数字が算定されたと思いますので、これらを解答用紙に記入します。この作業だけで3点×5=15点の得点が期待できます(TAC予想)
次に(2)で与えられた勘定記録をもとに仕訳を切っていきます。この際のポイントは、各勘定の親勘定【現金勘定なら現金、受取手形勘定なら受取手形】はすでに集計済みですので、なるべく簡素化して記入すべきということです。僕が解答する際に、実際に書いた下書きを載せておきますので参考にしていただければ幸いです。
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ここでは現金勘定に注目してみてください。親勘定である【現金】の金額は集計していません。では、なぜ集計していないか分かりますか?答えは、集計する必要がないからです。上述の通り、既に集計済みなものについては簡素化して記入しています。受取手形勘定の【受取手形】も金額が空欄になっていますが同じ理由です。
あと、この問題で注意していただきたいのは【二重集計を回避する】ことです。
| 現金勘定 | |||
|---|---|---|---|
| (借)現金 | 180,000 | (貸)売掛金 | 180,000 |
| 売掛金勘定 | |||
| (借)現金 | 180,000 | (貸)売掛金 | 180,000 |
上の2つの仕訳は売掛金を現金で回収したという仕訳で、同じ取引になります。(借)現金(貸)売掛金という仕訳はそれぞれ現金勘定へ転記、売掛金勘定へ転記されますので、1つの仕訳について、複数の勘定に記録がなされているのです。このことから生じる二重集計を防ぐために、下書きの右部分で仕訳をチェックしています。このように明視化することでケアレスミスを減らすことが出来ます。
第4問は【勘定記入】の問題でした。この問題は当座預金を一勘定制で処理したものを、二勘定制で処理した場合の勘定に記入しなおすものです。問題文で与えられた勘定を参考にして二勘定制を用いて仕訳を切っていき、最後にそれを集計し、勘定に記入することになります。
| 4月5日 | |||
|---|---|---|---|
| (借)買掛金 | 50,000 | (貸)当座預金 | 50,000 |
| 4月8日 | |||
| (借)仕入 | 100,000 | (貸)当座預金 (貸)当座借越 |
30,000 70,000 |
| 4月10日 | |||
| (借)当座借越 (借)当座預金 |
70,000 110,000 |
(貸)当座預金 | 180,000 |
| 4月25日 | |||
| (借)未払金 | 125,000 | (貸)当座預金 (貸)当座借越 |
110,000 15,000 |
第5問は【精算表】でした。内容自体は特に難しくなかったと思います。


