日商簿記検定3級 第109回総評(過去問分析)

第109回の問題は「仕訳→勘定記入→試算表→仕訳→精算表」でした!

 第1問は今回も【仕訳】問題でした。特に難しい問題はなかったと思います。問2は既に切った仕訳を考えてみると分かりやすいと思います。負債計上されている所得税預り金勘定を相殺する仕訳を切ることになります。

既に切った仕訳 ※源泉徴収にかかる部分のみ抜粋
(借)給料 120,000
 (貸)所得税預り金 120,000
今回、解答すべき仕訳
(借)所得税預り金 120,000
 (貸)当座預金 120,000

 第2問は【勘定記入】からの出題でした。分記法で記帳された商品勘定および商品売買益勘定から仕訳を考え、その仕訳を、三分法を用いて記帳するというもので、かなり難しい問題に部類されると思います。

 問題を解く順番は以下の手順がいいと思います。

  1. 分記法で記帳された商品勘定および商品売買益勘定から仕訳を考える
  2. その仕訳を三分法を用いた場合にどうなるか考えて仕訳を切りなおす
  3. その仕訳を基に勘定の空欄を埋めていく

①分記法で記帳された商品勘定および商品売買益勘定から仕訳を考える

9月8日・掛け仕入
(借)商品 12,000
 (貸)買掛金 12,000
9月10日・掛け売上
(借)売掛金 9,000
 (貸)商品 6,000
 (貸)商品売買益 3,000
9月15日・掛け売上
(借)売掛金 12,000
 (貸)商品 7,500
 (貸)商品売買益 4,500
9月17日・売上値引
(借)商品売買益 400
 (貸)売掛金 400
9月22日・掛け仕入
(借)商品 4,000
 (貸)買掛金 4,000
9月23日・仕入値引または仕入戻し
(借)買掛金 800
 (貸)商品 800
9月30日・売上原価算定仕訳(決算整理仕訳)
仕訳なし
9月30日・決算振替仕訳
(借)商品売買益 7,100
 (貸)損益 7,100

9月17日の売上値引について

 問題文で与えられている勘定をぱっと見ただけでは、売上戻りなのか売上値引なのかすぐに分からないかもしれませんが、売上戻りであれば商品売買益勘定だけでなく、商品勘定にも反映されることになります。

分記法の売上戻り(原価と利益の修正を行う。売上時の逆仕訳
(借)商品 *****
(借)商品売買益 *****
 (貸)売掛金 12,000
分記法の売上値引(原価の修正を行わず、利益の修正のみ行う
(借)商品売買益 *****
 (貸)売掛金 *****

 本問の場合、商品勘定に9月17日の取引が記帳されていませんので、売上戻りではなく、売上値引があったことが分かります。9月23日も同様ですが、仕入戻しと仕入値引は仕訳が同じ【仕入時の逆仕訳】ですので、本問ではどちらの取引であったか考える必要はありません。

②三分法を用いた場合にどうなるか考えて仕訳を切りなおす

9月8日・掛け仕入
(借)仕入 12,000
 (貸)買掛金 12,000
9月10日・掛け売上
(借)売掛金 9,000
 (貸)売上 9,000
9月15日・掛け売上
(借)売掛金 12,000
 (貸)売上 12,000
9月17日・売上値引
(借)売上 400
 (貸)売掛金 400
9月22日・掛け仕入
(借)仕入 4,000
 (貸)買掛金 4,000
9月23日・仕入値引または仕入戻し
(借)買掛金 800
 (貸)仕入 800
9月30日・売上原価算定仕訳(決算整理仕訳)
(借)仕入 8,000
 (貸)繰越商品 8,000
(借)繰越商品 9,700
 (貸)仕入 9,700
9月30日・決算振替仕訳
(借)損益 13,500
 (貸)売上 13,500
(借)仕入 20,600
 (貸)損益 20,600

③その仕訳を基に勘定の空欄を埋めていく

 あとは、②の仕訳を仕入勘定および売上勘定に転記するだけです。


 第3問は今回も【試算表】の出題でした。残高試算表と仕入先元帳を作成する問題です。この問題で一番初めに気付いていただきたいポイントは、【残高試算表だけでなく、仕入先元帳も作成する】という点です。すなわち、解答では埼玉商店と千葉商店の買掛金増減の詳細を知りたいわけですから、これらがすぐに分かるように仕訳を切れば、集計に無駄な時間を使わなくて済むことになります。

 ですから、仕訳を切る際は買掛金勘定を使わずに、【埼玉・買掛】や【千葉・買掛】などの独自の人名勘定を使うことをおすすめします。


 第4問は【仕訳】の問題でした。この問題のポイントは、決算振替仕訳と再振替仕訳を理解しているか否かだけで、テクニック的な要素はありません。この2つは頻出論点ですので、かならず出来るようにしておいてください。


 第5問は【精算表】でした。内容自体は特に難しくなかったと思います。(2)の誤記入の訂正について不安な方は、【誤った仕訳】【正しい仕訳】【訂正仕訳】と3つの仕訳を実際に切ってみるといいと思います。

まとめ

 今回は第2問以外は難しい問題はなかったと思います。難しかった第2問に関しても部分点を拾っていくことは十分に可能ですので、諦めずに取り組むようにしてください。合格率は31.8%でした。

 また、今回も過去問と似たような出題がいくつかありました。ある程度、力が付いてきたら過去問を入手して典型論点の問題をこなしておくと合格率が飛躍的に上がると思います。今回、残念ながら不合格だった方も、次の受験前にはぜひ過去問を有効活用して合格を勝ち取ってください。



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