日商簿記検定2級 第109回総評(過去問分析)

第109回の問題は「仕訳→伝票会計→財務諸表作成→個別→標準」でした!

第1問は今回もスタンダードな【仕訳】問題でした。問1は試用品に関する問題ですが、これはまず既に切られた仕訳を考えてから、解答すべき答えを導き出すのがいいと思います。

試用品の発送時の仕訳
(借)試用品 50,000
 (貸)仕入 50,000
買い取りの意思表示があった6個の仕訳…①
(借)売掛金 42,000
 (貸)売上 42,000
(借)仕入 30,000
 (貸)試用品 30,000
返品されてきた残りの4個の仕訳…②
(借)仕入 20,000
 (貸)試用品 20,000
解答すべき仕訳…①+②
(借)売掛金 42,000
 (貸)売上 42,000
(借)仕入 50,000
 (貸)試用品 50,000

 問2は当期純利益の振り替えの問題です。勘定の流れを理解していれば簡単に解ける問題ですので、間違えてしまった方は勘定の流れ(特に決算整理仕訳→決算振替仕訳)をもう1度確認してください。ちなみに、損益勘定と繰越利益剰余金勘定の流れは以下の図のようになります。

管理人の下書き画像
管理人の下書き画像

 第2問は【帳簿組織】からの出題でした。まずこの問題で注意すべきは、問題文の後ろのほうにあるなお書きの一文【1月中には手形による売掛金および買掛金の決済は無かった】です。これは受取手形の増加は売上の発生によってのみ生じたことを意味し、支払手形の増加は仕入の発生によってのみ生じたことを意味します。

 上記の問題文のなお書きを頭に入れた上で問題を解いていくことになりますが、まずやるべきことは【問題文(1)の?を埋めていく作業】です。他の特殊仕訳帳の金額または解答用紙の試算表の金額から、?の金額を推定していきます。

 例えば、仕入帳は現金欄合計の金額と支払手形欄合計の金額が?になっています。まず現金欄合計のほうは、現金出納帳の仕入欄合計の224,000円がそのまま入るだけです。

 また、支払手形欄合計の金額は、解答用紙の平成17年1月1日の合計試算表の支払手形勘定の金額426,000円と、と平成17年1月31日の合計試算表の支払手形勘定の金額820,000円の差額が、支払手形による仕入によって増加した金額394,000円となります。

 ?欄の金額を埋め終えたら、次は特殊仕訳帳と普通仕訳帳を下書き用紙に書き出します。この際に、2つの仕訳帳に重複して記録される取引を、2重計上しないように注意する必要があります。下の画像は、私が問題を解く際に実際に書いた下書きですので、よろしければ参考にしてください。

第2問・帳簿組織の下書き
第2問・帳簿組織の下書き

 2重計上防止のため、該当箇所の金額は()で表示することにしています。合計試算表を作成する際は、これらの数字を加減しないように注意してください。また、本問は、【合計試算表】を作成する問題ですので、【合計残高試算表】の作成と間違えないようにしてください。

 第3問は今回は【本支店会計】からの出題でした。ボリュームや難度的にもごく普通の問題でしたので、個々の論点を確実に理解していれば満点が狙える問題だったと思います。特にコメントすべき事はありません。


 第4問は【総合原価計算】からの出題で、非常に簡単なのでぜひとも満点を狙いたい問題です。ボックスを書いて数字を埋めていくだけなので、なるべく早めに正解を導き出して、余った時間を他の問題の解答時間に振り分けていかなければなりません。

 下の画像は、私が問題を解く際に実際に書いた下書きですので、よろしければ参考にしてください。

第4問・総合原価計算の下書き
第4問・総合原価計算の下書き

 第5問は【個別原価計算】からの出題でした。この問題は、製造指図書ごとに現在の状態をきちんと把握することが出来たか否か、がポイントになります。

 逆に言いますと、これらの把握が出来れば特に難しい問題ではないということです。第4問と同様に満点が狙える問題なので、ケアレスミスに注意して解答してください。

まとめ

 今回の問題は、工業簿記は2問ともボーナス問題だったと思いますので、この2問から解き始めることが出来た方は高得点が期待できました。逆に、出題順どおりに解いてしまった方の中には、途中で時間切れになってしまったケースも多いようです。

 試験開始後はすぐに問題を解き始めるのではなく、全ての問題に軽く目を通して、簡単なものから解いていくことが資格試験の鉄則です。個人的には、今回であれば工業簿記→商業簿記の順番がベターだったと思います。今回の合格率は27.5%でした。

 また、今回も過去問と似たような出題がいくつかありました。ある程度、力が付いてきたら過去問を入手して典型論点の問題をこなしておくと合格率が飛躍的に上がると思います。今回、残念ながら不合格だった方も、次の受験前にはぜひ過去問を有効活用して合格を勝ち取ってください。



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